Phidias Trio

フィディアス・トリオです。松岡麻衣子(ヴァイオリン)、岩瀬龍太(クラリネット)、川村恵…

Phidias Trio

フィディアス・トリオです。松岡麻衣子(ヴァイオリン)、岩瀬龍太(クラリネット)、川村恵里佳(ピアノ)の3人で、現代音楽を中心に活動中。

最近の記事

【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 渡辺裕紀子 «Memory and Stain» (2019)

2024年7月6日にPhidias Trioの定期公演「Live on…Ⅱ」が行われます。 今回は、田中吉史、神本真理、山本哲也、松尾祐孝、木下正道、渡辺裕紀子各氏の作品を演奏します! 公演に向けて演奏作品について紹介をさせていただきます。今回は、渡辺裕紀子さんの作品『Memory and Stain for living room with small piano (2019)』です。 作曲家自身による作品解説を引用します。 この作品には、パターンAとパターンBの2つの

    • 【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 松尾祐孝 «The Stratosphere» (1985)

      2024年7月6日にPhidias Trioの定期公演「Live on…Ⅱ」が行われます。 今回は、田中吉史、神本真理、山本哲也、松尾祐孝、木下正道、渡辺裕紀子各氏の作品を演奏します! 公演に向けて演奏作品について紹介をさせていただきます。 作曲家による作品解説を引用します。 ピアノの激しい動機の中から現れるクラリネットの弱音、それをヴァイオリンが受け継ぎ、3人が交互に語り合うように音楽が進んでいきます。3者の一体感はクライマックスに向けて増していゆき、そして最後は繊細な

      • 【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 木下正道 «炎は炎の中に消える、そして時間は時間の中に VI» (2021)

        2024年7月6日にPhidias Trioの定期公演「Live on…Ⅱ」が行われます。 今回は、田中吉史、神本真理、山本哲也、松尾祐孝、木下正道、渡辺裕紀子各氏の作品を演奏します! 公演に向けて演奏作品について紹介をさせていただきます。今回は木下正道さんの作品 «炎は炎の中に消える、そして時間は時間の中に VI» についてです。 作曲家自身による作品解説を引用します。 この作品を委嘱する前から、木下正道さんの曲は、Phidiasの各メンバーがさまざまな折に演奏させて

        • 【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 神本真理 «記憶のコラージュ» (2002/2024 revised)

          2024年7月6日にPhidias Trioの定期公演「Live on…Ⅱ」が行われます。 今回は、田中吉史、神本真理、山本哲也、松尾祐孝、木下正道、渡辺裕紀子各氏の作品を演奏します。 公演に向けて、神本真理さんの《記憶のコラージュ》(2002/2024 revised)を紹介します。作曲家による作品解説を引用します。 《記憶のコラージュ》は、神本さんがパリ留学前に書かれた作品で、〈無意識の思考体験〉から着想を得ています。初演後、再演を経て、今回の2024年版として改訂さ

        【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 渡辺裕紀子 «Memory and Stain» (2019)

        • 【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 松尾祐孝 «The Stratosphere» (1985)

        • 【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 木下正道 «炎は炎の中に消える、そして時間は時間の中に VI» (2021)

        • 【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 神本真理 «記憶のコラージュ» (2002/2024 revised)

          【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 山本哲也 «Psychedelic Study» for clarinet solo (2011)

          2024年7月6日にPhidias Trioの定期公演「Live on…Ⅱ」が行われます。 今回は、田中吉史、神本真理、山本哲也、松尾祐孝、木下正道、渡辺裕紀子各氏の作品を演奏します! 公演に向けて演奏作品について紹介をさせていただきます。 作曲家自身による作品解説を引用します。 ベルギーから帰国したばかりの山本さんは、僕と同じベルギーのモンス王立音楽院で学んだご縁もあってか、すぐにお話するようになりました。 サイケデリック・スタディは6分弱の曲です。かなりリズムが細かく

          【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 山本哲也 «Psychedelic Study» for clarinet solo (2011)

          【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 田中吉史 «bogenspiel Ⅰ » for violin solo(2003)

          2024年7月6日にPhidias Trioの定期公演「Live on…Ⅱ」が行われます。 今回は、田中吉史、神本真理、山本哲也、松尾祐孝、木下正道、渡辺裕紀子各氏の作品を演奏します! 公演に向けて、演奏作品の紹介をさせていただきます。作曲家自身による作品解説を引用します。  田中吉史さんと初めてお会いしたのは2013年、ドイツから帰国早々に参加した山口県の「秋吉台の夏」現代音楽セミナー&フェスティバルでした。以前、田中さんが指揮講座(講師は杉山洋一氏)用に書かれた短いア

          【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 田中吉史 «bogenspiel Ⅰ » for violin solo(2003)

          【2024.4.24】CD発売記念公演『Works for Violin, Clarinet & Piano』 プログラムノート②

          Phidias Trioは、この度レーベル「蛍光資料」より、『Works for Violin, Clarinet & Piano - Francesconi, Watanabe, Manoury, Hong』をリリースいたします。 4月24日に開催する発売記念公演では、収録曲全ての演奏に加えて、CDの制作秘話を語ります。また、会場ではCDの先行販売も行います。 ぜひご来場ください! 開催に先立ち、プログラムノート(楽曲解説)を2回に分けて掲載します。 今回はフィリップ・マ

          【2024.4.24】CD発売記念公演『Works for Violin, Clarinet & Piano』 プログラムノート②

          【2024.4.24】CD発売記念公演『Works for Violin, Clarinet & Piano』 プログラムノート①

          2017年に結成されたPhidias Trioは、ヴァイオリン、クラリネット、ピアノという編成で、優れた現代音楽作品を紹介してきました。 この度レーベル「蛍光資料」より、『Works for Violin, Clarinet & Piano - Francesconi, Watanabe, Manoury, Hong』をリリースいたします。 4月24日に開催する発売記念公演では、収録曲全ての演奏に加えて、CDの制作秘話を語ります。また、会場ではCDの先行販売も行います。 ぜひ

          【2024.4.24】CD発売記念公演『Works for Violin, Clarinet & Piano』 プログラムノート①

          【Tracing the Veins】 曲目紹介⑤ 田中慎太郎《永遠と一日》《夢を花筏に乗せて》

          『"Tracing the Veins" 田中慎太郎 with Phidias Trio』の公演、いよいよです!12月9日15:00、幡ヶ谷KMアートホールにてお待ちしております。 田中慎太郎さんの作品、「永遠と一日」シリーズと「夢を花筏に乗せて」について、田中さんご自身によるプログラムノートです。 田中さんの紡ぐ音と世界、ぜひ会場でお楽しみいただけましたら幸いです。 公演詳細 Tracing the Veins 田中慎太郎 with Phidias Trio 日時

          【Tracing the Veins】 曲目紹介⑤ 田中慎太郎《永遠と一日》《夢を花筏に乗せて》

          【Tracing the Veins】 曲目紹介④ ギヤ・カンチェリ 《18のMiniatures》

          いよいよ『"Tracing the Veins" 田中慎太郎 with Phidias Trio』の公演も、今週末に迫りました!12月9日はぜひ幡ヶ谷KMアートホールへお越しください! https://tracing-the-veins.peatix.com/ 今回は、ギヤ・カンチェリの《18のMiniatures》をご紹介します。 ギヤ・カンチェリ(1935ー2019)は、ジョージア出身の作曲家です。多くの旧ソ連圏の仲間たちと同様に、その音楽が西側で注目されるようにな

          【Tracing the Veins】 曲目紹介④ ギヤ・カンチェリ 《18のMiniatures》

          【Tracing the Veins】 曲目紹介③ ハウ・ワトキンス 《Dream》

          『"Tracing the Veins" 田中慎太郎 with Phidias Trio』の公演まで、あと少しとなりました。12月9日はぜひ幡ヶ谷KMアートホールへお越しください! 演奏曲目の一つ、ハウ・ワトキンスのトリオ作品《Dream》をご紹介します。 ハウ・ワトキンスは1976年ウェールズ生まれの作曲家・ピアニストです。ロンドン交響楽団をはじめとした著名な楽団や、指揮者、ソリストによって作品が初演されており、また、英国王立音楽院にて教鞭をとっています。ピアニストとし

          【Tracing the Veins】 曲目紹介③ ハウ・ワトキンス 《Dream》

          【Tracing the Veins】 曲目紹介② 橋本信 《Late Autumn》

          今回の公演では作曲家の橋本信さんの新作"Late Autumn"を初演いたします。 橋本さんの曲を初めて演奏させて頂いた時に、コンテンポラリーを演奏しているのにジャズのバラードを聴いているような不思議な感覚になったのを覚えております。演奏しながら心に聴こえてくるとでもいうのでしょうか、中々言葉にするのは難しいですが、むしろそこが橋本作品の魅力なのだと思います。橋本さんは以前、あまり曲について話すことは避けたいとお話しされておりました。聴こえてくる音に耳を傾けてみるといろいろな

          【Tracing the Veins】 曲目紹介② 橋本信 《Late Autumn》

          【"Tracing the Veins"】 曲目紹介① 田中慎太郎《水理を辿って》

          2023年12月9日に作曲家の田中慎太郎さんとのコラボ企画の第2弾を企画しましした。前回の一回目公演から一年が経ちましたが、彼の音楽はさらに魅力を増し、その意志の強さにハッとさせられます。今回は曲集”永遠と一日”から数曲(前回の公演とは違う曲)、改作、新作を紹介させていただきます。そして、橋本信さんの新作とハウ・ワトキンス、ギヤ・カンチェリの音楽を併せて演奏させていただきます。どの曲も魅力的で、公演後に色々な夢に入りこんだ感覚になってくださると思います。 チケットお申し込み

          【"Tracing the Veins"】 曲目紹介① 田中慎太郎《水理を辿って》

          【Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”】稲森安太己《Illusion einer einsamen Reise im Winter 1827》プログラムノート

          Phidias Trio 9回目の定期公演、”Re-interpret”がいよいよ間近に迫ってきました。9/13はぜひ杉並公会堂へ! F.シューベルト《冬の旅》に基づく稲森安太己さんの新作、《Illusion einer einsamen Reise im Winter 1827》(1827年、孤独な旅の幻影)について、稲森さんご自身によるプログラムノートを掲載します。 公演情報 【Phidias Trio vol.9 "Re-interpret"】 2023年9月1

          【Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”】稲森安太己《Illusion einer einsamen Reise im Winter 1827》プログラムノート

          【Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”】稲森安太己さんインタビュー(3)

          2023年9月13日、杉並公会堂小ホールにて開催する【Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”】に向けて、委嘱作曲家の稲森安太己さんにインタビューを行いました。今回の新作、《Illusion einer einsamen Reise im Winter 1827》についてのお話の続きです。 終わりのない旅—稲森さんは、私達の演奏や人柄をよくご存知なので、ある程度(最終的に)どういう形になるかを想定できると思うんです。それに加えて、なにか、その想定を

          【Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”】稲森安太己さんインタビュー(3)

          【Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”】稲森安太己さんインタビュー(2)

          2023年9月13日、杉並公会堂小ホールにて開催する【Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”】に向けて、委嘱作曲家の稲森安太己さんにインタビューを行いました。今回の新作、《Illusion einer einsamen Reise im Winter 1827》についてのお話の続きです。 シューベルトとミュラー / ロマン派の音楽と自分—24曲の曲順についてなのですが、今回の作品はシューベルトの原曲通りの順番ではなく、ミュラーの元の詩と同じ順番と

          【Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”】稲森安太己さんインタビュー(2)