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連載中無料小説|紬(長編恋愛小説)

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バンド仲間の死を契機に投げやりな生活を送っていた桐山奈月。大学病院の口腔外科で歯科医師として勤務していたが、女癖の悪さから学生に手を出しクビになる。奈月は流れ着いた精神病院の歯科…
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#連載小説

無料連載小説|紬 0話 プロローグ

人間は、死ぬよりも正気を残して壊れてしまった方が辛いようだ。精神が破壊されたことによる苦…

白瀬隆
3か月前
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無料連載小説|紬 1話 女

大学病院の口腔外科に勤めていた頃、六月の雨除けにはレザージャケットを使っていた。昔ライブ…

白瀬隆
3か月前

無料連載小説|紬 2話 ロングアイランドアイスティー

便利な酒と不便な酒がある。テキーラをショットで飲ませて女を潰すためには、何かしらのゲーム…

白瀬隆
3か月前

無料連載小説|紬 10話 ベランダ

閉鎖病棟には共用のベランダがある。雨の音を聞くのは好きだったから、一日のほとんどをそこで…

白瀬隆
3か月前
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無料連載小説|紬 16話 チェーンスモーク

奈月先生はいつ酸素を取り入れるんだろうか。煙を吸って、吐いて、また吸って。喋っていない時…

白瀬隆
3か月前
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無料連載小説|紬 21話 外泊

 ここのところ紬の機嫌が良い。喫煙所で俺と二人になると小さく歌っている。もっともニルヴァ…

白瀬隆
3か月前
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無料連載小説|紬 34話 理事長室

 入職時はこぼれ落ちそうな笑顔の下膨れだった理事長が、玉ねぎみたいにササくれた下膨れになっている。これがへの字口か。確かにへの字だ。 「桐山先生、警察の方から話は聞きました。小川さんのために大学生に暴行を加えたんですか?わざわざご友人と、義憤に駆られて」 おっさん、真面目に生きてきたボンクラが怒ろうがへとも思えないんだよ。あんた命までは取れないだろう?あんたがズボンを下ろさない限り俺は大丈夫だ。 「ええ。その後紬とは付き合うことになりましたよ。クビになるのは分かっていますから

無料連載小説|紬 36話 プロポーズ

「紬、今夜いつものロック・バーにギターを持ってきてくれ。グランジバンドの歌姫らしくそれな…

白瀬隆
3か月前
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無料連載小説|紬 37話 診察と挨拶

「奈月!」 病院の玄関で立っていると後ろから紬に呼ばれた。いくらかはしゃいでいる。俺が振…

白瀬隆
3か月前
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無料連載小説|紬 38話 墓参り

京介さんが優しく運転するミニの車内にはアリス・イン・チェインズのMTVアンプラグド、アコー…

白瀬隆
1か月前
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無料連載小説|紬 39話 機材

自室でジャガーを抱え、何度も何度もニルヴァーナの曲を弾いた。エレキギターというのはアンプ…

白瀬隆
2週間前
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