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旅先で出会う美味しいもの:Jurançonワインに魅了されて
旅をしていると、「Dégustation (試飲)や(試食)」という看板を見かけることがある。
そんなとき、「ちょっと味見だけ……」と思いながらも、気がつけば両手いっぱいのワインを抱えている。
旅好きなら、一度や二度、いや、何度でも経験しているはず。
ピレネー山脈のふもとで
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今回、そんな誘惑に負けたのは、ピレネー国立公園の近く、スペイン国境にほど近いEAUX-BONNESへ向かう途中のこと。
目的地はスキーリゾートのBelambra Clubだったが、その道すがら「Vignoble du Jurançon」というお店にふと立ち寄った。
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見るだけ、試飲だけって思って入ってはいけない場所
— プチドラ@フランスでこころ豊かな生活を満喫中 (@Petite_Dra) April 28, 2024
絶対買ってしまう😅 pic.twitter.com/pvNPk7nios
この地域はフランス南西部のワイン産地として知られ、特にJurançon(ジュランソン)という白ワインが有名。
甘口のJurançon Moelleux(ジュランソン・モワルー)は、フルーティーで芳醇な味わいが魅力的で、食前酒やデザートワインとして親しまれている。
一方、辛口のJurançon Sec(ジュランソン・セック)は、キリッとした酸味が心地よく、魚料理やチーズとの相性が抜群。
どちらも、ピレネー山脈の冷涼な気候と豊かな日照に恵まれたブドウ畑が生み出す、特別な一杯だ。
試飲のつもりが、つい……
「少しだけ試してみよう」と思って飲んでみると、これがもう、想像以上に美味しい。
フルーティーで複雑な香り、口の中に広がる芳醇な甘みと爽やかな酸味のバランス……。
一口飲んだだけで「これはもう買うしかない」と確信。
気がつけば、しっかり数本を手にしていた。
スキーリゾートでワイン三昧
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スキーリゾートのBelambra Clubに到着すると、カフェテリアの中心にワインコーナーが設置されていた。
大きなタンクが並び、蛇口のようなディスペンサーがついていて、赤・白・ロゼのワインが自由に注げるスタイル。
その上にはずらりと並ぶカラフ。
まるでフレッシュジュースを汲むかのように、自分で好きなだけピッチャーに注ぎ、テーブルへ運ぶ仕組みだ。
なんともフランスらしいなぁ、と思いながらも、さっそくワインを汲んで乾杯。
もちろん、部屋では持参したJurançonを楽しみ、夜はさらにワイン尽くしとなった。
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夕食時の出会い
夕食のとき、たまたま隣に座った老夫婦に「どこから来たの?」と声をかけられた。
そこから何気なくワインの話になり、「Jurançon Cave de Ganには行ったことがある?」と聞かれる。
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観光地としても有名で、美味しいワインが揃っているらしい。
「それなら、行くしかない!」と、帰り道に寄ることに決定。
ワインの誘惑は続く
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Jurançon Cave de Ganでは、あいにく時間の都合で見学は叶わなかったものの、立ち寄っただけでも十分価値があった。
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試飲で口にしたワインの数々は、どれも魅力的な味わい。
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どれも魅力的な味わいで、気がつけば……なんと12本を購入!
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スキー旅行のはずが、帰りのトランクにはスキーギアと一緒にワインもずっしりと。
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旅の思い出とともに
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フランスの旅は、美食の誘惑が尽きない。
特にワインの試飲は、「一口だけなら」のつもりでも、ただの味見で終わることはほとんどない。
いつの間にか、また手が伸びてしまうのだ。
帰宅後、ノルマンディーの自宅でJurançonを開けると、旅の思い出が鮮やかに蘇った。
グラスを傾けながら、ピレネーの美しい景色やスキーリゾートでの楽しい時間を思い出す。
そしてふと、「次の旅でも、きっと『Dégustation』の看板に引き寄せられるんだろうなぁ」と思うのだった。