「みんなもやってる」フォールス•コンセンサス効果
生徒と会話をしている中でよく聞く言葉があります。それは「みんなもやってる」です。制服の着崩しや言葉遣いを注意する、そして課題を忘れていることを指摘する際、「みんなもやってるのに何故私だけ注意するのかわからない、みんなも注意して欲しい」と言われます。「みんな」とは誰のことなのかわからなくなり、「みんなって誰々?気付いたら注意するようにするから教えて」と聞くと「みんなは、みんな」と堂々巡りになり、埒(ラチ)があかないこともしばしばです笑 これを心理学の効果で説明すると
フォールス・コンセンサス効果
と言います。人は自分の意見や行動が多数派であり、みんな同じような言動のはずだと思い込んでしまいます。1970年代にスタンフォード大学の社会心理学者リー・ロスが、人々の認識の調査結果から提唱したものです。その実験とは、学生にサンドウィッチマンの格好をしてキャンパスを歩き回るよう依頼しました。やってくれた学生と断った学生に分けて同じ質問をしてみました。「同じことを、別の学生に頼んだら承知してくれると思いますか?」と。回答結果としてやってくれた学生は「他の人もやる」が6割、それに対し断った学生は、「他の人もやらない」が7割と答えました。これは自分の考えが標準的だと思う人が多いということを表していることです。何の根拠もないのに「みんな言ってる」や「みんなもやってる」という言葉を使っているのがまさにこの心理状態だと言えます。確証が無いのに多数派の賛同があると思い込んでいることから「偽の合意効果」とも呼ばれています。
本当にみんななのか?
服装の着崩しなどをして、よく注意を受けている生徒は生徒全体の5、6%ほどしかいません。他校はわかりませんが多くてもそれくらいの割合なのではないでしょうか。それ以外の生徒は落ち着いた雰囲気で学校生活を送ることができています。「ルールを守らないことが当たり前」と考えている人は「みんなも守らない」と思う認知バイアスが働くのでしょう。その時は「本当にみんななのか?」という問いとアンケートなどを通じて得たデータをもとに伝えていくしかないですね。
私たち自身は多数派の考えなのか?
この記事を書きながら僕自身もフォールス•コンセンサス効果を意識しないといけないと強く感じました。幼い時は僕も「みんな持ってるからゲーム機買って」と父にねだると「みんなとは誰々?名前を挙げなさい」と言われてぐうの音も出ないことがありました。教師になってからも修学旅行のコースを決める際、アミューズメントパークをはしごするプランがいいなと思って提案すると「並んで遊ぶだけの修学旅行では意味がない」と学年団の先生に一蹴されたことがあります。どちらも確かに言う通りだと思います。このような効果が働くことを理解した上で会議や情報共有を密にし、考え方のズレを少しでも無くすことが大切ですね。
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