マガジンのカバー画像

読書記録・要約

20
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

【読書記録】 ジョアン・コプチェク『わたしの欲望を読みなさい: ラカン理論によるフーコー批判』  、第7章「密室/わびしい部屋」を読む②

【読書記録】 ジョアン・コプチェク『わたしの欲望を読みなさい: ラカン理論によるフーコー批判』 、第7章「密室/わびしい部屋」を読む②

本noteは、ラカン派精神分析理論を用いる批評家ジョアン・コプチェクの著作『あなたの欲望を読みなさい: ラカン理論によるフーコー批判』(1994)の第7章「密室/わびしい部屋 フィルム・ノワールにおける私的空間」に関する読書記録である。

同書は文芸・映画批評に関する著作であり、章の前半では古典的な探偵小説における「探偵の機能」を、ラカンの理論を用いて論じている。また後半では、第二次世界大戦後、ア

もっとみる
【読書記録】 ジョアン・コプチェク『わたしの欲望を読みなさい: ラカン理論によるフーコー批判』  、第7章「密室/わびしい部屋」を読む①

【読書記録】 ジョアン・コプチェク『わたしの欲望を読みなさい: ラカン理論によるフーコー批判』 、第7章「密室/わびしい部屋」を読む①

本noteは、ラカン派精神分析理論を用いる批評家ジョアン・コプチェクの著作『あなたの欲望を読みなさい: ラカン理論によるフーコー批判』(1994)の第7章「密室/わびしい部屋 フィルム・ノワールにおける私的空間」に関する読書記録である。

同書は文芸・映画批評に関する著作であり、章の前半では古典的な探偵小説における「探偵の機能」を、ラカンの理論を用いて論じている。また後半では、第二次世界大戦後、ア

もっとみる
【要約】伊藤亜紗『手の倫理』

【要約】伊藤亜紗『手の倫理』

全体要約同書では、「手」を介した他者関係のあり方が論じられている。これまで西洋の倫理では、主に「まなざし」という視覚遍重の議論がなされてきたが、そうした倫理は他者と物理的な距離を置いた関わり方を想定している。しかし視覚障がい者は「まなざし」とは無関係に生きており、日頃は他人と「距離ゼロ」の関係をむすんでいる。同書では、介助やリハビリの現場での「人が人の体にふれる」具体的な事例を取り上げ、そこから「

もっとみる