脂質との上手な向き合い方取り過ぎも取らな過ぎもNG
脂質制限ダイエットを聞いたことはありますか?
これは、脂質摂取量を抑えることで、体重を減らしたり、体調改善を図るものです。
しかし、過度な脂質制限は大変危険⚠です!!
今回は、そんな脂質の役割についてご紹介します。
脂質とは
脂質は効率の良いエネルギー源として知られています。
それは、炭水化物(糖質)、たんぱく質が生産する熱量(カロリー)が、
それぞれ1gあたり4㎉なのに対し、
脂質は1gあたり9㎉生産できるからです。
(これが脂質がダイエットに悪いと思われてしまう原因にもなっています)
低脂質ダイエットでは、脂質摂取を抑えることによって、効率的に摂取カロリーを抑えるというものです。(確かに脂質は炭水化物、たんぱく質よりもカロリーが高いので、カロリーを抑えるためには効率が良いともいえます)
脂質の役割
①身体を保護、温度を保つ
②効率の良いエネルギー源になる
③脂溶性ビタミンの吸収促進を助ける
④細胞膜、ホルモンの材料になる
実は、私たちの脳は60%が脂肪でできています。
注) 脂質摂取量が不足してしまうと、脳のパフォーマンスが上手く発揮されず、処理スピードが落ちてしまったり、物忘れが激しくなったりする危険があります
脂質が不足すると
・エネルギー不足に陥りやすくなる
脂質は効率の良いエネルギー源です。不足してしまうと摂取エネルギーが足りず、疲れやすくなったり、だるくなります
(エネルギーが不足すると、身体は代謝を落として省エネモードになるため、ダイエットどころか、ますます太りやすい身体になってしまいます)
・脳出血の危険が高まる
脂質不足により、血管や細胞膜が弱くなり脳出血の危険が高まります
・脂溶性ビタミンの吸収不良が起こる
脂溶性ビタミンは、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンEを指します。これらは水に溶けにくく、油脂に溶ける性質を持つため、脂質の摂取量が不足すると、これらのビタミンが上手く吸収されなくなります。
ビタミンのはたらきについてはこちらから↓↓↓
・肌荒れや便秘の原因になる
脂質不足は乾燥肌や、ホルモンバランスの乱れを引き起こします。
ホルモンバランスが乱れることにより皮脂の分泌量が低下し、ニキビや肌荒れを招きます。
また、脂質(特に不飽和脂肪酸)は腸内で潤滑油の働きをするため、不足するとスムーズな排便が阻害されてしまいます。
・腹持ちが悪く、食べすぎてしまう
脂質は炭水化物やたんぱく質と比較して、消化されるまでにおよそ3倍以上の時間がかかるといわれており、その分腹持ちにも優れています。(このため食べすぎると胃もたれを引き起こします)
脂質が不足すると、より空腹感を感じやすくなり、食事の間隔が長く感じられたり、食べすぎにつながります。
取りたい脂質の量
食事から摂る脂質は総エネルギーに対して20~30%が目標です。
例えば、一日の摂取カロリーが2000㎉の場合、
(20%の場合) 2000÷100×20=400㎉
(30%の場合) 2000÷100×30=600㎉
という感じです。ご自身の摂取カロリーに合わせて、適量を計算してみてください。
積極的に取り入れたい脂質
不飽和脂肪酸を知っていますか?
オリーブ油に含まれる一価不飽和脂肪酸は血中LDL(悪玉)コレステロールを下げる効果があり、多価不飽和脂肪酸は、血中LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪を下げ、HDL(善玉)コレステロールを上げるはたらきがあります。
【一価不飽和脂肪酸を含むもの】
オリーブ油 100g 74.04g
【多価不飽和脂肪酸を含むもの】
ごま油 100g n-6系脂肪酸 40.88g
n-3系脂肪酸 0.31g
サバ 100g n-6系脂肪酸 0.43g
n-3系脂肪酸 2.12g
エネルギー量には注意が必要ですが、積極的に取り入れたい脂質です。
まとめ
脂質はカロリーが高く、ダイエット中には悪者扱いされがちですが、重要な役割を複数持ち、不足すると健康に悪影響をもたらします。
不飽和脂肪酸などは身体にいい働きを持つため、特に意識して取り入れるべきです。
ダイエット中の方も、そうでない方も、一度食生活を振り返り、脂質不足、過剰に気を配ってみてください。