【連載小説】もし、未来が変えられるなら『8話』
時系列はまた前後する。入院生活で、食事が怖かったように、入院する前も家族との食事が怖かった。夕食前、父親や母親が料理をしている。でも僕はその光景が怖くた見れなかった。聞こえてくる音だけ聞いていても、母親が自らの腕を切って料理をしているような想像が頭をめぐる。
「バリバリ……ガリガリ……ギギギギギ……」
聞こえてくる音はいかにも奇怪だ。僕は思わず耳を塞ぎたくなった。そのうち食卓に料理が並ぶが、そんな想像をした料理を見て食欲はそそられない。
いただきますをする。そうす