『自分流』読み終えて
おはようございます。ひろです。
昨日は久しぶりに時間がたくさんあり、読書に没頭することができました。
私にとって響いた『自分流』の要素
・本当にやりたいことがあるならどんな悪条件も乗り越えられる
中野監督は、元々実業団のコーチをしていたそうだが、会社の倒産、廃部により2度もその道からそれた経験を持つ。その中でも、絶対に指導者に返り咲いてやるという気持ちを持ち続けて、代わりに働いていた障害者学校の仕事を乗り越えたり、無職になっても日ごろ走り続けていた。
これは言われてみると私にもいえる。私が所属している関東学生陸上競技連盟の仕事は正直言って楽ではない。毎日放課後に活動するのだが、帰り始める時間が、忙しい時は11時なんてことはざらにある。確かにきつい。ストレスもたまる。けど、それでも頑張れる理由は、私が箱根駅伝が大好きだからである。選手としての実力がない私が、夢だった箱根駅伝に対して一番自分の力を発揮できる役割が、大会運営という立場だと思っている。だからやりたいことに向き合えていると心から思うし、それが頑張る原動力になっている。
・箱根の借りは箱根では返せない
よく選手は「去年の借りを返す、リベンジする」と記者会見で言っているのを見かけるが、実際にその年いい走りができたからと言って、過去の失敗を相殺できたわけではない。やはり過去の失敗は箱根駅伝の歴史に刻まれているし、何より悔しい思いこそが自分の今後の人生を豊かにする原動力になる。だからいつまでも忘れてはいけないと著者は言っている。
私自身にも言えることがあって、今なんでこんなに頑張れてるんだろう。自分で考えて何事も取り組めているんだろうと考えた時に、何もできなくて悔しい思いをしたからこそである。これはあまり深くは話せないが、関東学連の仕事で、今年の3月にオーストラリア遠征に行く予定だったのだが、その準備や手続きにおいて、既存の仕事を何も考えずにただこなしているだけだった。バイトや学校の課題に追われていたことも言い訳に挙げられるが、とにかく自分で考え主体的に働くことをしていなかった。そして、結果的にはウイルスにより遠征は中止になり、ずっと楽しみにしていた分、心の処理ができなくなるまで落ち込んだ。その後は、慰めてくれる人がいたり、自分自身にもそれを埋めるくらいいいことがたくさんあった。でもやっぱりあの何もできなかった悔しさが原動力になっているからこそ、今こうやって自分自身で考えて行動できている。
・自分で考えさせる指導
著者は、どんなに無意味だと思ったとしても、選手がやりたいと言ってきたことを一度はやらせてみるという指導をしている。なぜなら、その人によって結果が違う可能性もある、ダメであったとしても、実際にやってみることで、自分で失敗を確認することに意味があるからである。結果を予測して物事を判断できる能力をつけるためには何事もまずは自分で考えて実際にやってみる。自分が導いた失敗こそが今後の自分のベースになるという考えからくるものである。
私自身も、なんでもやりすぎて中途半端という短所を抱えている以上、それをコンプレックスととらえていたが、この本をよんで、そこから自分の学びに活かしていければいいんだと非常に安心した。
失敗ばかりしてきた私にとって、身の丈に合った本だった。
青山学院大学原監督の『魔法をかける』との違い
以前、青山学院の原監督が書いた『魔法をかける』という本を読んだのだが、同じ箱根駅伝出場校の監督が書いた本であっても構成から内容、伝えたいことはそれぞれであったのでそれを比較して、今回読んだ『自分流』について紹介していく。(決して魔法をかけるが悪い本と言っているわけではない)
『魔法をかける』
原監督自身の生涯、競技と離れた自身の営業マン時代の経験からの転用がメインの構成。読んでいる時は、私自身、その知識がなくて内容の軸を見失いそうになった。やや大人向けの本に感じた。指導方針は小さい成功を重ねて強くなろうよいうスタイル。あくまで私の意見だが、道を究め完全な勝利を手に入れたい人、あと少しで勝利が得られるのに、なかなか届かない人向けに作られた本に感じた。(1→その先)
『自分流』
具体例のほとんどが実際の競技の話。読書が苦手で陸上バカ(無知)の私にとってはすごく読みやすかった。「こういう指導をしている」ではなく、「私はここを気を付ける→選手はこのように行動した」という実話が具体例になっていてすごく伝わりやすかった。指導方針は自分の思った方向にアタックしてみて失敗から強さを得るスタイル。行動に移せずくすぶっている人向けの本に感じた。→(0→1)
私は、『自分流』→『魔法をかける』の順に実生活に転用していければいいなと感じた。
『自分流』全体を通しての感想
全体的に新しい発見というより、改めてすごく大切な要素を感じさせてもらえる内容の本だったと思う。中野マジックの正体は、やるべきことを後悔なくやりつくした結果に過ぎなかったんだと知り、自分自身の活動を見直す良いきっかけになった。勝ちたいという気持ちを忘れず、凡事徹底に取り組んでいきたい。これからも焦らずに自分のやりたいこと、やるべきことを全力でやりきる。いろんなものを吸収していこうと思わせてくれる本だった。
今回は、自分の好きな分野の本だったので、非常に読み進めることが簡単にできました。今までなんで読書をあまりしてこなかったんだろうと後悔するくらい今、色んなものを吸収できていることがとてもうれしいです。それでは、本日もご一読いただきありがとうございました。また明日もよろしくお願いします。