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【読書日記】百貨店の外商さんを通してのお買い物って
若い頃は銀座勤めだったので、法人外商でお遣い物や、季節のご挨拶の大量の品物を買ったりとしていました。
また、少し経ってからはママ友付き合いで
やはり外商さんのお得意様ご招待会に連れて行かれ、美味なお菓子とコーヒーをいただきながら、素敵な品々を見せていただいたのであります。
根っからの庶民なので、こんな高いの使えないわ!と内心、片頬が引き攣りながら、笑顔で過ごしたのも今となっては懐かしく思い出されます。
で、この小説
『上流階級 富久丸百貨店外商部』
なんとなく縁がない世界だしーと避けていましたが、Kindleに入ってることから読み始めたら面白い!
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なんて想像するのもいとおかし
大学卒の、しかも育ちの良い人たちが割と多い百貨店のなかで、主人公鮫島は、製菓の専門学校卒の、いわゆる派遣からの叩き上げ。
ダメなことはダメと言い、颯爽としているように見えて、とことん悩む主人公や、周りの人たちの性格づけがちゃんとされているからその世界にスッと入り込める。
ひょんなことからルームシェアすることになった桝家君は、外商王子と呼ばれているがその実はゲイ。生きづらさを抱えながら生きているあたりは、鮫島も同じ。
彼女は社内結婚後、離婚。仕事が生き甲斐の彼女は姑さんたちの望む嫁ではなかったみたい。
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2巻の方が私は好き。
人って、一つの物事、問題だけを抱えているわけではなく、複層的に悩みや同時進行で色々な関わりから問題やら、嬉しいことやら何やらが起きますよね。
そのあたりの書き分けがとても上手。
あと人生訓っていうか、深い言葉がところどころに出てきて、これ良いな!となりながら読める。
女性だからとか、ある程度年齢を経てきたからとか、主人公はそういうことに一切逃げない。
力を尽くし尽くす。
だけどなープライベート🟰仕事みたいなところが気になるっちゃ気になります。
そのあたりの線引きがないのが、生活に直結する百貨店の仕事ならではなのかもしれないなぁと思いつつ、3巻も読むことにいたします!