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#ポエム

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ポエムって黒歴史になるってよく言うじゃないですか。というわけで僕の黒歴史をまとめています。
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2019年7月の記事一覧

〇〇フレンド

〇〇フレンド

ブラジャーを片手で外せるからって、慣れてるわけじゃないよ。
たとえ友達といえど、女の子を前にするとドキドキするのは変わらないよ。話すときは、いつも以上にいつも通りいつも通りって自分に言い聞かせてる。だから、そんな目で僕を見ないでおくれよ。僕は別に、いい男でもなんでもない。あなたが思うほど心は広くないし、優しくないし、女の子の扱いもうまくない。余裕ぶってても余裕なんかないよ。本当はもっとかっこつけた

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好き嫌い

好き嫌い

いろんなものをたべてきた。

カレーがすき。お寿司がすき。ハンバーガーがすき。いろんなものをたべてきた。好き嫌いはほとんどなかった。
大人になって、こんなものもたべるようになった。

愚痴とか、悩み。

たくさんたべた。みんな、僕の所に持ってくる。どんどんたべた。僕のお腹には吐き出すものはほとんどなかったから、いくらでもたべられた。みんな僕がたべた後はスッキリしたような顔で帰っていく。それが嬉しく

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目覚まし

目覚まし

おはようとつぶやいてみても、時計の針しか返事をしない、そんな部屋。もう一つ寝息が聞こえていたのはもうずっと昔のように感じる。夢の中であいつが言った、“いつまでそこにいるの”という言葉。喉に手を突っ込まれたような不快感。次の瞬間、まとわりつく嫌な汗が僕を現実に戻してくれる。そのまま夢の中にいたら、きっと叫んでいたと思う。今だって、ぽろぽろと涙が頬を伝う。肌に張り付いた衣服を脱ぎ捨てて、枕に縋りつくし

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夜の独り言

夜の独り言

部屋に籠っていると、徐々に思考が淀んでゆく。焼いているホットケーキのようにぷつぷつ、ぷつぷつと、感情が湧き上がっては、すぐに消えていく。別にホットケーキを食べたいわけじゃない。お腹が満たせれば、なんだっていい。添加物入りのコンビニのごはんを食べる。今日はそれすら食べるの、面倒くさい。なので、ベランダで星を眺めている。ホントは空は黒一色で、そこにぷつぷつ、ぷつぷつと針で穴をあけて、誰かが世界を覗いて

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未練

未練

あの子が視界にちらつく。赤いN-ONEを見かけるといまだにナンバーを確認してしまう。叶うはずのない夢を抱いて走り出してしまいそうだ、ゆれている、面影に。まったく別の命に代わってしまいたい、でも記憶は、そのままでいて。友達になったはずだったのに。連絡なんてできるわけない、友達として。二人の時間は、溶けてなくなって、新しい花の養分になる。あの子が誰かと咲かせる花の。

二人で使おうと決めた入浴剤が泣い

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空の色

空の色

夏を前にして、雲が分厚くのしかかる。世間はプール開きらしいが、空の模様は濁った灰色。世界はワントーン暗くなって雰囲気が出る。まるでメンヘラっぽいインスタグラムみたい。
ぬるい空気。半袖になれるか微妙な気温。外に出て歩きだすと、周りの空気もねっとりとついてくる。体力が見えない何かに奪われ、身体からにぶい汗が滲み出る。

僕にはこれぐらいの空が似合うらしい。身に纏う脱力感に青空は似合わないんだって。

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僕より先に行った言葉

僕より先に行った言葉

カチ、カチ、カチ。
何もしなくても時間は過ぎていく。立ち止まっている暇なんかないはずなのに。
価値、価値、価値。
一人一人の価値がモノを言うこの世界で、前に進み続けることがどれだけ大変か。

茨の道を進む列車のレールを降りた。
次の列車に飛び乗るか、自分で歩いてゴールを目指すか。
もう何度も列車を見送った。でも自分の足で歩くのは怖い。
綱渡りだといって、道路の白線の上を歩いていた頃が懐かしい。

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横顔・夏

横顔・夏

家の近くに大きな川がある。水の上では光が跳ね、風が草花を優しくなでる。芝の上に寝転ぶと、優しい空気が二人を包む。わたしの手をあなたの手に優しく重ね、横顔にやわらかくキスをする。そんな二人の世界を上から太陽が覗き見て、顔を赤らめている。

夜には川へと向かう人の川ができる。うちわ片手に、カランコロンと下駄が笑う。流れの中ではぐれないように、ぎゅっと君の手を握る。まもなく打ち上がる花火は君に嫉妬するだ

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価値

価値

何もしないよりはいい。そう思って東京行きを決めたけれど、何をしに東京に行くのだろう。東京に何を求めているのだろう。場所が変われば何かが変わると信じている僕は結局、また自分ではない何かに自分を委ねている。会いたいよ。みんなに。どうしようもなく会いたい。でもいざ会うと、きっと僕は悲しくなる。何も持っていないことだけはわかるから。自分を変えたい。僕と出会ってくれてありがとう、僕はこんな人間なんだと、胸を

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骨壷

骨壷

その目には何も映らない。覗き込んでも、僕を見てくれない。なぜなら、僕よりずっと向こうを見つめている。僕の向こう、天井、いや、その目線は空まで突き抜けて、星の向こうまで。おかしいと思う。本人だけが上を向いて、周りは下を向くなんて。上を向くべきは僕らの方だ。顔を見せてあげなきゃ。道中、振り返った時、うつむく僕らの頭しか見えないなんてあんまりじゃないか。残ったものをかき集めても、あの人はもうそこにはいな

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