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『十三夜』

『十三夜』
樋口一葉著

裕福な家に嫁いだ主人公の『お関」の悲惨なDV被害の物語。

離婚したいと実家に逃げ込む。ひどい被害を受けているという話を聞いて、母親は、即離婚をすすめるのだけど、父親からは離婚を思いとどまるように諭される。再び、嫁ぎ先に戻ろうとして乗った人力車の運転者は、幼ななじみで、もともと、いいなずけだった「縁之助」。

縁之助は、お関が裕福な家に嫁いでしまってから、落伍していき無一文になってしまっていた。

せっかくの再会なのに、結ばれない現実。

女性の地位向上を訴えた話なのだけどね。作品は1895年に発表されたのだけど、今もあまり変わっていないのかもしれないなあと思った。

タイトルの「十三夜」というのは、古い月見の風習らしい。
個人の幸せよりも、家が大事だという古い風習を重ね合わせているという、タイトルの付け方に感動する。

名作だなあと思った。

樋口一葉の作品で「にごりえ」という物語があるのだけど、、
「にごりえ」では、落ちぶれた男性を選んで、心中してしまうのだけど、読み比べると面白いと思う。

『energy flow』(坂本龍一)

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