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生きる源の力になる3つの価値

苦しくとも意味があればこそ

繰り返そう。
悲劇に直面していても、幸せな人はいる。
苦しみにも関わらず存在する意味ゆえに。
癒やしの力は、意味の中にこそあるのです。

 - 『生きる意味を求めて』 ヴィクトール・フランクル著-

人が直面している悲劇や苦難。はたまた、恵まれた環境や快楽。それらそのものが、人が生きる力になるのはない。

自分のしていることのどこに意味を感じているか。自分が直面している(あるいはした)状況に、どのような意味を感じているか。それこそが、人が生きる力の源になっている。

人間の精神的な健康にとっては、その人自身の中に在る意味に対して、自ら充足感を感じられていることが大切である。精神的な健康を回復するプロセスは、個人的な生きがいを見つけることで促進される。

ヴィクトール・フランクルの「ロゴセラピー」

ナチスの強制収容所に投獄された経験のある、精神科医で心理学者のヴィクトール・フランクルの心理的アプローチ・ロゴセラピー。「ロゴス(意味)」によるセラピー、それでロゴセラピーと呼ばれている。

ナチスの強制収容所で、1944年12月、クリスマスから新年にかけての時期に、それまでにはなかった数の死者が出た。「クリスマスには休暇が出て家に帰ることができる」という期待が裏切られたことが一因だった。

一方、悲惨な収容所で生きながらえた人に共通していたことは「未来に希望を思い描き、それを見失うことがなかった」という点だった。フランクルは収容所の中で「苦難と戦っているすべての人のために、自分の著作を何としても世に出す」という使命感に駆られていた。この使命感がフランクルにとっての「未来への希望」だった。

意味を感じながら生きたい。そう願うのが人間という存在。

人生を意味で満たすための「3つの価値」

フランクルは、人生を意味で満たすための「3つの価値」を提示している。

【創造価値】
創造活動や仕事を通じて実現される価値。
仕事や創造物の大きさや社会的価値ではなく、「自分に与えられた仕事にどれだけ最善を尽くしているか」だけが重要。それが「創造価値」。

【体験価値】
自然や芸術との触れ合い、人とのつながりの中で実現される価値。
「何か」「誰か」との出会いによってもたらされる、それを思い出すだけで心が豊かに満たされるような記憶、生きていてよかったと思えるような記憶。それが「体験価値」。

【態度価値】
自分では変えられないできごとに対して、そのできごとに直面した人がどのような態度をとるかによって実現される価値。
自分でコントロールしようのない、自分の力では避けられない状況を前にしたときに、それを違った視点から捉えてみる。そこから、自分の意志や希望を見い出す。さらには、違った視点から捉えてみて意志や希望を見い出すように努力するぞ!という意気込みを越えて、自然にできていること。そのありかたが持続していられること。それが「態度価値」。

自分の価値を考えてみる・考え続けること

さて。
今年の、自分にとっての意味は何だっただろうか?

「創造価値」「体験価値」「態度価値」
3つの価値、それぞれに関連して思い浮かぶできごと。
そのできごとに対してどのような意味を感じるか。

「創造価値」「体験価値」は、わりとすんなり出てきた。
自分が直接的に貢献できたこと、ポジティブな行動や体験がそのまま当てはまっていく感じ。

「態度価値」。これはちょっと難しい。
自分が被ったネガティブなできごとがここに当てはまっていく…のだけども、それらのできごとに対する意味をじっくりと考えていくと、ポジティブな捉えかたがだんだんと見えてくる。中には、ネガティブなできごとに直面した時点で自然にポジティブな捉えかたができていることがあることにも気がついた。そこには自画自賛。

この年は最初から最後まで慌ただしくて、大きな変化も小さな変化もたくさんあった。いいこともよくないこともたくさんあったけども…結局のところは、いい年だったのではないか。なんの無理もなく、そう思えた。

では、それぞれの意味を糧にして、来年は何ができそうだろうか?
それは社会や世の中にどんな価値をもたらすだろうか?

そこまではきっちりと整理できなかった。ましてや、社会や世の中にもたらす価値。考えが及ばない…自分自身にとっての価値ばかりが思い浮かぶ。

まだ、そこにしか目が向いてないようだな。
自分をどうにかしようと言う意識でいっぱい。

だけども、それでもいいのかも知れない。「未来への希望」のために、いま自分をどうにかしようとしているのであれば。
それが、現時点での、自分にとっての「価値」に違いない。
3つの価値がまだぐちゃぐちゃと渾然一体になっているにしても。

 「ゆらっく」セミナーについて

以上は、石川県金沢市、石川県庁と金沢港の間あたりにある小さなコミュニティハウス「シェアマインド金沢」で、月に一度開催されているセミナー

世界が変わる 学びと対話 『ゆらっく』

の、2018年12月9日に開催されたセミナーの内容とレジュメからの引用に、自分なりのアウトプットを織り交ぜてまとめさせていただきました。ありがとうございました。

ゆらっく とは…

ゆらっく:『あなた(You)』が、『楽に』なれる場所
 「自分としっかり共にいる」
 「自分の声に耳を傾ける」
 「自分とゆっくり対話する」

講師は福多唯(ふくだゆい)さん。
女性護身術「Wen-Do(ウェンドー)」の、日本人初、かつ唯一のマスターインストラクターとして、女性専用のセルフディフェンスの普及活動に取り組んでおられます。企業や教育機関などでの教育・講演も多くの実績を残されています。

セルフディフェンスから派生した「いろんなパワー(外圧)に対する心的防御」として、日頃の自分の心持ちを整理する、また、自分の内なる声に耳を向けて、自分の思いや感覚を大切にすることが、日頃のセルフケアとしてスムーズに取り入れられるようになるためのセミナーでもある、とわたしは捉えています。

参加者数人レベルの場だからこそ、自分の思いを言葉にして話すことで、他者に共有してもらいやすい。それと同時に、自分自身にもはっきりと意識づけていくことができるようになる。そういう意義をも感じるのです。

日常のこころのセルフケアのヒントをやさしく知って体験することができる。それにはうってつけの場であると思います。

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