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旅先で出会う美味しいもの:Jurançonワインに魅了されて

旅をしていると、「Dégustation (試飲)や(試食)」という看板を見かけることがある。

そんなとき、「ちょっと味見だけ……」と思いながらも、気がつけば両手いっぱいのワインを抱えている。

旅好きなら、一度や二度、いや、何度でも経験しているはず。


ピレネー山脈のふもとで

今回、そんな誘惑に負けたのは、ピレネー国立公園の近く、スペイン国境にほど近いEAUX-BONNESへ向かう途中のこと。

目的地はスキーリゾートのBelambra Clubだったが、その道すがら「Vignoble du Jurançon」というお店にふと立ち寄った。

この地域はフランス南西部のワイン産地として知られ、特にJurançon(ジュランソン)という白ワインが有名。

甘口のJurançon Moelleux(ジュランソン・モワルー)は、フルーティーで芳醇な味わいが魅力的で、食前酒やデザートワインとして親しまれている。

一方、辛口のJurançon Sec(ジュランソン・セック)は、キリッとした酸味が心地よく、魚料理やチーズとの相性が抜群。

どちらも、ピレネー山脈の冷涼な気候と豊かな日照に恵まれたブドウ畑が生み出す、特別な一杯だ。

試飲のつもりが、つい……

「少しだけ試してみよう」と思って飲んでみると、これがもう、想像以上に美味しい。

フルーティーで複雑な香り、口の中に広がる芳醇な甘みと爽やかな酸味のバランス……。

一口飲んだだけで「これはもう買うしかない」と確信。

気がつけば、しっかり数本を手にしていた。

スキーリゾートでワイン三昧

スキーリゾートのBelambra Clubに到着すると、カフェテリアの中心にワインコーナーが設置されていた。

大きなタンクが並び、蛇口のようなディスペンサーがついていて、赤・白・ロゼのワインが自由に注げるスタイル。

その上にはずらりと並ぶカラフ。

まるでフレッシュジュースを汲むかのように、自分で好きなだけピッチャーに注ぎ、テーブルへ運ぶ仕組みだ。

なんともフランスらしいなぁ、と思いながらも、さっそくワインを汲んで乾杯。

もちろん、部屋では持参したJurançonを楽しみ、夜はさらにワイン尽くしとなった。

夕食時の出会い

夕食のとき、たまたま隣に座った老夫婦に「どこから来たの?」と声をかけられた。

そこから何気なくワインの話になり、「Jurançon Cave de Ganには行ったことがある?」と聞かれる。

観光地としても有名で、美味しいワインが揃っているらしい。

「それなら、行くしかない!」と、帰り道に寄ることに決定。

ワインの誘惑は続く

Jurançon Cave de Ganでは、あいにく時間の都合で見学は叶わなかったものの、立ち寄っただけでも十分価値があった。

試飲で口にしたワインの数々は、どれも魅力的な味わい。

どれも魅力的な味わいで、気がつけば……なんと12本を購入!

スキー旅行のはずが、帰りのトランクにはスキーギアと一緒にワインもずっしりと。

旅の思い出とともに

フランスの旅は、美食の誘惑が尽きない。

特にワインの試飲は、「一口だけなら」のつもりでも、ただの味見で終わることはほとんどない。

いつの間にか、また手が伸びてしまうのだ。

帰宅後、ノルマンディーの自宅でJurançonを開けると、旅の思い出が鮮やかに蘇った。

グラスを傾けながら、ピレネーの美しい景色やスキーリゾートでの楽しい時間を思い出す。

そしてふと、「次の旅でも、きっと『Dégustation』の看板に引き寄せられるんだろうなぁ」と思うのだった。

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