わかりやすくインフレデフレ解説〜そしてもう1つのキーワードとは〜
今日はマネリテの基礎部分です。
インフレとデフレ、よく聞く言葉ですよね。
中学校くらいに習ってそのままという方も
多いかもしれません。
金融業界で働く方にとっては、当たり前な内容
かもしれませんが、聞き馴染みのない方に向けて
1つずつおさらいをしていきます。
インフレとは
インフレーションの略です。
物の値段が上がり⤴️お金の価値が下がること⤵️
このコロナ禍でわかりやすい事例で説明します。
例えば、1箱300円で買えていたマスクが、
コロナ禍になり1箱3,000円になったようなこと
があったかと思います。
これは「インフレーション」にあたります。
同じ1箱の購入でも300円から3,000円に。
同じ物を買うのにも10倍多く支払いが発生する
ということは、同じ100円玉の価値は10分の1
になっているということです。
インフレは供給よりも需要が多い状態に陥ると
発生します。そのため、マスクが欲しいという
世の中の動きに生産が追いつかなかったから
起こったということです。
また、インフレの極限状態のことを、
「ハイパーインフレ」とも言います。
まさにインフレのハイパー状態です(←語彙力)
様々な要因により、急激に物の値段が上昇する
ことです。そのため、お金の価値も下がり続け、
紙屑同然になるような状態です。
例えば、先ほどのマスクが300円から30万円に
なったらどうでしょう。誰も買わないですよね。
同じ物を買うのに100倍多く支払いが発生します。
お金の価値は先ほどのとおり、100分の1です。
様々な生活物資において、ハイパーインフレが
続いていくと、どれだけお金を持っていても、
物が買えない。お金があっても何も買えない。
お金は使えない。価値がない。紙屑だ。
となっていくわけです。
このハイパーインフレ状態になると、
最悪物の奪い合いなど治安の悪化に陥ります。
有名なのがベネズエラです。
金融政策の失敗や、アメリカの経済制裁が起因
と言われていますが、2013年からいまだに
ハイパーインフレが続いているようです。
2019年1月のインフレ率は268万%を記録した
そうです。
100円で買えていたガムが、268万円出さないと
買えないんです。
こうなるともはやお金の価値はないですよね。
さらに、治安の悪化を極めて、まさに混沌状態。
略奪や殺人が頻発しているようです。
ハイパーインフレに陥るとかなり地獄です。
日本で今後起こりうるかどうかは分かりません。
なる確率も高いだろうという意見もあります。
デフレとは
デフレーションの略です。
物の値段が下がり⤵️お金の価値が上がること⤴️
先ほどの例えを逆さまにすると、
1箱3,000円に高騰していたマスクが、コロナが
少し落ち着いてきて、1箱300円に戻ったような
状態が言えます。
3,000円出さないと買えなかった物が、300円
出せば買えるのです。お金の価値は10倍に
上がっていますよね。
デフレは需要よりも供給が多い状態になると
発生します。そのため、マスクが欲しいという
世の中の動きに生産が追いつき、逆に需要より
マスクの生産が追いつきすぎると、さらに300円
から200円に下がったりもします。
また、このデフレが悪化した状態のことを、
「デフレスパイラル」とも言います。
デフレスパイラルとは、物の値段が下がり続け、
その物を生産している企業の売上が悪化し、
そこで働く従業員のお給料が減り、結果として
使えるお金が減り、そうすると物の消費量が減り、
企業は物が売れないから物の値段を引き下げる。
このような悪循環のサイクルを言います。
コロナ禍が落ち着いて、もうマスクがほとんど
必要ないとなると、マスクを生産している企業
を起因として多少なりともこのようなことは
起こりうるのかもしれません。
では、最後になります。
副題でもう1つのキーワードとお伝えしていた
内容です。
『スタグフレーション』
景気悪化とインフレが同時進行する現象のこと。
景気停滞を指す「スタグネーション」と
「インフレーション」が合わさった言葉です。
一般的に、景気が良い時はインフレ、悪い時は
デフレになるという相関関係がありますが、
この相関関係が乱れることです。
景気が悪い時はデフレになるという相関が、
景気が悪くてもインフレという状態のことです。
例えば、このコロナ禍で経済全体の勢いは
弱まり、景気としては悪化しています。
しかし、巣ごもり生活やテレワークの普及により
生活必需品の価格などは上昇するというインフレ
状態に一部なりつつあります。
これがまさにスタグフレーション状態です。
不景気よりお給料の減少などが起こる傍で、
物の値段が上がると買い控えなどが起こり、
企業の業績は悪化、株価低下、経済全体の
更なる低迷といったことになります。
そのため、我々消費者はより経済全体を
俯瞰的に見て状況をしっかり理解する必要が
あります。
今後のコロナ禍がどう続くかにより、
どのように経済が動いていくか見ものですね。
それでは。