アメリカンフットボール(エッセイ#10)
私がアメリカンフットボールを知ったのは、大学受験に身が入らない思いを抱えながら、無為に毎日を過ごしていた浪人時だった。ある日ふと、父親が勧めてくれた。お前、アメリカンフットボールって見たことあるか?見てみたらどうだ、と。浪人中、父親は私に勉強をすることは強いなかった。彼はただ実直に、勤勉に、自分の仕事に向き合っているような人だ。普段の私の過ごし方にも口を出すことは稀だった。それでも、一向に勉強と向き合わない私の様子を見かねて、何かの刺激になるだろうという思いで声を掛けてくれた