花火 6
夏もそろそろ終わりだね
楽しい時間ほど短いのは何でだろう
花火大会が終わって
帰り支度を急ぐ人たちの上で
思い出したようにぽつぽつと打ちあがる花火のことを
見送り花火っていうんだよって
教えてくれたひと
ラッシュを避けて遠くの駅まで
ゆっくりゆっくり歩いた
疲れたよね?と言われたけど
大丈夫、って答えた
もう少し余韻に浸っていたかったし
それに
もう少し並んで歩いていたかったし
ね、
このあとどうする?
ってなかなか切り出せなくて
でも聞いてくれないことは分かっていたから
思い切って言ってみたら
じゃあ、飲みに行く?
・・・って、
うん、
別に、
それでもいいんだけどね
いいんだけどさ
そのあとはどうするの?
なんてね。
*****
いくつか書いてきた花火の話もこの夏はこれでおしまい。
なかなかワンシーンを切り取るのはうまくいかなかったけれど。
今年、どこかで、誰かと一緒に花火を見た人たちへ捧げます。
それぞれの胸に残っている花たちが、素敵な思い出となりますように。
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