マガジン

  • 人間観察地点

    人間は観測者なんじゃないかなとたまに考えます。なにを観測するのかわからないですが、それは具体的なものではなくあいまいな『なにか』で、美しい瞬間だったり、かなしさだったり、居てもたってもいられない衝動だったりする気がします。 ここではわたしが観察したその『なにか』を記します。そしてそのなにかは人間から観測されることが多いので、わたしは人間を観察します。 わたしが知りたいのは人間とはなにかということで、それは世界とはなにかということでもあるかもしれないし、わたしとはなにかということでもあるかもしれません。 観察されるものは『わたし』が感じたことでしかないかもしれませんが、『あなた』のことであるということもあるかもしれません。 知らんけど。 どうぞたまに見てくれたら嬉しいです。

  • わたしって

    この世界と、わたしのこと

  • Y氏の日常

    誰かの日常は僕の非日常だったりするもので、Y氏を観察することは僕にとって学びと気づきに繋がります。 ここでは僕が観測したY氏の日常を綴ります。

最近の記事

「だってみんな生まれてきたじゃん」

誰も悪くない 初めてあった時ものぎたはそう言っていた 雨の降る夏の日、 彼のおかげでみなは悲しまずにすんだ 僕は感謝している 彼はなんだか異質だ 街で見ると世界から浮いている 明らかに風景に馴染んでいない その背中は少し寂しそうだった それから週一ぐらいで来るようになった  ひとつだと思うんだけどなぁ ある時彼はそう言った 殺したくて殺してるわけじゃないし ゴミ捨てたくて捨ててるわけじゃないし ただ吐き出したいものがあるだけで

    • だれのこころもわからない

      一葉の写真をみました それはおそらく家族で写るものでした いちばん小さな子は破顔して泣いています にばんめに小さな子は泣きそうな顔しています いちばん大きなは子とても哀しい目をしています その後ろで2人の大きなニンゲンがわらっています それはシアワセな一枚としてそこにありました わたくししばらく目を離せませんでした みながおめでとうと言っています 誰も子どもの泣き顔に気づきません 大きなニンゲンのシアワセだけを見ています ニンゲンは、 ホン

      • いとおかしきにんげん

        中学の友人の結婚式だった。 見たこともない凛とした表情だった。 なんとも言えない不思議な感覚になった。 一つ言葉を選ぶなら哀しみだった。 彼の苦悩すべてが精算された そんな風に見えた。 どこからかやってきて人間を演る その最高潮だった。 人間としてやるべき責務を果たした そんな風に見えた。 それは彼だったからこそかもしれない。 僕たちの中で多くを一番最初に経験した。 一番最初に挫折して 一番最初に合格して 一番最初に彼女をつくって 一番最初に就職して 一番最初に結

        • この世界まるごとねぇ愛してください

          わたくしね、 なにもないんです 空っぽなんですよ 造形的には 不可分ないようですよ 世間的にはねいいようなんです いつかお付き合いしてたガールフレンドもね よくわたしの顔を好きだと言ってくれましたよ でもわたくし それがとても恐ろしいのです わたくしに向けられてるやさしさが このわたくしの外側に対してだけ 向けられてるかもしれないことが やはり外見が不可分とされる方に 世間は風あたりが強いように見えるのです それがわたくしとても恐ろしいのです わたくしを生んだ人は わ

        マガジン

        • 人間観察地点
          14本
        • わたしって
          2本
        • Y氏の日常
          1本

        記事

          ただ救われたくて記憶の糸を辿るように

          わからないから言葉にしようとしたんだ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 最近、歌もnoteも書けない いや書いている。 書いては消して 作っては捨てる 自分が読んで聴いて なにも感じない。 なんの心の動きもない。 文字の記号の羅列だ。 いつからだろう 頭の中でこねくり回すようになったのは。 いつからだろう いいものを作りたいとか思うようになったのは。 こんなの何の意味もない。全部ゴミだ。 いっくんという人間に会った ノギタが連れてきた 彼に会うのは3

          ただ救われたくて記憶の糸を辿るように

          いつも誰かの赦しを得ようとしていた

          ゆけよ、誰も邪魔はしない ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 令和が2年になる時、 僕は韓国の山にいた 名前も知らない山。 セミナーを受けに。 最後の修行のつもりで。 究極すべては遊びである これが今の僕の世界に対する見解。 しかし生存本能が邪魔をしている。 死の超克 それを求めてこんなとこに来た。 不特定多数の人と長時間いられない。 気づけばそうだった。 3日目の朝僕はとうとう 耐えられなくなって 講義室からそっと外に出た。 気

          いつも誰かの赦しを得ようとしていた

          昇らない日はないのに疑ってしまう僕たちは

          死は受け止められないまま ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー さだちゃん日の出見に行くよ ぜっきーに起こされる はて、なぜ そうだ、今韓国の山の中にいるのだった 約束はしてないけど行くもんだと思って支度をする 集合場所に行く 眠気眼が集まってくる みんなでぞろぞろと 山のちょっと上を目指して進む 真暗で日が出る気配はない 全然でないねー 時間間違えたんじゃない? 話す者 タバコをふかす者 山のさらに上に行ってみる者

          昇らない日はないのに疑ってしまう僕たちは

          名前のない風景がこの脳にだけ

          疲れきった頭で ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日が照らぬ喫煙所は昼間と違う顔をしている。 平生話かけようなどとは思わぬのに話したくなる 「いつもこの時間まで居るんですか」 裁断機が沢山の書類を咥えて動かない 沢山の書類を喰わせたのはわたしだが。 「壊しちゃったんですか」 「いやまだ生きてるはずっす」 その人と裁断機から書類を引き抜く 昼間だったら皆知らぬふりとわたしは決めつけた 夜はやはりみな違う顔をしている この風景に名前はないだろう - - -

          名前のない風景がこの脳にだけ

          Grow Down before growing Up

          最近朝5時に目が覚める 命は少しずつなくなっている メンがヘラるわーー! 朝5時、に突然やってきて 眠気まなこな僕にY氏はそういった 彼がやってるビジネスの世界では 堕落してなにもしないことを メンヘラ状態と呼ぶらしい。 僕は布団を抜け出し話を聴く。 彼が教わっている師匠に 自分の想いを紙に書き出して見せると、 そこから本音トークが始まったようだ。 面白い手法だなと思った。 黒文字の想いの上に赤で大きく 9/19脱メンヘラ と書かれていた。 面白すぎる。

          Grow Down before growing Up

          吐くために吸うのか吸うために吐くのか

          吐くため吸うのか吸うために吐くのか そんなのはどっちでも ただわかるのは僕たちには循環が必要だってこと ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 野北拓希に会ったのは夏の雨の日だった セミを食べる日、 相方の虫博士が連れてきたひとりだった 集まった十人に対して取れたセミは一匹だった 僕は焦っていた。みんなセミを食べることを楽しみに 来てくれたのにこのままでは食べることができない。 皆はセミを諦めたのか各々弁当を食べていた 僕はもう一度セミを取りに行くと告げると

          吐くために吸うのか吸うために吐くのか

          1と2の狭間で~福岡の離島にて~

          静かなところで自分と向き合おうと思って来たけど 日暮れにたどり着いた渚は波が荒れて静かではなかった 日が落ちきる前に火を起こさねばと海辺の木々をかき集める。 火種は文明の利器ライター。お世話になっております。 一番乾いてて細い木々が集まった場所に向けて着火するけど中々つかない。やっとついたと思えば今度はすごい勢いで燃え上がり重ねた木々が一瞬で灰になっていく。 火がつくころには日は落ちきっていた。 やっと着いた灯火が消えないようにと近くの木々をかき集める姿は誰かが見てい

          1と2の狭間で~福岡の離島にて~

          きっと、人間はかなしいまでに完璧だ

          動く、それだけで愛しい プログラムを書いていると1日が一瞬で終わる 動かなかったものが動いた瞬間、 テンションがはねあがる 難問と脳 きっとあの瞬間は脳からなにかがでている ドーパミンかセロトニンか知らないけれど パチンコであたった瞬間にきっと似ている パチンコやったことないけれど 難しくて、複雑で、わからなくて けれど人間ほどわからなくはない ちょっと難しい問題を解いているとき 脳はいい状態にあるらしいんだけど 難しすぎたら脳は壊れるらしい 人間はわからなすぎて ち

          きっと、人間はかなしいまでに完璧だ

          自由意思がなかったとして

          朝目が覚めたらわたしはわたしだった。ちっわたしか。田中がよかった。 しょうがないからわたしはわたしをひきずって今日も歩く。 『意識』というものはなんのために存在しているのか。 哲学的ゾンビ もしも明日わたしの意識が目覚めなくて、何かの手違いで身体だけが目覚めて外に出たとしても、わたしを知ってくれている人間は「よっ『わたし』」と言って変わらずに接してくれるだろう。そして続け様に質問を投げたり、自分の近況なんかを話してくれる。そうするとゾンビわたしは、その脳内に蓄積した情報か

          自由意思がなかったとして

          『観測者が切実になっているものをうつす多面体』-アートとは

          ある絵描きの方が「アートって言葉が乱用されすぎていてもはやアートという言葉がなにも語っていない、わたしもケーキ見てわぁアートとか言っちゃうけど」と棚あげを自覚しながら言っていたのが面白かったけど、たしかにどういうものとして自分がその言葉を使っているかは大事だなぁと思ったので、振り返ってみる。 僕がアートだなぁと思うとき、その対象はあいまいで多態性を持ち観測者がその瞬間一番気になっているものをえぐり出してくる、というようなものであることが多い気がする。 極論、事象というもの

          『観測者が切実になっているものをうつす多面体』-アートとは

          もし世界がプログラミングでできているなら

          世界はプログラミングでできているかもしれない 3年前ぐらいからだろうかそんなことを考えるようになった 僕たちには見えないけれど、どこかにソースコードが書かれていて、最終的には0と1の羅列でこの世界はできているんじゃないかと。 その時は確か友人にこれおもしろいよと教えてもらって、動画を見ながらJava言語かなにかでゲームを作っていた。 そして本格的にプログラミングに携わることになって、Javaの本を読んでいるとやっぱりそんな気がした。いや少し改まった。 -世界はオブジ

          もし世界がプログラミングでできているなら

          ぼくらが感覚を映像で見ていた頃

          ぬーから飯いかん?と連絡がきて、大井くん呼んだら来て、あっちゃん呼んだら来て、中学のときの同級生が集まった。 いつもは年末とかお盆とかあらかじめ予定を立てて集まっていたのだけれど、こんな感じでも集まれるんだとなんか新鮮だった。  ウエストに行ったんだけどお酒が300円と中々良心的なお値段。 帰り道に一緒になった大井くんが少し考えこんだあと話始めた。 -情報が入ってきすぎて頭が爆発しそうになるときがあるっちゃん   こう、目に映る景色とは別に見てる映像があって、空き地に

          ぼくらが感覚を映像で見ていた頃