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"Life is Wellness"ひとりでも多くのひとに、ウェルネスな生き方を。

琉球ウェルネス広報担当のサオリス・ユーフラテスです。 今回は琉球ウェルネス代表の道廣さんに、ビジョン策定への想いや背景、ビジョン策定を進める過程で"パーパス”を作ることを決めた理由について、語っていただきました。


「みんなの会社」を目指して:ビジョン策定の舞台裏


ーービジョン策定の背景について教えてください。

 
琉球ウェルネスは、今年1月に創業1周年を迎えました。経営チームとして新たな仲間を迎える決断をし、事業成長に伴いメンバーが増えたタイミングでもありました。そこで、僕たちは琉球ウェルネスの目指す姿、理想の会社像、そして所属したいと思える会社の在り方について関わってくれる仲間たちで議論し、ビジョン策定を始めました。

創業者である僕個人と琉球ウェルネスという法人を明確に分けるためにも、ビジョン策定の必要性を感じていました。これまでは「琉球ウェルネス=道廣」という構図で会社を運営してきましたが、今後は「琉球ウェルネス=みんなの会社」として運営していくため、会社としての目標や大切にする価値観を言語化する必要があったのです。

「ビジョン」とは偶然そうなるものではなく、意図的にそうなるために設定するものです。ビジョンを定めることで、その達成に向けた思考が促され、個人と組織のパフォーマンスを最大化することができます。

 琉球ウェルネスには多様な価値観を持つ人々が集まっています。正社員、業務委託、副業、学生インターンなど、働き方も様々です。このように多様性のある環境では、全員が意見を出し合える組織の方が圧倒的に高いパフォーマンスを発揮します。そのため、共通の認識を持ってひとつの目標に向かえるよう、ビジョンを設定しました。

 これまでは僕個人の生き方に共感して仲間が集まってくれていましたが、今後は、『琉球ウェルネスという法人』が掲げる「ビジョン」や「パーパス」に魅力を感じて集まってくれる仲間が増えていくことを期待しています。

日本を代表するウェルネスカンパニーになる

 僕たちは、まだ定義されていないウェルネスマーケットを自らの手で切り開いていきたいと考えています。この取り組みは、資本主義の論理だけで見ると、まだまだインパクトが小さいと思われるかもしれません。しかし、僕たち自身がウェルネスであり、お客様もウェルネスな状態であるという観点でみると、非常に大きな意味を持っていると考えています。僕たちが意味と意義があると感じていること、そして僕たちがウェルネスにしたいと考える人々にウェルネスを届けることには、非常に大きな価値があると確信しています。

 この資本主義社会の中で、僕たち自身の幸福主義とお客様の幸福主義を両立させる会社を作りたいと考えています。つまり、一見対立するように見える資本主義と幸福主義という2つの概念を融合させることを目指しています。

資本主義と幸福主義の両立について、僕自身の考えがあります。

両立とは、どちらかに偏ることでも、単純に中間を取ることでもありません。両者の存在を認め、状況に応じて柔軟に対応することが重要だと考えています。「バランスが良い状態」とは、常に中立を保つことではありません。むしろ、必要に応じて一方に傾き、そして戻ってこられることがバランスの本質だと思うんです。例えば、量、スピード、品質という要素があった場合、ある時は量を重視し、ある時は品質を重視する。状況に応じて柔軟に軸足を移せることが大切です。

これはヤジロベエの動きに似ています。一方に傾いて、また戻って、結果的に中心を見出していく。常に平行を保つことがバランスではなく、その時々で必要な方向に傾いていくことが理想的だと考えています。

「ウェルネスマーケットを切り拓き、資本主義と幸福主義の両立を実現する」

資本主義も幸福主義もどちらも重要であることを認識した上で、状況に応じて適切な方向に軸足を移していく、これが僕の考える両立のあり方です。両者の存在を理解し、柔軟に対応していくことが、これからの時代に求められる姿勢だと信じています。

この意思を込めて、ビジョンを言語化しました。

パーパス設定の真意:目標達成よりも目的実現を重視

ーーパーパスを作成した理由について教えてください。

 僕たちが集まっているのは、単に「目標を達成する」ためではなく、「目的を実現する」ためです。もちろん、目標達成も大切ですが、それ以上に「自分たちの在り方」や「なぜこれをやるのか」という根本的な問いがより重要だと考えています。

心が折れそうになった時、立ち戻る場所がなければ本当にしんどくなります。この事業に取り組む理由が腹落ちしていなければ、明日への活力も湧いてこないですよね(笑)

そう考えると、「目的」ありきの目標設定が必要だと気づきました。「会社にとっての目的」を明確にするため、パーパスを作ることを決めたんです。

 パーパスとは、「琉球ウェルネスが存在する理由」であり、「みんながここにいる理由」です。僕たちの全ての意思決定と行動の起点となるものです。琉球ウェルネスを創業した僕が、じっくりと考え抜いて決めました。

僕の願いは、ウェルネスな人を増やすことです。「本来、人生はウェルネスなものだ」という前提に立つと、「こうあらねばならない」とか「こうだから仕方ない」という考え方で、自らウェルネスでなくなってしまう社会や思考の構造があると感じています。

琉球ウェルネスに関わる人たちには、自分の可能性を信じ、自分らしく生きる活力を持って欲しいと思っています。人生そのものがウェルネスだと考え、そこから「Life is Wellness」というパーパスに決定しました。


「Life is Wellness」:シンプルかつパワフルな言葉に込めた想い



ーーシンプルでありながら深い意味を持っていそうですね。

 馴染みのある言葉を組み合わせることで、シンプルかつパワフルな表現になったと思います。「ひとりでも多くの人に、ウェルネスな生き方を。」という一文にも、僕の強い思いを込めています。

何かを選択するということは、同時に他の何かを諦めることでもあります。琉球ウェルネスは僕自身をターゲットにして作った会社です。すべての人を幸せにすることはできませんが、「ひとりでも多くの人に」ウェルネスな生き方をしてほしいという願いを込めています。

また、僕たちは株式会社として資本主義社会で事業を展開しています。きれいごとだけでなく、本当に苦しい時にも立ち返れる言葉としてパーパスを作りました。

「Life is Wellness」ひとりでも多くの人に、ウェルネスな生き方を。

このパーパスを実現するためのプロセス目標として、「日本を代表するウェルネスカンパニーになる」というビジョンを掲げています。パーパスを中心に、ビジョン、中期経営計画、事業ドメイン、そしてお客様とマーケットという構造で事業を組み立てています。

 このビジョンの実現に向けて全員のコンセンサスが得られれば、ぶれない目標を持って進むことができます。議論が必要な時も、ここに立ち返ることで方向性を確認できます。

「日本を代表するウェルネスカンパニーになる」の具体的な意味は、今後みんなで深く議論していきたいと思います。現時点では、日本で最もウェルネスな人を増やせる会社であり、沖縄でウェルネスツーリズムを提供する唯一の企業であることが、その一端を示していると考えています。

すでにローカルから東京への進出も始めており、様々な角度から日本を代表するカンパニーになる可能性を追求しています。

 

平成はモチベーション、令和はウェルネスの時代:社会の潮流を読み解く


ーーパーパスを作るプロセスで見えてきたことはありますか。

 パーパスを作成する過程で、「社会の流れ」について自分の中で明確に言語化できたことが大きな収穫でした。以前から社会の潮目が変わっていることは感じていましたが、それはまだ漠然としたものでした。今回、パーパスを作ることで、その社会の流れがより鮮明に見えてきました。

「琉球ウェルネスがなぜ存在するのか」を深く考えると、僕が実現したい世界があって、そのために琉球ウェルネスを立ち上げたという原点に行き着きます。僕の目的は単に事業を起こして稼ぐことや、お金持ちになることではありません。

「社会が変化していく中で必要なものが"ウェルネス"なんだ」という気づきがあったのです。

 僕は平成をモチベーションの時代、令和をウェルネスの時代だと捉えています。平成では「金持ちになる」「100億円稼ぐ」「IPOする」といった目標がモチベーションの源でした。しかし令和の時代、物質的な豊かさが行き渡り、コロナ禍を経て「健康であること」「仲間と一緒にいること」「直接会えること」の価値が高まりました。物質的なものより、精神的なものの価値が上昇していると感じています。

社会がaからbへ変化する中で、これまで気づかなかった不具合が生じる可能性があります。琉球ウェルネスは、そういった社会の変化に伴う不具合に対してサービスを提供できる会社でありたいと考えています。お客様に対しても、社会に対しても、そして私たち自身も"ウェルネスであること"が非常に重要なのです。

下の図は、パーパスとビジョンを作る過程で描いたものです。社会全体と法人、個人のお客様のつながりを一枚に表現できたことは、琉球ウェルネスにとって重要なアウトプットになったと考えています。

全体最適から個別最適へ

ーー社会の潮流が変わっていくとどのようなことが起こりますか。

 軽井沢移住や別荘ブーム、脱サラやFIRE(Financial Independence, Retire Early)といった概念は以前からありますが、最近またその流れが強まっていると感じています。

かつては就職先の知名度や給与が重視されていましたが、今の若い世代は異なる価値観で会社を選んでいます。「就職する必要があるのか」と根本的な疑問を持ち、会社の社会貢献度や事業の意義に注目したり、短期間で自分のキャリアを構築できる環境を求めたりしています。

 インターネットの普及により、多様な生き方が可視化されました。例えば、僕が沖縄に移住して起業したことも、SNSを通じて多くの人に知ってもらうことができます。情報へのアクセスが増えることで、人々の選択肢も広がります。また、オンラインで仕事ができるようになったことから、住む場所に縛られない働き方が可能になりました。

昭和の時代には、「8時だよ全員集合」のように、同じ時間に同じ番組を皆で見る文化がありました。しかし今は、各自がスマートフォンで異なるコンテンツを楽しんでいます。個々人の見ている世界が違うため、「自分らしい生き方」や「ウェルネスな生き方」も多様化しています。

社会は「全体最適」から「個別最適」へと変化しています

「集合」から「分散」への流れの中で、個人の世界に生きる人が増えていくでしょう。その結果、「孤独」を感じる人が増える可能性もあります。だからこそ、人とのつながりを感じながら社会の中で生きる楽しさを見出すことが重要です。

このような背景から、琉球ウェルネスが提供する「社会のウェルネス」の重要性が高まっていると考えています。個別化が進む社会において、新たなつながりや幸福感を提供する琉球ウェルネスのサービスが、これからの時代に必要とされると確信しています。