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【インタビュー】studio15株式会社「TikTokショートドラマ」をプロモーションに活用するポイント

「TikTokトレンド大賞2024」特別賞に輝いた「ショートドラマ」。Z世代を中心に視聴者が増えている新たなコンテンツです。今回は、SNS総再生回数4億回超えを記録するTikTokアカウント「ドラマみたいだ」を運営するstudio15株式会社の高橋奨真さんと女優のさいとうさんに、ショートドラマの魅力と、プロモーションで活用する際のポイントを聞きました。

studio15株式会社プロダクション事業部マネージャーの高橋奨真さん、studio15株式会社所属インフルエンサー兼女優さいとうさん

「TikTokトレンド大賞2024」特別賞にも選ばれた「ショートドラマ」とは?

TikTokでは短編の縦型ショートドラマやショートフィルムが急増中。縦型の特徴を捉えた編集技術や映像表現を駆使しながら、短い時間で感動や笑いを届ける新たなエンターテインメントとして話題になっています。12月5日(木)に「TikTokトレンド大賞2024」授賞式を開催し、大賞と各部門賞を発表。特別賞に「ショートドラマ」が選ばれました。

ショートドラマ制作のパイオニア「studio15」にインタビュー

――ショートドラマの企画を立てる時に大切にしていることはありますか?

高橋「メンバー同士の企画会議の際にタイトルを出してもらうんですけど、そのタイトルを見ただけで面白くてワクワクする、といったところを重要視しています。例えば、『ドラマみたいだ』代表作の『結婚したい男と別れたい女』。タイトルを聞いただけでなんとなく面白そうだけど中身は見てみないと分からない、面白そうだから見なきゃ、と心動かされる感情をとても大切にしています」

さいとう「ショートドラマ制作チームでは企画を出すときにも、ありえそうでありえない感じのタイトルを意識しています。『結婚したい男と別れたい女』とか、現実世界で起こらなさそうな、少し変わったシチュエーションが面白いと感じます。視聴者の方々も、現実世界で起こり得そうだけど起こらない、そんな絶妙なラインの物語に魅力を感じているのではないでしょうか」

――ユーザーにより見てもらえるように工夫している点はありますか?

高橋「カット数や、演技のスピード感には特に気を付けています。通常のドラマよりも少しだけセリフのテンポが速く、視聴者が途中で離脱しにくいように心がけています。また、ストーリーのカットだけでなく、感情表現を捉えたカットに効果音を重ねることで、60秒や90秒という短い時間の中で視聴者の感情を揺さぶる工夫もしています。例えば、手が触れる音などを効果音として加えているのは、より感情移入を深めてもらう狙いからです」

――studio15のショートドラマは、動画開始から興味を惹く動画が多いと感じます。

高橋「最初のインパクトはとても重要です。例えば、開始1秒で水をかけられるシーンや、包丁をドンッと音を立てるシーンなど、ちょっと衝撃的な映像で視聴者の注意を引いています。また、話している出演者だけでなく、背後にこれまで見たことのない人物を登場させるなど、興味を惹かせる要素を散りばめることも効果的です。視聴者は、背景にいる人がどんな人物なのか、なぜそこにいるのかなど、様々なことを想像してくれるので、最後まで動画を見てくれて他のシリーズも続けて見てくれるようになります」

――さいとうさんは、ショートドラマの演技をする際に意識をしている点はありますか?

さいとう「最初はセリフを覚えることしかできず、リアル感がなく、視聴者が作品から離れてしまうのではないかと心配でした。同じくstudio15に所属するクリエイターでイケメンズ(改名予定あり)のくぼけんさんから演技指導を受け、手振りや身振り、表情、セリフの言い回しなど、様々なことにこだわり、よりリアルで自然体の演技を意識するようになりました。何度も台本を読み込み、自分の中で作品の全体像を把握することで、シーンごとの演技を具体的に考えられるようになっていると思います。今では、自分の持てる力を最大限に発揮して演技に取り組んでいます」

高橋「さいとうさんは本当に努力家です。演技の経験があまりなかったところから、これだけ成長したのには驚かされます。毎回、撮影後には反省点を見つけて、自ら演技について学ぼうとする姿勢が素晴らしいです」

さいとう「そんな風に思っていただいているなんて……ちょっと泣きそうです(笑)。『このままではダメだ』という気持ちで必死にやってきたので、高橋さんに認めていただけたことが本当に嬉しいですし、これからも頑張ります!」

ショートドラマをプロモーションに活かすコツは?

――ショートドラマがプロモーションにも活用され始めていますが、プロモーションも含めた動画を制作するうえで心がけていることは?

高橋「インタラクティブ要素が強いコンテンツだからこそ、視聴者に楽しんでもらい、最後まで見てもらえるように商品の見せ方を工夫することが重要だと考えています。大々的に商品を取り上げてほしいという企業様の意向は当然あるものの、視聴者が離れてしまうような一方的な商品紹介は避けなければなりません。商品を効果的に見せながらも、視聴者を飽きさせないような面白いコンテンツを作るためのバランス感覚を常に意識しながら制作に取り組んでいます」

――ショートドラマで、商品を自然に演技で取り入れるコツはありますか?

さいとう「ショートドラマでは、一瞬で商品の特徴を伝えなければならないため、パッケージの見せ方など、細部にまでこだわっています。例えば、パッケージの文字の大きさやサイズ感など、細かな部分まで注意深く見て、ベストな見せ方を研究します」

――ショートドラマと通常のTikTok広告の違いはありますか?

高橋「視聴維持率が高いという点が、ショートドラマの特徴です。例えば、TikTokのSpark Adsという広告手法では、6秒視聴率が重要な指標の一つとされています。私たちのショートドラマは、通常のタイアップ広告に比べて、この6秒視聴率が高い傾向にあります。ドラマの続きの展開が気になって『最後までしっかりと動画を見たい』という意欲が高いことが理由と考えられます」

ブランドリフト調査で高数値を達成!代表的なプロモーション事例

@doramamitaida01

「絶対に褒められたい女VS絶対に褒めない男」 #PR #matomage #マトメージュ #前髪グルー #崩れない前髪 #ショートドラマ #ドラマみたいだ 提供:株式会社ウテナ(@matomage ) [出演] @イケメンズ(改名予定あり) @さいとう @🌸おもち @ガムシャラ倶楽部 [監督] くぼけん イケメンズ(改名予定あり) [脚本] あべけん イケメンズ(改名予定あり) [撮影] studio15 株式会社 [編集] studio15 株式会社

♬ オリジナル楽曲 - ドラマみたいだ - ドラマみたいだ

――studio15がショートドラマを活用したプロモーション事例と実績を教えてください。

高橋「株式会社ウテナ様の『マトメージュ』シリーズのプロモーションがとても良い事例です。商品を紹介するために、『ドラマみたいだ』のアカウントで、『絶対に褒められたい女VS絶対に褒めない男 』という恋愛ドラマを企画しました。さいとうさんが片思い中の高校生に扮して、気になる人に振り向いてもらうために『前髪グルー』の魅力を発揮したアプローチをするというストーリーです。商品に対する購入意欲がどれほど高まったかを測る『TikTokのブランドリフト調査(BLS)』を実施した結果、ブランド想起が媒体平均に比べて1.6倍、購入意向も平均の1.5倍と高い数値を出せました。結果的に売上も前年比170%になるなど、今回のPRが非常に効果的であったということが証明されました(※)」
※本施策で動画は2本投稿し、『絶対に褒められたい女VS絶対に褒めない男』はその中の1本

――ブランドリフト調査で高い数値を出せた理由はどこにあると思いますか?

高橋「商品を実際に使っているシーンが想像しやすく、購買意欲につながる企画にしたからではないでしょうか。一見普通の片思いストーリーだけど、見ていると自然と『前髪グルー』の効果が描かれ、最後はちゃんとオチもある。企画段階から、『前髪グルー』という商品をドラマの中に違和感なく溶け込ませることに注力しました」

さいとう「商品の魅力を全面に出すのはもちろんですが、普通に楽しめる恋愛コメディドラマであることを忘れずに演技しました。広告っぽいな、と思われるとすぐに離脱されてしまうので、そこは強く意識しています」

――ショートドラマと相性の良い商材はありますか?

高橋「どんな商品でも相性は良いのですが、特に『一度は使ったことがある・見たことがある』商品との相性が良いと感じています。例えば、若い頃はよく使っていたけれど大人になると使用頻度が減ってしまうということもある商品は、親近感もありながら新しい使い方を知りたいという気持ちになりやすく、最後まで見てもらえる傾向です。また、観光地のプロモーションにも向いています。美しい風景や魅力的なスポットをストーリーの中に自然に組み込むことで、商品PRのような硬い印象を与えることなく、自然な形でアピールすることができます」

――最後に、お二人がこれから挑戦したいことを教えてください。

高橋「引き続き、TikTokで最も注目されるアカウントを目指していきたいです。そのために、2024年の冬頃からTikTokクリエイターさんとのコラボ企画をさらに強化していく予定です。イベント性の高い企画を継続的に行い、より多くの方に楽しんでもらえるようなコンテンツ作りに励んでいきます」

さいとう「今後も俳優として、演技力を磨いていきたいです。これまでの撮影では、一つのセリフに対して複数のカットを撮ることが多く、セリフを途切れさせながら撮影することが普通でした。ですが、今後はセリフをすべて覚え、一度に撮影するという手法にも挑戦してみたいと思っています」

studio15&さいとうさんTikTokアカウント
ドラマみたいだ:https://www.tiktok.com/@doramamitaida01
さいとうさん公式アカウント:https://www.tiktok.com/@sai_to_world_
studio15公式アカウント:https://www.tiktok.com/@studio15.inc

ショートドラマをプロモーションに活用するポイント

①視聴者に楽しんでもらい、最後まで見てもらえる動画が大前提
②商品を実際に使っているシーンが想像しやすく、購買意欲につながる企画立て
③「一度は使ったことがある・見たことがある」商品との相性が良い

TikTokのトレンドとなっている「ショートドラマ」。ブランドリフト調査や視聴時間から、しっかりとユーザーに届くプロモーションコンテンツであることが分かりました。TikTok広告ではなく、ショートドラマでのプロモーションも検討してみてはいかがでしょうか。

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