時価総額世界1位になった『Apple』から学ぶ過去の破壊と再発明
タブレットPCは1991年に、スマートフォンは1996年に原型が開発されていたことを知っていましたか?
iPhoneで有名なAppleは、過去のビジネスモデルを破壊し、過去にあった商品を再発明して大成功した会社なのです。
今回は、時価総額世界1位になった『Apple』から学ぶ過去の破壊と再発明について紹介していきます。
タブレット型PCの原型は1991年にできていた
Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズは、iPod・iPhone・iPadを生み出し、音楽・スマートフォン・タブレットPCのシェアを獲得しました。
ジョブズが発明したApple商品は、基本的に既に発明されていた商品だったのです。
スマートフォンは、1996年発売のノキア社の「Nokia9000」
タブレット型PCは、1991年発売のGO社の「PenPoint」
⇒Appleは1993年にApple Newtonを発売
最近できたような商品も、実は1990年代に出来上がっており、ジョブズは、再発明を行いiPod・iPhone・iPadを生み出したのです。
ジョブズの行った常識破壊①「PCの自社開発」
会社を1度追い出されたジョブズのApple復帰第一作は「iMac」でした。
ジョブズは、インテルプロセッサやマイクロソフトのOSを使うことなくオリジナルのプロセッサとOSを開発するようにしました。
◆いまさら聞けないOSとは?
「オペレーティングシステム」の略で、パソコン全てのハードとソフトを管理し、ユーザーが利用しやすいようにサービスしてくれるソフトです。
OSがないとキーボードからの入力もマウスの移動も反映されません。
それまでのPC業界では、プロセッサはインテル、OSはマイクロソフトのWindowsなど1台のPCを作り上げるのに、1社で完結できない「水平分業モデル」が常識になっていました。
Appleは、自社開発をすることで、他社に利益を持っていかれることを防ぎ、OSの更新を一斉に行えるなど、重要なところはすべてコントロールできるようになりました。
ジョブズの行った常識破壊②「本体を高くサービスを安く」
ジョブズは、初代iPodを399ドル(約43,990円)で競合製品の倍以上の価格で販売しました。
その代わりにiTunes Storeでの音楽ソフトの値段は、100円程度と半額で販売しました。
本体を安く提供し、替え刃代を高くして儲ける「ジレットの替え刃モデル」の逆を行い、ハードの魅力を維持・向上させてサービスを安く提供しファンを獲得しました。
また、2007年に出したiPhoneの粗利率は70%もあり、毎年何千台も売れるのでAppleの時価総額は世界1位になりました。
ジョブズの行った常識破壊③「OSを無料提供する」
ジョブズは、Mac用のOSである「OS X」と主力アプリケーションソフトの「iwork」を無料化しました。
これにおどろいたのは、PCソフトの覇者マイクロソフトです。
いままで大事な収入源だったOSをAppleが無料化してしまったので、合わせるしかなくなってしまったのです。
2015年、ついにマイクロソフトも有料だったWindowsを無償化し、7も8も10に無料(フリー)でアップグレードすることになりました。
最後に
Appleの創業者スティーブ・ジョブズは、過去のビジネスモデルを破壊し、過去の商品を再発明することで成長を遂げました。
Appleは、自社でプロセッサやOSを開発することで、部品メーカーに利益を奪われずに済むようになりました。
また、自分たちのタイミングで世界中のOSアップデートを一斉に行えるので、Appleもソフト開発者もユーザーもみんなが喜ぶ結果となりました。
Appleの売れ筋商品のほとんどが、1990年代に原型があった商品で、ジョブズが再発明をして大成功し、2021年現在も世界時価総額ランキング1位の企業になっています。
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