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Δίας(ディアス)@ギリシャ趣味人
2022年1月21日 21:53
今回は、2文一気に解説することにします。ペロポネソス戦争という、この演説が為された時期を反映し、スパルタ人へのライバル心を剝き出しにした内容になっていきます。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第18回目はこちら原文(Thuc. 2.39)と翻訳:19~20文目筆者翻訳戦争に関する訓練においても、次の点の為に、我らは敵対者たち(スパルタ人たち)よりも際立って
2022年1月7日 23:49
2022年も引き続きペリクレス葬礼演説を解説していきたいと思います。今回は、直訳すると少々ややこしい文章に挑みます。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第17回目はこちら原文(Thuc. 2.38)と翻訳:18文目筆者翻訳ポリスの強大さ故に、あらゆる土地から全てのものが輸入され、この地で生み出された恵みを、他国の人々のものも同様に、身近な楽しみとして、あなた
2021年12月26日 11:47
ギリシア独立200周年である2021年ももうすぐ終わりですね。今年もまたコロナのせいでギリシア旅行は叶いませんでしたが、来年には海外旅行が復活してくれることを願うばかりです。ペリクレスが下記で弁じている通り、現代日本人にも重労働から休息できる場所が必要なのです…!ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第16回目はこちら原文(Thuc. 2.38)と翻訳:17文目
2021年12月4日 18:19
法の優位とも取れる言説が、ペリクレスの口から語られます。法の優位とも取れる制度がアテナイに設置されるのは紀元前4世紀頃(νομοθέταιの創設により、民会決議に対する既存法の優位性が確立)ではありますが、この頃から既にその理念自体はある程度浸透していたということでしょう。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第15回目はこちら原文(Thuc. 2.37)と翻訳
2021年11月13日 14:27
今回は民主政下における市民の行動に光を当てていますね。欧米の基調となっている個人主義の原点を感じさせます。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第14回目はこちら原文(Thuc. 2.37)と翻訳:15文目 ἐλευθέρως δὲ τά τε πρὸς τὸ κοινὸν πολιτεύομεν καὶ ἐς τὴν πρὸς ἀλλήλους τῶν καθ
2021年10月30日 18:31
民主政の父ペリクレスは、民主政の理想をどのように語ったのでしょうか。今回の長めの一文では、世界史上初めて現出した民主主義の理念の一部が力強く表現されています。衆院選の真っ只中、初心(?)に帰って、産声を上げたばかりの古代民主政に想いを馳せるのも良いかもしれません。ちなみに、本記事の写真は民主政発祥の地プニュクスに建てられた演説台の遺構です。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス
2021年10月16日 19:48
史上初めて民主政を完成させたペリクレスの、民主主義礼賛パートが始まります。全くの偶然ですが、日本の民主政治の根幹たる衆院選ももうすぐ始まりますね。笑ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第12回目はこちら原文(Thuc. 2.37)と翻訳:13文目χρώμεθα γὰρ πολιτείᾳ οὐ ζηλούσῃ τοὺς τῶν πέλας νόμους, παρ
2021年10月10日 13:27
今までで最も長い一文に取り組みます。弁論では、このようになかなか一文が途切れないということが度々起こりますが、日本語で直訳すると冗長な感じの文章になってしまうので、悩みどころです。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第11回目はこちら原文(Thuc. 2.36)と翻訳:12文目 ἀπὸ δὲ οἵας τε ἐπιτηδεύσεως ἤλθομεν ἐπ᾽
2021年10月2日 22:49
厄介な関係代名詞が出てきたのもあり、少し悩ましい回です。尚、一文一文が長くなってきたので、ピリオドだけではなく「:」でも区切るようにします。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第10回目はこちら原文(Thuc. 2.36)と翻訳:11文目ὧν ἐγὼ τὰ μὲν κατὰ πολέμους ἔργα, οἷς ἕκαστα ἐκτήθη, ἢ εἴ τι α
2021年9月18日 15:54
記念すべき第10回目です!ここまで2か月ほど掛かりましたが、まだまだ先は長い…。挫折しないようにσιγά σιγά(ゆっくり)続けて行きたいと思います。笑ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第9回目はこちら原文(Thuc. 2.36)と翻訳:10文目τὰ δὲ πλείω αὐτῆς αὐτοὶ ἡμεῖς οἵδε οἱ νῦν ἔτι ὄντες μάλ
2021年9月11日 20:38
当時エーゲ海の覇権を握っていたアテナイ帝国の片鱗が、遂に現れます。ただの祖先賛美では終わらないところが、上手いですね。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第8回目はこちら原文(Thuc. 2.36)と翻訳:9文目καὶ ἐκεῖνοί τε ἄξιοι ἐπαίνου καὶ ἔτι μᾶλλον οἱ πατέρες ἡμῶν: κτησάμενοι γὰρ
2021年9月4日 12:10
まだまだ暑さとジメジメの残る晩夏ですが、引き続きペリクレスの葬礼演説を解説していきたいと思います。私はコロナのせいでお盆のお墓参りにも行けてないですが、ペリクレスを通して祖先へ想いを馳せようかな…!ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第7回目はこちら原文(Thuc. 2.36)と翻訳:8文目τὴν γὰρ χώραν οἱ αὐτοὶ αἰεὶ οἰκοῦν
2021年8月25日 19:05
今回から葬礼演説の本題に入っていきます。まずは国威発揚の定番である祖先賛美から始まります。特にアテナイはαὐτόχθων(土地生え抜き)であることを誇りにしていたので、祖先に対する想いもひとしお強かったのかもしれません。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第6回目はこちら原文(Thuc. 2.36)と翻訳:7文目ἄρξομαι δὲ ἀπὸ τῶν προγό
2021年8月16日 12:37
今回で葬礼演説の長い前置き部分が終わり、次回からは遂に本題に入っていきます。「能ある鷹は爪を隠す」と言いますが、本題に入る前に演説の困難性を巧みに語ることで、次回以降の壮大な主題に説得力を付与しています。さすが、「恐ろしい雷を口の中に含んでいる」ペリクレスさんですね。ペリクレス葬礼演説解説の第1回目はこちらペリクレス葬礼演説解説の第5回目はこちら原文(Thuc. 2.35)と翻訳:6文目