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石神マリエ@ご自愛エッセイ
2024年6月25日 21:40
「この世の全ては、大したことないのよ。」と、83歳の祖母が言った。祖母は私と同じ、魚座のAB型。一言で言えば最強に献身的な、自由人である。今は普通のおばぁちゃんとしてひっそり暮らす彼女だが、過去には倒産しトンズラした旦那の代わりに借金2000万を返済してきた。かなりパンチの効いた女である。そんな祖母と話しているといつも「私のルーツはここから来てるんじゃないかなぁ」と思う。そんな祖母とした今日
2024年6月11日 21:16
私には5歳の息子がいる。名前はレイ。夕方、レイが小さな事件を起こした。彼はよく絵を描いているのだが、今日はダイニングテーブルにカラフルなペンを並べ、大きな画用紙を持ってきてお絵かきを始めた。ここまではいつも通り。普段と違うことといえば、自分の席ではなくパパが座る席に腰掛けていたことくらい。せっせと何かを描く、集中した様は彼の長所でもある。そんな彼を横目に私はいつものことだと、何事もなく洗
2024年7月9日 21:25
この時代には、自分の価値を信じられない人が多くいる。というか大半そうして疑わないと生きていけないくらい、世の中に愛がないのだと思う。見ての通りみんな殺伐として誰かを貶めようとして、肩書きを気にしたり、年収を気にしたり、いいねの数を気にしたりフォロワーを気にしたり、見た目や振る舞いを気にしたり周りからの目に囚われ、常に誰かの上に立とうとしている。この時代には当たり前と言われればそれまでなんだけど、本
2024年7月19日 21:31
正直な話、私は「優劣」という部分をどうでもいいと思っている。それはつまり、誰かよりも優れているとか、誰かよりも劣っているとか、たくさんの人から称賛されるとか、いつも1位とかそういうこと。それらはこの世界を難しくすると思うんだ。やっぱりそういうことのせいで不安定に生きる人間が多すぎるしね。この時代、誰かに「称賛されたくて仕方がない」という「承認欲求」がそこら中にむんむん漂っている。そういうものが昔よ
2024年7月17日 00:03
いつも「自信がない」と言い、いつか「自信がつく」と思っていた。そしてここらで大暴露をすると、過去の私は「自信のある人」のことを心のどこかで常に馬鹿にしていた。態度のデカいやつは「失敗して恥をかけばいい」と思っていたし、自分はできたらああいう恥ずかしい人にはなりたくないと言っていた。人に気を使い、人から「良い子」だと喜ばれ、慎ましく生きることこそ正解だと信じていたのだ。だが今になって私はそ
2024年1月9日 20:54
私には5歳の息子がいる。名前はレイ。私はレイとあったかい布団に潜り、互いの手を握りながら。ひっそりと小声で楽しむお喋りの時間がある。それは寝室、電気を消してから眠りにつくまで数分間。1日の終わりのことだ。部屋は暗く、わずかに見えるのは豆電球に反射して光るレイの瞳の潤い。私とレイの声以外には静かで何も聞こえない田舎の夜。そして握りあう手と反対の手で触れるのは、さらさらとして温度のある、もっち