もうずいぶん時は経ってしまったが、皆を思いっきり振り回し、皆を烈火のごとく怒らせ、皆を「いくらなんでも どうかしてやしない?」と呆れさせ、皆を何度も込み上げるほど笑わせて、皆が何故だかわからないほど 寂しがらせた。 そんな人が 私の近くにもいた。 初めてB子の父(A男)に会った時 「父がね(私みたいな人を)大好きって。明るいから大好きって」 B子から聞いた。遥か過ぎた今になりましたが、嬉しかった 光栄です。 「ありがとう」と言いたい。 その気取っていても隠れない、自由で濃い
赤倉から「大地の芸術祭」の十日町へ。清津峡まで車で1時間。長いトンネルをようやく抜け出たと思ったら、また次の長いトンネルに入る。車こそ少ないですが、霞み眼でヨレヨレ運転の私が緊張で 真顔になる。真っ暗で狭い 湿った地面に薄く見える白線だけが命綱。前屈みにハンドルをガッツリ押さえる。 「ねぇ、まだ?」 「ん〜まだ。長いね〜真っ暗だ」 「(トンネルの)中で事故るのだけは、勘弁。もう怖過ぎるわよ」 新潟の地形は 日本海側に横長。長い他県との境は、山で阻まれてるんだろう。先人達が
宿の予約はしていたものの、今回は直前まで行くのを迷っていた。 「うん、行こう!」 決断は間違ってなかった。 「行かない」より「行く」方が、 性格に合ってるのだ。 夫は 滅法気がきかないタイプだが、 無邪気で親切なアシストおじさん。私のアンテナへの信頼は絶大で、いつも完全お任せ、安心しきって隣にいる。 ま、こんな私には 丁度良いのか。 計画中に失敗した。でも電話で事前に教えてもらって良かった。私のネットやガイドブックの地図の読み方が どうも甘かった。 「朝1番で着いたら(行っ
毎日夕方、必ずどこか外に出かけて少しの時間でも見つけて本を読む。 忘れたくない箇所をページのあちこちを押さえながらスマホ撮影、夜スケジュール帳の端に「これこれ」 ササッと書き留める。これが私の読書の、いつものいつも。 記憶力に難が有りの私をサポートしていたのだが、近頃少々まずい。 年を取ると仕事が雑になる。書き留める文字が いい加減過ぎるのだ。走り書きの域を遥かに越えて 「あ? ん? は? いや 待て…」 無かった事にする、もはや私の常套手段。かなり困ってる。 ★ 矢
「せっかくだから、日本海の幸も食べたいよね」 2泊目は、ネットでササッと予約。日本海沿いには、古くからの温泉地が並ぶようにある。夏は海水浴客の家族連れで、賑わうのだろう。 ☆ 湯野浜温泉 ◎ 亀屋旅館 平日だったから?昔からの老スタッフのみ。何だか動くのしんどそう。 「お客さん、部屋まで(勝手に)行けますか?」 そんな中、大声でお喋りな仲居さん(年は変わらなそう)が1人でキビキビ働く。やっぱり女って強い? 「のぅ、ほでのぅ、…しったらのぅ…でばのぅ、はでのぅ。ギャ
山形県は広い。目的の鶴岡、酒田には山形新幹線は通ってない。仕方ない、特に用事もない終点の新庄駅からレンタカーで最上川沿いを辿り日本海サイドへ。帰りは the 山形!という感じの雪深い山間を(トンネルを)くぐって山形駅から帰京コース。 時刻表を見て「あれ?」山形新幹線が妙に遅い事に気づいた。青森はもっとずっと遠いのに、到着時間が変わらないって、なぜ?燃料節約? わからないまま乗り込んで、わかった。速い新幹線が、山形に入った途端、各駅停車?急にゆっくりに。駅に迎えに来る車道と
ウチの夫は、物を捨てない。子供時代の転勤、数々の引越しにも頑なに捨てない我楽多。その辺で貰ったチラシに、特に用もないカタログ、祭りで配られた鉛筆に、多すぎる漫画本…何十年持ち歩く気??酷いのは仕事で使うデスクトップパソコン、毎回 「大丈夫だよ。勿論、古いのは処分するよ。だから買って良い?」 約束しながら、何やかやと先延ばしにして、結局歴代のパソコン全部がウチの中にある(少し前まで箱も全部あった)。超手狭な我家は、のらりくらり夫の 飽くなきモノへの執着との、日々闘いなのである。
「面白い話だけは、忘れたら損!絶対に忘れるものか」昔から思っていた。そんな私なのに昨今、転げ回るほど可笑しかったり、涙が込み上げたりする事もめっきり少なくなっている。しつこめのコレクター気質で、目を凝らし耳を澄まし、偶発的に触れた話でも有り難く、あちこちから眺め、何度もその味を噛み締めたくなるのだ。 ★ 友人達からの写メ 生きていると、良い事も悪い事もまぁ半分半分やって来る。なのに悪い事や嫌な人ってのは、総量は少しなはずでも、一気に人の気持ちを落としめてしまう厄介なパワ
「針仕事とか無理だし。こういうこと私は一生やらないし、興味ないから」 結婚するまで、自分でボタンさえつけなかった私。説明をちゃんと聞かないし、細かい事が苦手。テキトーに見切り発車するので、どれだけ積んだか失敗の山。今思えば、ずいぶん遠回りして来た気がする。思い描いたように出来ない歯痒さ、何度もサジを投げては周りにおだてられて、性懲りもなくまた手を出す。これが終わったら一切やめよう。そう思いつつ、またいつの間にか 何かを始めてしまってる。 ★ 何でもいきなり縫う 柔らかい
林真理子が「人生の贅沢な休日は、由布院の御三家宿に1泊づつ泊まる」と。憧れてはいたものの東京から遠いので、私達には現実味が薄かった。佐賀から立ち寄れる距離と知り、いきなりのチャンス到来に「イエス!」清水の舞台からエイッと飛び降りた。 ※ 由布院の御三家宿 一生に一度は泊まりたい ① 由布院 玉の湯 由布院駅から徒歩圏内。野花を愛でるような、優しい時間が流れる。ナチュラルなセンス、特に女性ファンが多い。 ② 亀の井別荘 由布院観光の目玉になる金鱗湖と隣合う。もう、どこ
「明日の朝食のルームサービスが可能ですが、何時にしますか?」 「え、ルームサービス?(ラッキー!ヒャー!)」 素泊まりのはずが。 遠距離運転で疲れた夜の 私たちに甘〜い誘い水。 「朝は僕、やっぱり珈琲飲みたいな。ゆっくりトイレにも入りたい」 嗚呼、あれが今振り返ると 失敗の始まりだったか。出発の遅れ、アチャー取り返せず。 何もない佐賀の川べりに、秋の数日だけ世界中から集まった沢山の気球が上がる。友達でも娘達とでもなく、その夢のような光景を夫と2人で見てみたかった。佐賀バルー
春から計画していた九州の旅、夏休みを秋に持ち越して(お金を貯めてw)「ぜひぜひ行ってみたかった」憧れと前のめりのワクワクとで、いざ出発。 東京生まれの私達ですが、夫は幼少期を北九州、黒崎で過ごし、私は独身時代に博多へ友人を訪ねた以来、本当に久しぶりの九州です。11月だというのに夏のような日差しで、地図を帽子代わりに、半袖Tシャツでの眩しい秋の旅行になりました。 佐賀空港は新しく近代的でしたが、駐車場が無料ってすごい。レンタカーが空港内(すぐ隣)歩いて数十歩ってのもビックリ。
この街とも、気づけば長い付き合いになりました。若き日、大失恋した夫が1人暮らしをしていたのが、ここ学芸大学駅。徒歩17分、環七沿いの5階まで階段で上がる、エアコンもなくカーテンもない部屋は、直射日光であり得ない暑さに。窓を開ければ車の騒音で何も聞こえない、電話するのも大変だった。 数少ない同期、同じ頃に会社を辞めた仲間で、あの頃は若さだけ。先行きも見えない、本当に何もなかったなぁ。 当時の夫は、百円均一で買ったあずき缶のフタを舐めて舌を切ると言う、悲しや貧乏極まる話あり(笑
私は紙の本派です。かなりの多読である。毎日出先でベンチを見つけて(あちこちに定番あり)本を広げている。スーパーでも美術館でも、出先でササッと読書。気候が良ければ、駒沢公園脇に車を停め窓を開け、練習に来ているジャズサックスを聴きながら。お金のかからない贅沢な時間。 複数の図書館から、新しい本を中心にネットで大量に予約。借りて来ては次々読む。基本ハッピー読書家でして、私の選択は文句がまぁ多い。 上下連続もの、分厚いものは無条件にうんざりしてしまうし、サスペンス、残酷はとにかくダ
両親は都内の端っこにある実家(階段多く、広すぎる)を数年前に売却し、その近くのマンションへ引越し、父は油絵、母は仲間と太極拳・コーラス・オカリナ・ピアノと忙しく日々を過ごしている。近所には誰も住んではいませんが、私も時々電話をし、夕飯を持って訪ねる。 そんな生活が一変したのは、父があちこちの不調で(検査しても異常なし)母の制止を振り切り、頻繁に救急車を呼んでしまう。不安が増し、待てないのだ。母は無力に困惑するばかり。 深夜、病院から 「高齢とはいえ、異常がない患者さんをお泊
若さもパワーも、もはや微塵も残ってなく、目は常に霞むし、足はヨレヨレだが、街中にある鏡を反射的に見ないようにする本能だけは、キープされてたりしてる(笑) でも、気楽さ100%、大体OK。キョロキョロ発見は大好きなまま、行きたいとこに行き、「ダメはダメ!」争いも恐れず、言いたいことは言う。ネジも多分2-3本(いやもっと?)外れてるのだろ。なんかいつも私、笑ってる。 ★ ベランダの花々 早朝の水やり、今、私の1番の趣味はこれ。目新しいものは、よく購入。水色のは常山アジサイ