原題:An Homily against Excess of Apparel. (過度に着飾ることを戒める説教)
第二説教集第6章の解説をします。第5章と同じく、この章も部に分かれていません。聖句でいうテーマとポイントは次のとおりです。
あなたがたは、髪を編んだり、金の飾りを身につけたり、衣服を着飾ったりするような外面的なものではなく、柔和で穏やかな霊という朽ちないものを心の内に秘めた人でありなさい。これこそ、神の前でまことに価値があることです。(ペトロの手紙一 第3章3~4節)
第6章のポイントは次の6点です。
①第5章の振り返りと第6章の目的
②聖書における華美への4つの戒め
③華美に走る人々の有様
④華美に走ることが招く悲惨
⑤信仰ある者は外面の華美を求めるべからず
⑥まとめと結びの祈り
第5章の解説でも触れましたとおり、第4章から第6章までは「節制」をテーマとしての一連のものとみることができます。第4章で断食が説かれ、第5章で暴食が戒められ、第6章では華美が戒められます。
聖書での華美への戒めは大きく四つに大別されるとされます。
この四つに大別された事柄について、聖書の様々の文言や、聖書中のいろいろな人物の逸話が紹介されます。聖書の文言にみる華美の戒めとしては、例えば次のようなものが引き合いに出されます。
また、聖書にある逸話のなかで、華美を戒めるものとして引き合いに出されているものとしてはこのようなものがあります。はじめのものはラザロと金持ちの話です。
第6章では華美がもたらす悲惨について繰り返し述べられています。聖書のなかの逸話としてではなく、特に世の女性があまりに華美に走ってしまうとどのようなことが起こるのかが述べられます。
衣服も被造物であり、神を喜ばすためにあるものであるとともに、神の御恵みである。それを節制をもって用いないところに大きな過ちがある。そう説かれます。信仰を持つ者はどのように衣服を用いるべきであるのかについて、あるいはどうあってはいけないのかについて、このように述べられます。
現代にも通じることであり、これらは隣人愛にもつながります。第4章から第6章までは、節制を説くとともに隣人愛についても触れられています。
今回は第二説教集第6章「過度に着飾ることを戒める説教」の解説でした。次はこの試訳となりますが、一度でお届けするには長いので、次回と次々回にわけて投稿します。
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