エッセイ | 試験と評価
入学試験の場合、各教科の合計点の、より高い者から合格者が決まっていく。
国語・数学・英語の3教科の試験の場合、それぞれの科目の合計点が高ければ高いほどよい。
そんなことは当たり前ではないか、と言われるかもしれないが、それほど当たり前ではない。
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まず、話を単純化してみる。
国語と数学の2科目の試験をおこなう。国語も数学も、それぞれ100点満点の試験とする。
Aさんは、国語が80点、数学が60点だとする。合計点は140点。
Bさんは、国語が70点、数学も70点だとする。合計点は140点。
AさんもBさんも合計点は同じである。
二人が受けた学校が、「個性的な人物」に入学してもらいたいと考えるならば、どちらの生徒を合格させるだろうか?
座標を使って考えてみよう!
Aさんの場合
Bさんの場合
点数が同じでも、Aさんのほうが個性があると言える。
[2]
次に、少し話を複雑にして、国語・数学・英語の三教科の試験をおこなう。
Cさんが、国語50点、数学50点、英語50点だとする。合計点は150点。
Dさんが、国語100点、数学0点、英語0点だとする。合計点は100点。
先ほどと同じように、それぞれの科目の得点を2乗して、平方根を求めると、
Cさんの値は50√3 →およそ87
Dさんの値は100
となる。
CさんとDさんとでは、Cさんのほうが50点高いにもかかわらず、Dさんのほうが高い値となる。
一芸に秀でた者を合格させたいならば、総合点の高いCさんではなく、Dさんを選ぶことになる(かもしれない)。
今回の考え方は、「ベクトルの大きさ」をもとに考察してみた。
国語・社会・数学・理科・英語の五科目にしても、話の本質は変わらない。
まとめ
ベクトルの考え方によると、必ずしも「合計点」か高い者が有利だとは言えない。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします