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その道が一人称になるまで
5月、スペインの巡礼路を歩いた。サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂を目指す道で、巡礼者の間では「カミーノ」とよばれる。スペイン語で「道」という意味だ。
全長800キロを歩く気合いはなかったので、いくつもある巡礼路のうちのひとつを選び、最後の100キロだけを歩くことにした。
歩き始めることを決めた理由は、自分でもはっきりしない。
どこかできいて気になっていて、たまたま時間があって、航空券を買
Gray Spring
昼過ぎの国道197号線、佐田岬メロディーライン。
左手には、梅の花に縁取られ、低く濃く広がる瀬戸内海。
まだまだ冬のつもりで厚手のダウンジャケットに身を包んでいたが、いつのまにか高くなった日差しに、たまらず左右のウィンドウを三分の一ほど開ける。
ふと、いやというほど通い慣れたこの道をあと何度走るかと考え、思わずハンドルを強く握りしめる。
にじんだ涙があふれないよう、深く息を吸い込む。
詩のスケッチ8)星の狭間に、鯨の背中をみた日には。
君を思えば
星々の狭間をのびのびと泳ぐ
鯨の姿が見えるのはどうしてだろう
暗がりに浮かぶ、星々が美しい
そして光っているのだ、君の姿も
幸運にも君の姿を見た人は、
不思議と温かい気持ちに包まれる
自身も光であることに、
気づかせてくれる
君が行く先々に、咲きほこる花々が見える
君が行く先々の、光り輝く航路が見える
とっておきの光をひとつ見つけた、いま
君はその光と一緒に、
晩秋。澄み渡る空。足元にしばれ。ああ、北海道。ああ、道東。
星に囲まれた時間にいます。
摩周湖の展望台で、星を待っています。
いや、現実は星を待っているわけではなく、お客が来るのを待っているのですが。
ひょんなことから星空の案内役をするように頼まれて、日々、夜空を見上げる日々です。
星座アプリを片手に、毎日のように夜空を見上げていたので一等星と季節の星座はあらかた頭の中に入りました。
そんな事情もあり、最近は飲み屋に入る前後にじっくりと星空を観察するの
Happy lostday
わたしのお家はどこですか?
どうも。すっかり迷子になっていた瀬戸内種です。
あっちへふらふら、こっちへふらふら、どちらへ向かったものかとしばらく途方に暮れておりましたが、今晩にわかに周りがはっきり見えるようになって、なんとかそれらしい道跡に戻ってくることが出来ました。
なぜ急にそんなことが起きたか?どうやら私は歳を取ったらしいのです。
なぜ歳を取ったことがわかるのか?これは簡単です。なにも一年
個人的な引用実験の試み
パンツを履き忘れて寝た。いや正確にはパンツを履かないで寝た。
なんだか寝心地が悪くて、それでまだ暗い時分に目が覚めた。
4月も中旬にさしかかかり、道東にも春の気配。緑の芽吹きが見られるようになった。そして、何より日の出の時刻がどんどんと早くなっている。去年の夏至時期は午前3時にカーテン越しの陽が眩しくて目覚めた記憶がある。
でも、今朝はまだ暗い。
おまけに雨も降っている。
大粒の雨だ。
風もど