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娘がついに旅立ってしまった。 バレエ留学のために、15歳でたった一人で。 経由地のスイス・チューリッヒ空港からLINEが届いた。 どうやら心配していた乗り継ぎも無事にこなせたようだ。 だがしかし――。 「英語が全然通じない!何を言ってるのかもわからない!」 いくらドイツ語圏といっても、空港では英語が普通に通じるはず。 娘の「全然わからない」という言葉に驚き、さらにショックを受ける。 「ウォーターですら伝わらなかった!」 これには本人もかなり打ちのめされた様子だった
ムスメが4歳の頃、ちょうどテレビで浅田真央ちゃんの試合がよく流れていた。確かバンクーバーオリンピックの時期で、夢中になって応援していた。 その流れで、ムスメがこう言い出したのも自然なことだと思う。 「私もスケートやりたい!」 やりたいと思ったことは、フットワーク軽くとりあえず実行してみる。 そういう人になってほしいと思っていたので、まず自分がそうする姿を見せねばと思っていた。 だから、自分の子が何かに興味を持ったら、 「いいね、やってみよう」 と、まずは否定せず共感して
月謝6,500円、スポーツクラブのバレエクラスでバレエを始めた娘。 なんと、「体験レッスンなんてしない、今すぐちゃんと入りたい!」と強く主張する4歳児。 迷いのないこの即決力には笑うしかない。 私はバレエ経験者ではないけれど、スポーツは色々とやってきたので、バレエが他のスポーツの基礎力になることは理解していた。バレエを経験しておくのは習い事としてはいいかなとは思っていた。 いずれ別のスポーツに興味が移ったとしても、バレエで得られる体幹や柔軟性はきっとその時に役に立つはずだ。
娘、バレエにハマる。 「毎日通いたい!」と、すぐに言い出した。 これが沼落ちかぁ。 とりあえず、子供がやりたいと思ったら、まずは否定せずに実行のために動いてから考えよう、フットワークは軽く! と、育児する上で心がけていたので、早速レッスン回数を増やした。 習い始めた翌月には週2回のレッスンへ。 スポーツクラブには週2回しかバレエクラスがないので、ひとまずそれで半年ほど続けることにした。 ところがさらに、先生が別のスタジオでも週1回クラスを開いていると知り、そちらにも通い始
クラスでは一番下の年齢だったけど、1歳年上の子たちと仲良くなった。 みんなに追いつくために、その日のレッスンを家でもおさらい、そして次のレッスン前にもう1回おさらいしてからレッスンへ向かう娘。 上にお兄ちゃんもいるので、やはり「下の子あるある」で要領もよく、保育園でもしっかりした子の類に見られていた。 さらに意識高くレッスンを受けるために、発表会やレベル分けではひとつ上のクラスの子たちと一緒のグループにしてもらえるようになった。 小さい子にとっての1歳差は大きい。 仲良く
先生の教室へと移ってから、月、木、土の週3回通うことになった。 隣の駅まで仲のいい子達で一緒に電車に乗って通うのだ。 それをきっかけに、最低限の連絡が取れるように見守りケータイを持たせた。 小学校1〜2年生の子が夕方から夜にかけて隣の駅まで。 学校が終わってから帰宅、そしてレッスンへ。 こういう流れだとごはんを食べる余裕がないので、夕飯は駅へ送る車中で食べさせた。 それでもバレエがしたくてしたくてたまらない娘はご機嫌。 この生活、夏はいいのだが、冬が厄介。 教室の立地は、
先に費用の不安ばかりを書いてしまったが、 それよりなにより楽しそうに夢中になってる娘をみているのは本当にうれしくて、親としては全力で応援したいという気持ちになるのは必然。 (それでこその、先の費用が心配だったのだが笑) バレエ教室では、お姉さんたちは小さい子の面倒をみる。 これは、しきたりというか自然な流れというか。 普段の教室のルールや、レッスン前後の掃除や準備、そういったものを教えるのはちょっと上の年齢のお姉さん。 発表会の時には小さいクラスの子たちには、高学年のお姉さ
娘がバレエを習って良かったというか、もしバレエじゃなくてもあり得る話だけど。 もともと、私は、小学校の他にも居場所というかコミュニティというか、そういった場所が子供たちにできればいいなぁと考えていた。 毎日通って、毎日長時間、同じ空間いる学校という場所だけでは、やはり何かトラブルや居心地が悪くなったりする時期は多かれ少なかれ出てくるだろう。そんな時に逃げ場や息抜きだったりそんな場所になるどこか。 なので年中や年長さんくらいになって、子供が興味を持ったり、なにかやってみたい
バレエを習い始めて、一番最初の夢となるのがトウシューズかもしれない。 フリフリフワフワがついたレオタードに憧れてバレエを習い始め、 ちょっと年上のやさしいお姉さんたちに憧れる。 そしてそのステキなお姉さんみたいにトウシューズを履きたい! 見事なまでに自然な流れである。 トウシューズを履くには週に3回以上のレッスンに通わないといけないきまりがあった。 当然、早くトウシューズを履きたい子たちは週3~4回のレッスンに通うようになる。それに比例して月謝もいわずもがな。 そして先生
そもそも 「ポワント?」なにそれおいしいの? ってくらいのレベルの知識だった私。 トウシューズのことをポワントともいうことすら知らなかったのだ笑 本来の単語の持つ意味は微妙に違うらしいが、まぁ細かいことはいいんだよ。 バレエを習い始めて、最初で最大の目標であったトウシューズを手に入れた娘。 もちろん、これでめでたしめでたし。とはいかない。 ファーストトウシューズは教室の先生と一緒にチャコットに行って、あれこれフィッティングをして選んでいただいた。 そしてトウシューズの
トウシューズを手にした娘は、「どうしたらもっと綺麗に立てるんだろう」「痛みを少なくできるのかな」と9歳なりに考え始めた。 すると、自然と先にトウシューズを履いているお姉さんたちを観察し、踊り方や体の使い方に注目するようになった。 これまでとは違った視点で、少しずつ「上手くなりたい」と自発的に考え、レッスンへの向き合い方が変わっていったように見えた。 なかでも、自分に似た体型や踊り方をするお姉さんに目標を定め、その人の立ち姿や動きを真似るようになった。 練習量や、自分と違う
トウシューズを得てからの初めての発表会は今までと違っていた。 まず、親の負担。 金銭的負担だけでなく時間拘束。 どうも、期待をかけてる子や先生と気の合いそうな親を役員に指名しているようだった。 役員になると衣装の手配、ゲストダンサーのお世話、舞台スタッフさんへのお世話、子供達のメイク、当日の受付など、各係のリーダー的役割をしなければならず、本番の何日(何ヶ月?)も前から準備に取り掛からねばならない。 フルタイムで仕事をしていると確実に仕事に支障が出る。 私も突然 指名され
娘がバレエを習うまで知らなかったこと、それは 「ムシ」をつけるという作業だ。 発表会などで各自に配られる衣装は そのまま着れるわけではなく「ムシ」というものを各自でつけなければならない。 「ムシ」とは、カギホックの「受け」の部分。ホックをひっかけて止める部分だ。 これを各自のサイズに合わせて きつめの位置につけるのだ。 1着につき、だいたい3〜5カ所くらいつけなければならない。 もちろん、子供が小さいうちは自分でつけられないので親の仕事となる。 本番までにも衣装を着て練習を
同じ時期にトウシューズデビューした、娘の1歳年上のAちゃんが、その年の発表会で「ちょっといい役」をもらった。 1人でステージに立つ場面がある役だ。 多分、先生は日曜日のクラスの件で親たちの空気がちょっと変わったのを感じ取っていたのではないかと考えてる。 日曜クラスに通っている子は特別いい役をもらえるという流れを作りたかったのではないかなと。 それでももちろんAちゃんはとてもうれしそうで、いっしょに頑張ってたAちゃんを大好きな娘も大喜び。他の子どもたちも、「次は自分も!」と