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膝って捻れるのを知ってました!?下腿の回旋可動域を知ろう!

みなさん、膝を動かすときに「曲げ伸ばし」だけを意識していませんか?実は、膝にはもうひとつ大事な動きがあります。それが「回旋」、つまり下腿(膝から下の部分)のねじれです。

普段意識することは少ないかもしれませんが、この動きは方向転換や歩行のバランスを取るためにとても重要です。例えば、サッカーやバスケをしているとき、急に進行方向を変える動作ってありますよね?あれは、膝の回旋がスムーズにできるからこそ成り立つんです。

では、この下腿の回旋可動域(ROM:Range of Motion)はどれくらいの個人差があるのか? また、どうやって測定するのか? 今回の研究をもとに、わかりやすく解説していきます!


そもそも下腿の回旋って何?


下腿の回旋とは、膝を90°曲げた状態で「すね」を内側や外側にねじる動きのこと。

例えば、椅子に座って足を浮かせ、つま先を内側や外側に向けてみてください。それが下腿の回旋です。



この動きには、主に次の2種類があります。
• 外旋(がいせん):すねを外側にねじる動き
• 内旋(ないせん):すねを内側にねじる動き


膝を完全に伸ばした状態ではほとんど回旋しませんが、90°曲げた状態だと最大で40〜50°も動くと言われています。

ちなみに、膝が完全に伸びる直前には「スクリューホームムーブメント」と呼ばれる自然な外旋が起こります。これがあるからこそ、膝はしっかりと安定するんですね。


どうやって測定するの?


「下腿の回旋って大事なのはわかったけど、どうやって測るの?」という疑問が出てきますよね。

一般的に、膝の可動域を測るときは角度計(ゴニオメーター)を使います。でも、今回の研究ではちょっと特殊な方法を使いました。

研究では、バネ式のクランプ器具を使って下腿の回旋角度を測定。この方法のポイントは、腹ばい(うつ伏せ)の状態で測ることです。

なぜこの方法が使われたのか? それは、従来の方法だと次のような問題があったからです。
• 座った状態で測ると、足首や股関節の動きも影響してしまう
• 測定のたびに微妙なズレが生じやすい

今回の方法では、足首や股関節の影響を受けずに正確に測れるというメリットがあります。


どれくらいの個人差があるの?


さて、気になるのは「人によってどれくらい違うの?」という点。

この研究では、20歳前後の健康な男女30人(男性15人、女性15人)を対象に、左右それぞれ60脚の下腿回旋を測定しました。

その結果…
• 外旋の可動域(ROM)は平均21.2°
• 内旋の可動域(ROM)は平均22.1°
• 87%の人が左右で5°以上の違いがあった!


つまり、ほとんどの人が左右で異なる可動域を持っているんですね。

例えば、右足の外旋が20°なのに対して、左足の外旋が10°しか動かない…というケースも。これがスポーツや日常動作に影響を与える可能性があるわけです。


なぜ左右差があるの?


「え、左右で違うのが普通なの?」と驚いた方もいるかもしれません。

でも、よく考えてみると、利き手と同じように**「利き足」**の概念がありますよね。右利きの人は、無意識に右足を軸にして立つことが多く、左足を動かす役割に使う傾向があります。

これが積み重なると、骨や筋肉の発達が左右で違ってくるんです。

さらに、成長期の運動経験も影響します。例えば…
• サッカーをやっていた人は蹴る足と軸足で違いが出やすい
• 野球のピッチャーは投球時の踏み込み足に負荷がかかる


こうした習慣が、下腿の回旋可動域の左右差につながるわけですね。


【まとめ】

✔ 下腿の回旋は膝の安定性やスポーツに重要な役割を持つ
✔ 一般的な可動域は外旋21.2°、内旋22.1°(個人差あり)
✔ 87%の人に左右差があり、運動経験や利き足が影響する


膝の回旋可動域を広げるには?ストレッチとトレーニング方法を解説!


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