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「詩の居場所②」

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今まで創作した詩をまとめて掲載しています。 ご覧いただけると大変励みになります。 よろしくお願いします。
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#室井慎次

詩「ページを破る街」書きました。

詩「ページを破る街」書きました。

「ページを破る街」

君は甘い甘い妄言を舐めながら
どろりとした水飴におぼれ
得意気に張りぼての看板を掲げていた

この街を荒らして、何が幸せなのか
口の中で暴風がいつまでも転がって
道行く人の眉が揃って針金のようだった

腐った夢物語を過ごして
生成されて手垢にまみれた志しか
描けない君は、
側から見れば
自分が手塩にかけた実子にさえ、
浅はかな妄言を浴びせつづけていた

(他人に自身のお猪口を

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詩「潮騒とダンスは永遠に」書きました。

詩「潮騒とダンスは永遠に」書きました。

<始めにご挨拶>

この詩作品は、あくまで筆者の妄想です。
公式とは全く関係がないので、ご了承くださいませ。
苦手な方は、どうかご注意ください。
野暮すぎる文言で恐れ入りますが、
どうぞよろしくお願いいたします。

「潮騒とダンスは永遠に」

白い歯と苔色のコートが、
わたしを思わず釘付けにさせる
ああ、わたし

その色に惚れてたんだ

もう届かないけど

あの空き地と苔の匂いに恋してたんだ

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詩「成れの果ての鳥たち」書きました。

詩「成れの果ての鳥たち」書きました。

「成れの果ての鳥たち」

「私だけ」が、私だけにならない日は
いつしかやってくるのだろうか

鳥に似た生き物たちは、
全く飛ぶ術を知らずに
羽を広げることができずに走ってばかりいた
能力は、それ以上でもそれ以下でもなかった

鉄の鉛の中で放置され、
また生きる場を見失った
負のスポットライトが、
侵食されて照らされてゆくのを
ただ見つめるしかなかった

暇なんだから、と吐き捨てられる日々から
よう

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