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ほろ酔い系。
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#恋

September

久々にごはんでも食べよっか という連絡をもらって ちょうどたいくつしていたところだったし …

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花火 1

一瞬だけ明るくなる空に誘われるように顔を上げる。 ずっと遠く、かすかに浮かぶ花。 小さな…

6

ニブイヒト。

「もしもしー?」 「今忙しかった?」 「あ、だいじょうぶ?そっかそっか」 「んー、何して…

5

花火 2

川べりの道 日が落ちて 昼間の暑さが嘘のようにひんやりとした空気の中 私とあなたは並んで歩…

6

花火 3

花火を見に行こうって誘ったけれど ほんとうはね 君を誘う口実なら 何でもよかったんだ 花火…

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花火 4

初恋だったあのひとみたいに 届かないからあこがれるんだと思ってたけど 違ってたみたい うま…

3

花火 5

日差しはまだまだ真夏のもので、夜になっても気温はちっとも下がらない。 生暖かい風は、汗で湿ったTシャツをちっとも乾かしてはくれないけれど、 それでも少しずつ、季節が動いていることはわかる、 そんな8月の折り返し地点。 軒並みおろされた商店街のシャッターには、お盆休みを知らせる張り紙。 そんななか、僕らは無意味にはしゃぎながら、 駅から15分ほど離れたところにある公園を目指す。 あれこれ吟味して選んだ袋いっぱいの花火と、 コンビニで調達したアルコールとおつまみを抱えて。 広い

ユラユラ。

金曜日のお酒は酔いが早くまわる、少しだけ。 そろそろ帰る? その言葉を告げるタイミングを…

7

Not Deleted

何の予定もない日曜の午後。誰かを誘おうにも、それも億劫。 つけっぱなしのテレビでは筋のよ…

6

花火 6

夏もそろそろ終わりだね 楽しい時間ほど短いのは何でだろう 花火大会が終わって 帰り支度を急…

4

フェイドアウト

久しぶりに乗った助手席に何だか居心地の悪さを感じるのは、 たぶんシートの位置がほんの少し…

6

こぼれたミルク

あ。 ちょっと泣きそう。 そんな気分になったのは、 さっき飲んだビールがまわっているせいな…

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痛い靴

おろしたばかりのパンプスが 足に合わなくて痛い 買う前に ほんとうは少し迷っていた つま先…

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タカラモノ 1/3

届きそうで届かないものほど欲しくなる。 手も、指先さえもふれることができないものほど。 窓のない、暗くて狭い部屋。 壁に時計がかかっていないのは、時間の感覚とモラルを奪うため。 そう考えると、ラブホテルというものは、案外機能的にできているものだと思う。 テーブルには、キャップをあけたまま放ったらかしになっているミネラルウォーター。 床には、僕の服と彼女の服が重なり、だらしなく散らばっている。 その様子は、まるで昨夜の僕らの性急な行動を無言で非難しているかのようで、まだわずか