読書で 自分チャージ♫
スケジュール帳(日記)を見返したら、本のタイトルが 次から次へと大量に出て来る。「えっ、こんなに?」「うっそ〜こんなの読んだ?あらぁ」もちろん内容も、読んだ事すら全く覚えていない本も 恥ずかしいほど山盛りある。でも このいつの間にか増え続けた、その膨大な読書量には 我が事ながら驚くばかりだ。
経験を積んだせいか 「これ以上は
無理!」途中放棄してしまう事は 今はほぼ無い。あら、私の読書も 多少成長してるのかしら。
☆ ジェーン・スー 「生きるとか 死ぬとか 父親とか」
娘である自身の お金や家族への感覚も、このダメな父親に負けないくらい変わっていて、読みながら 妙な遺伝物質を発見し ジーッと凝視してしまう。
破格に迷惑な父に対して、唯一の家族である娘(被害者)は 決してその自由を奪わず、納得はしてないが 言われるままにお金を出し 放置する。
緩〜い馬耳東風、実の父親を いや父親だから?遠目に なるったけ薄く観察。
事業を失敗させ 手放した 家族で過ごした小石川の一軒家(立派な)に
「また戻りたい」と父が言う。
「ここに戻るには4億。 父がコカしたのは5億、無理だ。」
コカす?関西弁が 妙にツボる。
若くして急逝した母に何も出来なかった呵責から、父の誕生日に六本木『ステーキハマ』へ連れて行く。景気の良かった頃 よく家族で来た高級店だ。食べ終わった父は 一緒に連れて来た従姉に 大きな声を響かせ 言い放つ。
「金は ある奴が払う!
金の流れは いつだって
一方通行!」
普通は娘、怒りますよ。全く懲りない父と ジェーン・スー。頑張れ!
☆ 白石一文 「代替伴侶」
AIの世界、SFが苦手なのもあるかしら?あまりのつまらなさに読み終わった時「は?」思わず呆然。人気作家だけど、記憶に残る本に まだ1冊も当たらない。私だけだろうか。
☆ 恩田陸 「spring」
分厚いバレエの話、期待の恩田陸。よく取材して勉強してるが、大作「蜂蜜と遠雷」後の靄の中で 作者は 今もきっと苦しんでる。初期の「夜のピクニック」あのいつまでも残る余韻の瑞々しさも彼女の武器、大好きなのにな。
☆ 雨穴 「変な家」
年間1位の人気、えっ?
古い仕来りのからくり屋敷のドロドロ、現代版 "犬神家の一族"の世界かな。とにかく 子供を虐待したり 殺す話が 猛烈に嫌いな私には もう、
ただただ 気持ち悪いだけ。
☆ チョ•ナムジュ
「82年生まれ、キム•ジオン」
ひと昔前の日本と 酷似してる。男子の徴兵が義務化されている韓国は、男子優先が今も色濃く根付く。大波の流れに逆らって、傷つき消耗しながら泳ぐフェミニストの話。韓国で異例の大ヒット!怒りの石を投げ続けた勝利だ。口火を切る勇気、強い信念は、どれだけの人を救う事だろう。
母が顔を真っ赤にして怒り スプーンを叩きつける、このシーンが1番好き。遅まきながらの母の後悔と覚醒、娘への誰より力強い 必死の大応援だ。
涙が込み上げた。
「ジオンは おとなしくなんてするな! 元気出せ! 騒げ!
出歩け! わかったか?」
☆ 柳美里 「JR上野駅公園口」
読後 いつまでも私を激しく揺さぶり続けた作品だった。
東北の貧しい子沢山、父は出稼ぎで不在が多く 子供は父に馴染まなかった。何も欲しがらなかった息子が1度だけ(デモンストレーションの?)飛行機にどうしても乗りたがった。乗車券は高くて無理で、妹はアイスクリームで誤魔化せたが、この日の息子は いつまでも泣き続けた。
貧しい中、息子は 奨学金や あちこちからお金を借り、上京してバイトしながら勉強。レントゲン技師の試験に合格し、一筋の光が射して来たかに見えた ある日、安アパートの布団の中で
突然死。21歳。警察からまさかの連絡を受け、2人は別々の場所から駆けつけ、検死していて帰ってない息子の冷たい布団に入り、夫婦は朝を待つ。
「苦しかっだのだろうか」
「"お母さん"と呼んだのだろうか」
写真もない簡素な息子の葬儀。友人の結婚式でスピーチをし 皆と校歌を唱った息子を、自分達は全く知らなかった。今になっては 何もかも取り返しのつかない 親の空洞と悲愴。
お金って一体 何なんだろう?私も最近、生まれたての赤ん坊にさえ「この世のマネーゲーム」に突入させてしまう 無情を感じてしまう。大きな課題で 私達に今 出来るのは、どう幸せを感じて使うかかもしれない。人間の甘さを 指摘されそうですが。
「いつ終わるか わからない人生を、膨大な時間を 生きているのが
ただ怖い」
主人公の言葉が、いつまでも私の胸に刺さっていた。是非是非。
☆ 「忘れないでおくこと」
中島京子のページ、武漢から始まったコロナ騒動時に日本から中国へ マスクを送った際に 添えられた一遍。
1300年前の 長屋王の漢詩
「山川異域、風月同天」
住む場所は異なろうとも、風月の営みは 同じ空の下で 繋がっている。
相手の立場に立って、その国をリスペクトしながら 親愛の心を伝える。そんな事がサッと出来る豊かさ 真のインテリジェンスを持つ者がいる。
外務省、へぇ見直した。
そしてその後、コロナ禍の日本に 中国からマスクが送られて来た時に 中国側が添えた 夏目漱石の俳句
「春雨や
身を擦り寄せて
一つ傘」
負けてない。わお、賢い人材は両国に揃っていた。値段も数も 何も要らない、ただ読んだ人みんなの疲れた心に染み渡る 励ましの言葉。文学の粋 深い温かみ、どれほど時間が経ってもすり減らないって奇跡ですか。夏目漱石も1300年前の漢詩を詠んだ長屋王も「えーっ?」心底 驚いてると思う。
☆ 森永卓郎 「がん闘病日記」
副題「お金よりずっと大切なこと」
がん闘病中の経済評論家の 何ものにも縛られない夢は大空を舞うように自由で 欲が壮大だ。歌手に も 歌人にも(俵万智に続け)童話作家にもなりたい。近づく努力も欠かさない。駄洒落コレクションのミュージアムは作り、笑福亭鶴光の弟子には エロ謎かけで一発合格できた。ある朝のラジオで
お題「電話」とかけて
森永「乳頭とときます。赤とピンクと 黒もあります」
すぐ部長が 怒り心頭で降りて来て
部長「な、黒は ないだろ!」
森永「え?黒い人 いますよ」
即、ニッポン放送を出禁になった。
彼の 誰かに嫌われる事への抵抗壁の妙な薄さ と低さ、善悪を見抜く鋭利な目があるのに、バカ正直で自分に快楽的なとこが 目を見張るほど可笑しい。
☆ 横澤夏子「三姉妹のれんらくちょう」
デビュー時から 新鮮で賢い彼女 が大好き。多忙な中、お見合いパーティーに行きまくって無事 結婚。
仕事と家事、時間に追われながら、3人の娘を預けている保育園との家庭との連絡帳のやりとりだ。
体が幾つあっても足りない 疲労困憊ギリギリな日々だけど、子ども達の有り余る元気と 不意な一撃の愉快。
大丈夫、愛は いっぱいだ。
⚫︎ 何でも自分で、手を貸すと怒ります。特にズボンを履くのが好き。
⚫︎ 昨日はAちゃん?のお母さんが保育参観に来ていたみたいで
「どんなふうに見てたか?」聞くと
探しても 探しても見つからなかった大切なものが、こんなところにあったりする。臭いオムツと床にばら撒かれた玩具、シンクに溜まる汚れた食器の山に、怒ったりイライラするのは日常茶飯事、ヒッチャカメッチャカな余裕のない生活の中で、知らないうちに 小さな幸せが ぐんぐん増殖されてる。
みんな 誰も気づかないけど。
常にテレビや雑誌 読んでる本の中で紹介されている本まで 細かくチェックして、次に読む本を探している。
ポイントは、見栄っ張りじゃなく 曖昧なお世辞を言わない 信頼できるセンスの人の 薦める本だ。常に私の本選びに協力してくれる 脳内スタメンを 目を皿のように探している。実際は 冊数も多いので 短い内容注記だけで 予約
「ん〜これ、かなぁ?エイッ」
そう、山勘がほとんどです。
読書は 行くアテのない旅のようだと言われますが、私まぁひどい霞目と記憶エラーやら 困難な多重苦を抱えながら、日々あちこち寄り道しながら歩みを止めずにいます。
向かう先に もしかして海が見えたり、思いがけない場所に抜け出たり、これからどんな光景に遭遇するのだろうか、ここまで来て まだ私をワクワクさせてくれる。本って 力がすごい。
嬉しい出会いに 感謝だな。
⚫︎ 私の息抜きタイム (番外)
大好きなんです。他の事を後回しにしても 熱中してやります。