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Photo by
mirecat
《詩》Lullaby
鏡よ鏡あなたにはどんな景色が映る
あなたは何を見ただろう
その瞳孔はどの光をとらえただろう
考えていた
はるか遠い
行ったこともない国の川面
舟のゆるやかな音色と
揺れるプリーツとオールとフォーレの旋律
視覚は聴覚となり
あなたは全てを映した
もしも誰かが嘘だと云っても
私はあなたの心に触れようと
あなたの瞳が私の中に
まるで音色を灯すように
微笑みを導いてくれる声を
雫を一杯にためたそのガラスケースを
たとえこぼれてしまっても、壊れそうな夜も
ハーバリウムからの灯に静かに揺らそう
嬉しかったこと寂しかったこと
あなたのまなざしの向かう景色
ねんねんころり
月夜のカナリア
ねんねんころり
永遠をないてる
彩られた淡色の鼓動
この夜に聴こえて