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【Phidias Trio vol.10 “Live on... Ⅱ”】作品紹介: 山本哲也 «Psychedelic Study» for clarinet solo (2011)

2024年7月6日にPhidias Trioの定期公演「Live on…Ⅱ」が行われます。
今回は、田中吉史、神本真理、山本哲也、松尾祐孝、木下正道、渡辺裕紀子各氏の作品を演奏します!

公演に向けて演奏作品について紹介をさせていただきます。
作曲家自身による作品解説を引用します。

サイケデリック・スタディ (2011) for solo clarinet

「スタディ」はクラリネットの性能と、楽曲のフォームやプロセスに着目したシリーズで、これまでに『ユニバーサル・スタディ』(六重奏/2010)、『ホリゾンタル・スタディ』(四重奏/2013)といったタイトルで、5分程度の短めの曲を書いてきました。本作は同時期に書いた『スライドホイッスル三重奏曲』と同様に、主にバロック時代の器楽曲に見られるリトルネッロ形式から着想を得ています。リトルネッロ形式が主題とソロとの交代と対比で曲が進んでいくように、まずメインテーマが奏され、次に性格的なパッセージが登場し、その性格的なパッセージとメインテーマを掛け合わせたものに移行し、また新しい性格的なパッセージが現れ…というように進んでいきます。演奏時間は約5分半。

(山本哲也)

ベルギーから帰国したばかりの山本さんは、僕と同じベルギーのモンス王立音楽院で学んだご縁もあってか、すぐにお話するようになりました。
サイケデリック・スタディは6分弱の曲です。かなりリズムが細かく書かれており、その変化をカウントしながら演奏しなくてはいけませんが、聞き手には
その緻密さは感じさせず、もっと大きなリズムとして聞き取れると思います。
永遠と続いていきそうなこの曲はどこか遠くへ離れていきます。(岩瀬龍太)

山本哲也 プロフィール
1989年長野県生まれ。国立音楽大学大学院作曲専攻、フランス国立リヨン高等音楽院作曲科、ベルギー王立モンス音楽院指揮科修士課程を修了。これまでに久石譲主催「Music Future Vol.9」第4回Young Composer's Competition優勝(2022)、第14回オルレアン国際ピアノコンクール作曲部門A.シュヴィロン=Y.ボノー作曲賞(2020)、イル=ド=フランス国立管弦楽団主催の作曲コンクール「Île de créations 2018」優勝、第6回A.ドヴォルザーク国際作曲コンクール第1位および特別賞(2015)、日本現代音楽協会第27回現音作曲新人賞(2010)など受賞・入選多数。約10年に渡るフランスとベルギーでの生活を経て、2023年秋より拠点を日本に移す。日仏現代音楽協会会員、国立音楽大学非常勤講師。

公演詳細

phidias-vol10.peatix.com

【Phidias Trio vol.10 “Live on… II”】

2024年7月6日(土)
15:00開演(14:30開場)
KMアートホール (渋谷区幡ヶ谷1-23-20 京王新線幡ヶ谷駅より徒歩6分)
一般3,000円 / 学生2,000円(当日券500円増)

プログラム
田中吉史 : bogenspiel Ⅰ for violin solo(2003)
神本真理 : 記憶のコラージュ (2002/2024 revised)
山本哲也: Psychedelic Study for clarinet solo (2011)
松尾祐孝 : The Stratosphere (1985)
木下正道 : 炎は炎の中に消える、そして時間は時間の中に VI (2021)
渡辺裕紀子 : Memory and Stain (2019)


フィディアス・トリオ10回目の定期公演となる今回は、〈vol.7 “Live on…”〉に続き、現代を生きる日本人の作曲家たちを特集する。
田中吉史、神本真理、山本哲也、松尾祐孝、木下正道、渡辺裕紀子 — 彼ら6人の作品は、もはや一括りに形容できないほどに、多彩な個性や価値観を感じさせる。この多様性をもたらしているのは、何よりも、徹底した独自の思索と、妥協なき創作姿勢である。
今を生きる音、これからも生き続ける音。それをひたすらに追い求める作曲家たちの軌跡を追う。


出演
Phidias Trio (フィディアス・トリオ)
ヴァイオリン・ヴィオラ 松岡麻衣子
クラリネット 岩瀬龍太
ピアノ 川村恵里佳

2017年に結成。これまでの主催公演では、現代の優れたクラリネット三重奏の作品を取り上げるとともに、 オーストリア、アルゼンチン、ブラジル、チリ、トルコ、韓国、日本の若手作曲家の新作を初演し、 好評を博す。また、ハニャン現代音楽祭(韓国・ソウル)や、日本作曲家協議会主催「日本の作曲 家2021」等、数々のプロジェクトに招聘されている。2021年12月に出演した日本現代音楽協会 主催「ペガサス・コンサート vol.3」の公演の模様は、NHK-FM「現代の音楽」にて、2週に渡って放送された。読売新聞に掲載の「評論家4氏が選ぶ今年の公演ベスト3」にて、2023年の主催公演「Phidias Trio vol.9 “Re-interpret”」が選出される。

https://phidias-trio.com


お問合せ
phidias.trio@gmail.com

主催:Phidias Trio



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