かつて私だったものへのレクイレム
私から解き放たれて 広がり揺れる髪の束 手を振るように
(短歌)
十年以上ぶりに、肩より短い長さまで髪を切った。
結婚パーティに向けてという名目で、胸の下まで髪を伸ばし続け、十一月に無事パーティを終えてからは「髪を切りたい」と口癖のように言っていた。
すぐにでも美容室へ行けばいいものを、
「寝ぐせもお団子で隠せて便利だし」
「冬は首のあたりに髪の毛が当たるだけで温かいのよね」
「ポニーテールってやっぱり好きなんだよな」
とか何とか言って、伸ばしっぱなしにしていたのもまた、私