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これ以外のことを「落ち着いて考える」とは言わない。
前回の続きです。
解決の方向性は、彼の再教育でも、効率の良い返済でも、老後資金を増やすことでも、離婚するしないでもなく、
Aさんが「落ち着いて考えられるようになる」ことです。
え?そんなこと?
凡庸過ぎる?笑
いやいや、侮ることなかれ、これ結構深い話で、「落ち着いて考えられるようになる」の威力は半端ありません。
言ってしまえば、どんなお悩みも、それができなくなってるときに起きるわけですから。
それさえできるようになれば、具体的な行動のアイデアは後からついてきます。
だから、とにもかくにも、落ち着いて考えられるようになることが先。
これがわたしの信条です。
これ以外のことを「落ち着いて考える」とは言わない。
では、落ち着いて考えれるようになるとはどういうことか。
ちょっと小難しいんですが、とても大切なことなので、ゆっくり読んでください。
心理学的に言うと、
①抑圧している未消化の感情や身体感覚(激しい情動を引き起こす原因となっている残存エネルギー)を身体から開放し、心身の興奮を鎮めてから、
↓
②自らの認知の歪み(思考や解釈の癖、思い込み)を冷静に分析、自覚し、
↓
③考え方、感じ方、行動のパターンを適切に修正できるようになる。
ということです。
生理学的に言うと、
過剰な交感神経優位状態(闘うか・逃げるか・凍りつくか反応)を鎮め、副交感神経の働き(安心・安全・リラックスの身体感覚)を取り戻して、以下同文。
脳科学的に言うと、
扁桃体(感情を司る部分)の活性化を鎮め、抑制されていた前頭葉(論理的思考を司る部分)の働きを取り戻して、以下同文。
全部同じことを言っています。
というか三位一体。
・・・ほんと、小難しくてごめんねー。笑
でもすごく大切なことなので、これから少しずつ、なるべくわかりやすくお話していきますね。
自分に何が起きているのか理解するだけでも、人は安心します。
落ち着いて考えられるようになるための第一歩です。
(勉強も案外大事なんです)
人間関係は五分と五分。他人は変えられない。
さて、今回の事例、いくつかポイントがあります。
まず第一のポイントは、
【Aさんの希望】
・夫にキレたり、嫌味を言うのをやめたい。
・夫を許して、仲直りがしたい。
つまり、Aさんは自分の夫への反応が過剰だと、薄々気づいてはいるということです。
これはめちゃくちゃ大きなアドバンテージです。
正直、話が早い。
というのも、この洞察にたどり着いていないと、
・わたしは100パーかわいそうな被害者です。
・相手が100パー悪いので、相手を変えるために、わたしはどうしたらいいですか。
なんなら、
・老後資金の不安が問題なので、もっとお金を稼げるようになるにはどうしたらいいですか。
というような、いささか本質から離れた話になりがちなんですね。
これもわたしの信条なのですが、どんなに相手が悪く思えるときも、人間関係は五分と五分。
(幼少の頃の親子関係や、犯罪に巻き込まれるなど、例外はもちろんあります)
相手の五分を見るよりも、自分の五分を見つめる。
他人は変えられないから。
そうでないと根本解決にはならないんですね。
なぜなら、自分の物事に対する反応が変わらないうちは、相手や居場所を変えても、同じことを繰り返すだけだから。
(セッションもこのスタンスで進めていきます)
この話はですね、
「人のせいにせず自分を顧みましょう♡」みたいな道徳論や綺麗事ではなく、
それ以外の方法は、マジで実利がないからやめませんか、ということなんです。
(強火。笑)
人間関係って、お互いの反応のキャッチボールによって、良くも悪くも発展していきます。
完全なる共同作業。
だから、五分と五分。
たとえば、Aさんのケースの場合、夫の借金が発覚したときのパニックはごく自然な反応だと思います。
しかも、分不相応な高級志向のための借金となると、Aさんのように堅実に生きてこられた人にとってはなおさらのこと。
激怒したり、相手を責めてしまったりするのも無理のないことです。
むしろ、変に我慢する必要もないと、わたしは思っています。
ただ、初動はそれで良いとしても、いずれは、お互いを尊重した冷静な話し合いで解決を模索する必要があります。
理不尽な目に遭い、いっときは激情に飲み込まれたとしても、わたしたち人間は、最終的にはそこに向かわなければならない。
キツいけれど、でも、それが人間の営みだとわたしは思っています。
相手の行為に、イライラ・嫌味・不機嫌・暴力・暴言という反応を返すのか、
互いを尊重して冷静に話し合うという反応を返すのかで、人間関係の質はまったく違ってきます。
だから、五分と五分。
完全なる共同作業。
もちろん、こちらがどんなに適切な反応をしたとしても、相手が同質の反応を返してくれるとは限りません。
そのときはそのときで、また冷静に考えるわけです。
この価値観の異なる相手との関係性をどのようにしていくか、を。
離れるというのもひとつの選択だし、割り切って一緒にいるというのもあり。
結論はなんでもいいんです。
どちらにいっても、なんとかなります。
あなたは大丈夫です。
大切なのは、
自分の認知の癖(思い込み・解釈・ストーリー)に飲み込まれず、現状を多角的に見て、納得のいく答えが出せたかどうかです。
暴力は絶対にだめ、だめなものはだめ。
Aさんのケース、初動のパニックは仕方がなかったとしても、どこが分岐点だったかというと、このあたりかなと思います。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
幸いにもわたしたちには定職があるし、わたしにはそれなりの貯蓄もある。
300万円はとんでもない大金だが、それで人生が終わるようなことはないと頭ではわかっている。
夫も反省した様子で、謝り、これからはきちんとすると言ってくれている。
でも、この腸が煮えくり返るような猛烈な怒りが収まることはない。
むしろどんどん激情が増していく。
ついに、わたしは夫に手をあげた。
人格否定の言葉もぶつけた。
通帳やカードも取り上げ、彼の自由になるお金をなくした。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
そして、図らずも、夫からモラハラ妻、DV妻と反撃されることになるわけなんですが、これはたしかに・・・
夫の言う通りモラハラであり、DVです。
暴力はだめ。
人格否定も精神的暴力。
自由になるお金を一切なくすのも経済的暴力。
もともとはそっちが悪いんでしょ!!!って本当にそう。
理不尽だよね。
わかる、わかる。
でも、だめ。
暴力は犯罪。
人権侵害。
だめなものは、だめ。
と、これが第一義なんですが、それと同時に今回は、人を責めたり、キレたりするのは、
実利という点から言っても、百害あって一利なしなんですよ、ということをお話したいんです。
(実利好きねー。笑)
調停になったときに不利になるから?
たしかに、それもあるかもしれませんが、もっと本質的な話で、
まず大前提として、キレる、責める、詰めるという行為は、人間関係においては「攻撃」なんです。
つづく・・・
心理セラピスト石橋亜紀
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