函館港町カレーは海老・いか・あさり貝入り　垢抜けたトスカーナのヴェルメンティーノとサンジョヴェーゼ

函館港町カレー、海老・いか・あさり貝のフレーズに飛びついた。

北海道函館発祥の五島軒は明治12年創業、140年超の老舗のレトルトのカレーだ。そんな伝統をレトルトでスピーディーに食べられるのはありがたい。旅に連れていく厳選メンバーとしてスーツケースに詰めおいた。
そしてスパイスが欲しくなった夜、湯せんにかける。

合わせるワインは最近の定番、トスカーナのヴェルメンティーノとサンジョヴェーゼ。

ラ・スピネッタ, カサノーヴァ, ヴェルメンティーノ, トスカーナ, 2021, 13%, 2,879円
La Spinetta Casanova, Vermentino, Toscana, Italy
香りには軽やかにフレッシュなグレープフルーツの柑橘香、ナッティなニュアンス、潮風の香りもほんのりと。
香りの上品な様子とはまたうって変わって、ずしりとくる酸味、中盤以降ほろ苦さと塩味がしっかり。それでもサルディーニャ島の同じ品種のものより垢抜けた印象だ。

ラ・スピネッタ, イル・ネーロ・ディ・カサノーヴァ, 2018, 13.5%, 2,991円
La Spinetta, Il Nero Di Casanova, Toscana, Italy
サンジョヴェーゼ品種で造られるワイン。香りにはラズベリー、よく熟したプラム、明るいチャーミングな果実香、よくなじんだ軽めの樽香、ほのかにカカオのニュアンスも。
風味にはチャーミングさも伴う明るくジューシーな果実味、こぎみよい酸味、舌が微かに乾くようなタンニン。

パウチを開けるとたちまちバター香が豊かに広がる。バターとスパイスがパワフルなルーに、シーフードのエキスはやや穏やかに感じる。エビ、いか、アサリがコロコロと入っていて、これらを噛みしめるとジンワリと旨味が広がり力強いスパイスとバターにバランスする。
そこにラ・スピネッタの白を。酸味と微かな塩味がシーフードに心地よく調和。四つ星にしようかと思いきや、バター香が強く、シーフードの風味が穏やかなルーにはワインの酸味がやや突出してしまう。
相性: ★★★☆☆

続いてラ・スピネッタの赤に。ワインのほのかな樽香や微かなスパイスのニュアンスがカレーの香辛料に重なるが、ワインの力のある果実味、舌がほのかに乾くタンニンは穏やかなシーフードの風味のカレーを押しのけてしまう。
相性: ★★★☆☆

同じヴェルメンティーノ品種でも、サルディーニャ島のものは柑橘子はおおらか、塩味はもう少し穏やかでシーフードとの繋がりもより良いかもしれない。かつ樽をかけたものだと、カレーのスパイスとの繋がりもよさそうだ。