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みんなで新書を読んでみよう!【推薦図書】
先日、文芸評論家・三宅香帆さんがYouTubeで新書の紹介をしていた。
三宅香帆さんと言えば、年間300冊を超える読書量を誇り、知識量も膨大である。
そんな彼女が紹介する新書と言うジャンルに、僕は俄然興味が湧いた。
僕はこれまでも読書は続けていたのだが、小説か自己啓発本ばかり読んでいた。
新書と言えば、表紙が非常にシンプルで娯楽を寄せ付けず、棚を見ている人はだいたい気難しげに眉間に皺を寄せているイメージがある。
実際そうなのだが、新しい扉を開く気概を強く持ち、新書の棚を拝見した。
初見で感じたことは、タイトルに「はじめての」とか「〜を始めよう」などの初心者向けに書かれた本が多いと言うことだ。
新書は学術的なテーマに沿って、有識者のみが理解できる論文みたいなものと言う印象があった。
しかし、それは全くの見当違いで知識層が専門の学問を分かりやすく楽しんでもらえるように作られたものだったのだ。
僕は今回は、前から興味のあった哲学について知りたいと思い、「はじめての哲学的思考」と言う本を手に取った。
哲学と言うと、確かな答えなど見つからない理想論を並べる抽象的な学問だと思っていたから、どうして学問として残り続けているのか甚だ疑問だったのだ。
しかし、それは大きな間違いだと気付いた。
物事の真理を見つけることはできないが、人と対話を繰り返し、お互いに納得できる考えを目指していく前向きな学問だったのだ。
この哲学の根本的思考を知ったとき、僕の価値観は大きく揺らいだ。
この一冊を読んだだけで、止めどなく新しい気づきが見つかった。
確かに新書で紹介される分野は、普段の生活では見当たることは少なく、もしかしたら最低限生きていく上では必要ないかもしれない。
しかし、新たな着眼点を得ることで、いつもの日常を少し違う視点で見れたり、普段気づかないことに興味を持ったりと、日々の生活を+αで豊かにしてくれる、それが新書の魅力なのだ。
是非、みんなで新書を読んでみよう!
(終)