【短編小説】似っている
「ね、私の口紅はどう?好きですか?ルリちゃんもやってみたい?似合うと思うよ。ルリちゃんの狙ってる彼も気にいるかも♥」私はちょっと笑いながら、リルちゃんに口紅を渡した。私たちはレストランのトイレで化粧をしていた。
「今夜は、すごく楽しい。合コンに誘ってくれてありがとう。彼との未来、なんか、見えるかなって。ルリちゃんはどう?…ルリ? 」鏡の反射でルリと目が合った。彼女は真っ青になって、震える手で、私の口紅を持ったまま固まっていた。
「どうしたの、ルリ?」
「…あのね…私、頭がおか