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時には自分を無視する事も大切である
他人の目を気にする人は非常に多い。
特に日本という国は集団主義の国であり、他人との調和を重んじられる国である。
この背景には、日本の農業が関係している。
日本と異なり、アメリカやヨーロッパは個人主義と言われ、個人の価値をより尊重する国柄である。
これは、昔からアメリカやヨーロッパではそれぞれの家庭に大きなファームがあり、それぞれの家族が個人で農業を行なっていた過去が要因となっている。
その一方で、日本では1つの田園や畑でたくさんの人が協力しながら農業を行なっていた。
若い人たちは農業に参加し、おじいちゃん・おばあちゃんが子供たちの面倒を見る、という風に役割分担がきちんとされており、全員がその中で自分の役割を全うしていた。
なので、日本では未だに調和を求められ、個人としてよりも集団の中の1人として見られることが多い。
こういった歴史的背景から、日本人は周りの目を強く意識して生きている人が多い。
「これをすると周りの人はどう思うだろう」
「周りの目が怖くて何も出来ない」
という風に、周りの目を気にするあまり、自分の意見を行ったり、したいことが出来ない人もたくさんいる。
特に、神経症傾向が高い人は、周りから自分がどう見えているかばかりが気になり、不安や恐怖に駆られる。
また、社会不安障害と言われる不安障害の方は、他人の視線や他人からの評価を強く恐れる傾向がある。
そんな風に、相手から自分がどう見えているかを気にする事を「自意識」という。
うつ病や不安障害の方はこの自意識が強い傾向にある。
この自意識のように、周りから自分がどう見えているかを気にしている状態というのは、自分の外側から自分を見ている状態である。
つまり、自分自身が自分の中にいない状態である。
自分自身が自分の中にいるというのは、自分の思考や感情、欲求に触れ、それらによって行動したり考えたり出来る状態である。
しかし、周りの目や自分がどう見えているかを気にしている時は、自分の外側を自分自身から離れて観察し、自分の中の部分には一切触れていない状態になる。
つまり、極端にいうと、自分ではなくなるという事である。
これは他人が自分を見る目線と同じ目線で自分の事を見ているからしんどくなるのである。
自分がどう見えているか、どんな人間か、どんな良い所があり、どんな悪いところがあるか、
また、どんな風に映りたいか、どんな自分は見せるべきではないか、そんな事ばかり考える。
つまり、外側から見た時の自分が1番美しく見えるように自分の事を考えている。
しかし、これでは自分自身の思いや感情を一切無視することになり、いずれ苦しむ事になる。
なので、時には自分自身の事や自分がどう見えているかを無視する事も大切である。
どうするかというと、自分の事を見るのではなく、他人の事、この世界の事を見るのである。
「あの人は嬉しそうにしているな」
「子供が大きな声で泣いている」
「あそこに咲いていた花が綺麗だった」
などなんでもいい。自分が見たものや感じたものに素直に注意を向けてみてほしい。
これを「脱内省」と言い、ビクター・フランクルが提唱した「ロゴセラピー」という療法のテクニックである。
人の目が気になって怖いという人は、自分自身を見るのではなく、外側や相手を見るようにしてはどうだろうか?
時には自分を無視する事も大切である。
最後まで読んで頂きありがとうございました。