サポカー限定免許〜来年から導入される新たな免許とは〜
12月17日の日経朝刊から気になる記事を
ピックアップして分析。
今年もいくつか悲惨な事故のニュースが
ありましたよね。
高齢者の自動車事故は年々増加しているようです。
少子高齢化が進み、自動車を運転する高齢者の
割合が増加し、誤動作などによる事故がほとんど
です。
そのような問題背景を踏まえ、2022年5月から
「安全運転サポート車(サポカー)」限定免許
という制度が導入されます。
そもそもサポカーとは、自動ブレーキシステム
などを搭載した「安全運転サポート車」のこと
です。
踏み間違いによるブレーキ発動や、車線逸脱
による警報システム、歩行者検知による自動
ブレーキなど、事故抑制機能が搭載された車
ですね。
このサポカーを限定として運転が可能という
免許区分が新たに追加されます。
現在、このような背景を踏まえ、警視庁は
高齢者に対し「免許返納」を推奨しています。
しかし、高齢者でも移動手段が必要であったり、
身分証明が必要であったりと、なかなか免許返納
は進んでいません。
免許返納に具体的な年齢制限はないため、
有効な免許証を持っている方であれば返納可能
でありますが、運転免許証の高齢者講習が70歳
であることからすると、70歳以上の方は免許
返納を検討してほしい目安であると考えます。
ただ、そのような方の中で運転はもうしない
けれど、免許証が無くなると身分証明に困る
という声があります。
しかし、これについては問題ありません。
免許証を返納した方には、「運転経歴証明書」
という証明書が発行されますので、身分証明
目的で返納されていない方については、安心
して返納されて大丈夫だと思います。
このようなこともあり、免許返納が進まない
ことの新たな手段として「サポカー限定免許」
を次なる落とし所とするのでしょう。
しかし、今回記事にも取り上げられている論点
部分が、サポカー限定免許の条件です。
条件としては、自動ブレーキなどを備えた普通
自動車であり、かつ2020年度以降の製造で車で
国土交通省の性能認定を受けた車か、2021年
11月に義務付けられた保安基準を満たした車が
対象というものです。
この条件がなぜ論点になっているかというと、
サポカーの購入にあたって、「サポカー補助金」
という制度が2020年度より満65歳以上となる
方を対象として始まっていました。
※2021年11月29日をもって終了しています
自動ブレーキなど運転サポート機能が高い
車ほど補助金額が高く、最大10万円の補助
が得られるということで車の買い替えを押し
進めていた制度です。
このサポカー補助金の対象車両は新車および
中古車を含めて約1760型式ありました。
しかし、今回のサポカー限定免許の対象車両
はそのうち約300型式とのこと。
そのため、サポカーを購入しているため、
サポカー限定免許に切り替えようと考えている
方でもサポカー限定免許の対象でない車である
という可能性があるのです。
よって、この新しいサポカー限定免許がどれほど
進むかどうかは不安が残るような状態です。
来年5月よりスタートであるため、どれほど利用
されるかどうか見ものです。
しかし、高齢者の誤動作などによる悲惨な事故
を減らすためにも普及して欲しい制度ですね。
それでは。