恐怖のお茶会
今回は私が過去に経験したことがある「恐怖のお茶会」についてお話ししたいと思います。
この出来事があったのは真冬。
時期から見て今話すのは季節外れのような気もしましたが、「恐怖」という意味では暑い季節でも良いかなと思ったので、気になった方はお楽しみください。
お茶会
私が高校生の頃の話。
高校生では珍しく、休日にはまだお習字のお教室へ通っていました。
そのお教室というのが先生(女性・70代)のご自宅で行われており、私以外に年下の女子高校生2人も習いに来ていました。
お習字をする畳の部屋は茶室になっていたため、字を書くのに疲れたらその都度先生が「お茶会」と言って、炭火を起こし、本格的なお茶を点ててくださっていました。
真冬の出来事
12月~1月頃の真冬のある日。
暖房がよく効いた暖かい部屋で私たちはいつものように筆を走らせていました。
疲れてきた頃合いを見て、先生が「お茶を点てますよ」と言ってくださったので、私たちはお花を象った色とりどりの綺麗な干菓子とお茶をいただきました。
お茶をいただいてから数十分後。
体調が悪くなってきたのです。
体調が悪いというのが、はっきりと「気分が悪い」や「痛み」といった明確な症状はなく、ただ何だかよくわからないけれど体調が悪い。
表現するならば意識が朦朧とし、集中できませんでした。
このまま体調が悪化してお教室の人に迷惑をかけてはいけないので、思い立ったように「急用を思い出しました」と話し、筆先は綺麗に手入れするようなこともせず、道具は適当に半紙で包んでバッグに詰め込み家に帰ることに。
家までは自転車で5分もかかりません。
この時ばかりは、お教室から自宅までの距離が比較的近くてよかったと思いました。
急変
家に着いて自宅扉の鍵を開ける頃にはもう意識がギリギリでした。
鍵を開けて足を踏み入れ、再度鍵を閉めたら、
そのまま玄関で意識が遠のきました。
...2時間後。
目が覚めると、やはり自宅玄関にいました。
この2時間という経過時間は、目が覚めて時計を見た時に知りました。
なんだかよくわかりませんが、意識を失って倒れていたのです。
「奇妙だな」と思いつつもその後は特に体調が悪くなることも無かったので、気にせずそのまま過ごしました。
Q.質問
翌週のお習字教室。
すっかり忘れていましたが、1週間前「急用を思い出しました」と言っていきなり家に帰ってしまったことを先生に謝らなければ、と思いながらお教室に行きました。
お教室に着いて先生が口を開いて一番に言ったことが
「先週は大変だったのよ!あなたが帰った後、私たち3人とも体調不良を起こしたの」。
高校生2人のうち片方の子は意識が朦朧とし「貧血かもしれない」と話して寝転がっていたそうですが、もう片方の子と先生は気分が悪くなり吐き気と闘っていたそうです。
3人とも体調が悪いのでどうしていいかわからず、吐き気を訴えていた高校生の一人が他の部屋にいた先生の旦那さんに助けを求めに行くという、彼女ら曰く「地獄絵図だった」とのこと。
ここで質問です。
何が原因で私たちは体調不良を起こしてしまったのでしょうか?
A.解答
体調不良の原因は「一酸化炭素中毒」(別名CO中毒)でした。
お茶のお湯を沸かす際に炭火を起こして使用していたのですが、真冬ということもあり窓を完全に閉め切って密室でお茶会をしていました。
はじめはお茶やお茶菓子の食中毒を疑ったそうですが、吐き気を訴えていたお習字の先生はいずれも一切口にしていませんでした。
後日、医師など数名に話を聞いたところ「一酸化炭素中毒であろう」。という結論に至ったとのこと。
「ただ、唯一あなただけが元気だったからなぜかなと思って...。私たちはあなたが帰った後もまだ部屋に居たから、それがいけなかったのかしら」。と言っていました。
いえ、実は私も体調不良で家に帰ったのだという事を伝えると、話しは一致したそうです。
残念
実はこの件以来、先生はお習字のお教室の時間にお茶を点てることをやめてしまいました。
私もその数年後にカフェイン中毒を起こしてしまったので、この一酸化炭素中毒の日以来、きちんと点てたお茶は飲めていないような気がします。
誰よりもお茶を好きと言える自信があるほど好んでいたので、残念です。(一酸化炭素中毒、カフェイン中毒とあれもこれも中毒で困ります)。
「炭火 一酸化炭素中毒」で検索すると、私たちの身に起こっていたことと似たような症例がたくさん出てきたので、今更ながら驚いています。
私と高校生の一人の子は意識が朦朧としていたので、意識を失ってしまうと助けを呼ぶこともできません。
最悪の場合死に至ることもあるそうなので、みなさんもお茶を点てる時、炭火を起こすような事がある際は、換気をしっかり行うことをおすすめします。
裏話。
「あのお習字の先生の家はオバケが出てもおかしくない」。「むしろいる気がする」。という都市伝説のような噂が小学生の頃からお習字教室の生徒の間ではまわっていました。
体調不良になった時も高校生2人の間では「やはり霊のせいではないか?」といったことを話していたそうです。
鹿威しがカポーンと響き、庭先では紅葉が見れるような風情のある和の一軒家でしたので、余計にそういった噂もまわっていたのだと思います。
...実は私もはじめはそう思っていました。
失礼な生徒で申し訳ないです。
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