コット

人との繋がり、学びと、言葉を糧に生きています。イギリス在住。書くのも描くのも好きです。

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マガジン

  • ハトとねこ

    ロンドンへ移住した普通のわたしの日々を綴っています。

  • サントリーニ島の冒険

    長年憧れたサントリーニ島での一人旅について綴った日記です。

  • The Kindness of Strangers

    見知らぬ人の親切を綴ります。

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22時のスクリブル

art by cot

    • 拝啓 金子みすゞ様

      突然のお手紙で失礼致します。 子どもの頃に、みすゞさんの文章を教科書で拝読しましてから、ずっと心に残ってている者です。 この度、みすゞさんの故郷であります仙崎を訪れることができまして、この気持ちを文章にしたためたいと思い、筆をとる次第です。 11月とはいえ、夏の気配をほのかにまとった仙崎の最初の印象は、とても静かで穏やかなものでした。 長門駅に到着した時から、みすゞ通りと名前のついたまっすぐで平らな道を歩く時まで、みすゞさんの詩をたくさんお見かけしました。 みすゞさ

      • クモ哲学

         ハロウィンのこの時期、ロンドンの住宅街を歩いていると毎年どうしても目がいき、うーむと唸ってしまうもの。  それは、素敵な家々のフロントドアや壁に張り巡らされた、デコレーション用のクモの巣や、黒い大きなクモのオブジェクトである。  なぜ気になってしまうのか。それはうちには自然にできていくクモの巣がたくさんある一方で、手をかけて敢えてクモの巣を飾っている家々との差を感じずにはいられないからかもしれない。  では需要と供給のバランスに従って、うちのクモの巣を売れないだろうか

        • あなたが悲しいのなら

          スクリーンを眺めるあなたは泣いていました 花である私は、花瓶からあなたを見ていました 何もできないですが 悲しむあなたを見て、一緒に泣きたい気分になりました 体中から水が失われていくようでした あなたは予想外の涙にとらわれたようでした 優しい表情の奥底に 誰にも気づかれぬよう しまっていたのに 意図せずに指が触れて 蓋が開いてしまったかのように あなたの涙はとまらないようでした あなたがずっと堪えていたことを 私は余計に悲しく思いました 冷静な月が

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          韻を踏みたいお年頃

          ないものはない 動けない どこもいけない 停滞した池みたい 何も生まれてこないなら 一部になってしまいたいよ蜃気楼 あるような ないような 光の角度で変わる 気持ちの温度差 どれが本当? 問い続けて 曲がり曲がって よくわからなくなって もはや無表情 夏の絶頂 きれいに咲き誇るひまわりよりも 萎れたひまわりの方が私にはあっている そんな心情 なにもない、上等 短くても投稿 今時動かないと 何も生まれない わかってるような わかってないような 夏の彷徨

          韻を踏みたいお年頃

          ep15 海に浮かぶ温泉 | サントリーニ島の冒険

          ご注意:途中、海で波にのまれそうになる場面が含まれます。  今日は少しゆったりめの8時すぎにベッドから起き上がる。陽はもう昇っていて外は明るい。昨日見つけたベーカリーへ、朝ごはんのパンを買いに行く。男性陣がカウンターで注文をとっている。この島は男性陣がよくお店に立っていて、このパン屋もそうだ。ヨーロッパに来てから、職業のこれまでの男女わけみたいなものを少しずつ崩してもらっていて気持ちがいい。たくさんのパンの種類があって迷うものの、甘いパンを欲していた。デニッシュ生地にチョコ

          ep15 海に浮かぶ温泉 | サントリーニ島の冒険

          ピクニックと、お絵描きと、ラムレーズンと

           夏はどうも時間が過ぎるのが早いようだ。自然と外に足が向くからだろうか。  ロンドンは、晴れが続く珍しい週末。色々掃除したり干したり、汗を流したあとは、ピクニックでただのんびりすることにした。  大きな雲がそのままドスンと落ちてきそうな、夏のダイナミックな空。    芝生の上にダイレクトに寝転がって戯れる子どもたち。  そういえば最近、道ゆく先で子どものお絵描きをよく見かける。自分も昔、かけ石を集めては、道路に夢中で白い線を引いて自由に絵を描いていたことを思い出す。

          ピクニックと、お絵描きと、ラムレーズンと

          週末のたのしみ

          できるだけ週末の予定はいれない。 というのが敢えていえば私の”週末の予定”だ。 明日何しようかなって、思いをめぐらす金曜の夜。 今日どうしようかなって、自由に考える土曜の朝の布団の中。 そんな時間が嬉しい。 そしてなんだかんだ、何を食べようかな、に行きつく。 久しぶりに実家でご飯を食べたり、友人の家でご飯をごちそうになったりすると、一食の満足感でどこまでも幸せになれるものだと驚く。 そんな経験から、自分の家でも食事をもう少し大切にしたい、と思うようになった。

          週末のたのしみ

          タワーブリッジ - ロンドン探訪

           ここは「ロンドンブリッジ、じゃない方」とよく言ってしまう場所。そう、その名はタワーブリッジ。1894年の建設。二つの塔がそびえ立ち、テムズ川の上を行きかう者たちを見守っている。  以前、旅先で出会った友人が送ってくださったポストカードに、山下清さんの貼絵でタワーブリッジを描いたものがあり、とても素敵でずっと家の冷蔵庫に扉に飾っている。  外から見たことはあったのだが、塔にのぼって中を見学するのは初めて。42メートルの高さに設けられた、ガラス張りの床から真下の景色を眺めら

          タワーブリッジ - ロンドン探訪

          ep14. 10ユーロもって、ワイン飲みにいく | サントリーニ島の冒険

           帰りのバス停には、一組のカップルのみが待っていた。ミュージーアムはすでに閉まっており、昼間は賑わっていたこのエリアも閑散としていた。足の裏に海からのいろんなものがくっついていたので、きれいにしながらバスを待つ。時々団体ツアーのバスが到着して、乗客を降ろしていく。この時間にレッドビーチを一目見ていくのだろうか。そうしてついに「ローカルバス」の貼り紙をフロントガラスにかかげたバスが近づいてきた。そして最初にバスから降りてきたのは、これまで何度かローカルバスの旅を共にした、運賃回

          ep14. 10ユーロもって、ワイン飲みにいく | サントリーニ島の冒険

          私のスリ対策 | 海外旅行

           海外旅行を無事に楽しめるよう、これまでの一人旅などの経験をもとに、私なりのスリ対策をシェアしてみたいと思いました。  ちなみに現在はロンドン在住で、これまではヨーロッパ旅行が中心です。また、荷物の軽量化も好きなので、軽いアイテムの紹介もちょこっとしています。  色々と書いておりますが、不必要に心配させたくはなく、今後の旅のために、この中から一つ、二つでも何か役立つと嬉しいなと思って書いています。また、女性の一人旅という観点でも参考になる部分があれば幸いです。 アイテム

          私のスリ対策 | 海外旅行

          数学が苦手な人のパンづくり

          最初から間違ってしまった。 ちゃんとクッキングスケールを出してきたところまでは良かったが、グラムとミリリットルの数量換算を考えずに、単純にグラム=ミリリットルとして、牛乳+水を計ってしまった。 そう、私はパンをつくろうとしている。 しかし、材料を混ぜ始めてまだ数分のその瞬間、もうダメかもしれないとも思っている。 生地がべちゃべちゃで、触っているだけで楽しいはずのパンづくりが、不安が募る物体を触っている感覚である。明らかに水分が多すぎる。 このパンづくりの早すぎるミス

          数学が苦手な人のパンづくり

          ep.13 初めて海を泳ぐ | サントリーニ島の冒険

           バスの中、隣に座ったご夫婦はおしゃべり好きで、運賃を集めるお兄さんにお金よりもジョークを出しているかのようだった。その内ドライバーにも目をつけて「ハンサムじゃない」と彼をも巻き込み始めた。確かにフロントミラーに映るその顔は、キリッとしていて何かの広告に出ていそうである。そんなことを全く気にも留めないドライバーの彼は、とてもエキゾチックなラテンっぽいノリの音楽を大音量でかけている。そう、先日から気づいていたが、サントリーニのローカルバスドライバー達は音楽をガンガンかけて運転す

          ep.13 初めて海を泳ぐ | サントリーニ島の冒険

          あなたもパンオショコラ食べたカッタ

          フランスから帰ってきて、パンのレベルが上がってしまった。 美味しいパンを毎日のようにいただいていたフランス滞在。 普段の生活に戻った今も、パン・オ・ショコラのことが頭から離れません。 Emily in Parisのエピソード1で、随分美味しそうにパン・オ・ショコラを食べるもんだから、忘れようとしていたその熱がぶり返してしまった。 夕焼けに染まり始めた空のした、パン・オ・ショコラを求めてスーパーへとくりだす。 一つ目のスーパーは、なんだか美味しくなさそう。 二つ目のスー

          あなたもパンオショコラ食べたカッタ

          蛍光灯を見るしかなくて

          なんでもない普通の一日になる予定だった でも気になってた写真展 明日で終わっちゃうからって、とりあえず向かった しばらく読んでなかった本を持って いつもより早足で歩いた 曇ってる、風のない日 写真展と本と 別に意図してなかった二つが 偶然合わさって 心を覆いつくす波になった 深い青か、もう黒に近いような 波の中 無防備で入ってしまったら めくりすぎちゃった蓋から出るみたいに 感情が溢れ出て そうなったら止める術もなく そのままその波に流されてい

          蛍光灯を見るしかなくて

          フランス旅行の準備

          そろそろフランス旅行が近づいてきて、フライトに荷物を追加するか決めなきゃいけないけど、なかなか重い腰が上がらない。 ロンドン出発の数日間の旅行。 noteに書きながら準備するのは楽しそうかと思って、やってみよう。 金曜日だし、旅だし、宇多田さんのTravelingを聴こう(Yay)! フライトに持ち込める荷物のサイズは、 max. 45 x 36 x 20 cm <持ち物リスト(入るかな?)> パジャマ 着替え 水着 ビーチサンダル 小さいタオル タコ(凧揚げフェス

          フランス旅行の準備