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【エッセイ】将来が不安だから点を増やす

将来の夢 というのが小さい頃からない。人生で初めて将来の夢を語ったのは幼稚園の時だった。授業参観日にみんなの前で発表するのだ。僕は友達のを真似して言った。
小学生から中学生の時はずっとサッカー選手。まあこれは、本当になりたかった。ただ、現実的ではないってことは嫌でもそのうちわかってくる。

そこから今に至るまで将来の夢がない。こんな仕事をして働きたいなんていう職業もない。いや、それは嘘か。今からでもサッカー選手になれるのならなるし、経営者になって富豪になれるならなる。という具合に非現実的な職業への憧れはある。

好きなことを仕事にするっていうのは幻想だった。好きなことを仕事にできている人は運がいいし、相当頑張った人なんだろう。とてもわずかな人間だ。といっても、好きなこと次第で難易度は変わると思うが。

高校を卒業した後の進路を決める時期の話。将来の夢が決まっている人は専門知識を学ぶため専門学校に行くだろうし、大学に行って自分の将来に必要な知識を学びたい人は大学に行くんだろう。でも、自分はとりあえずで大学進学を決めた。将来を選択する猶予、大卒の肩書き、を得るために。そして、点を増やすために。

将来に悩んでいた時に、スティーブ・ジョブスが大学の卒業式で行ったスピーチの動画をみた。その中の1つの話に、経験や知識(点)が別の経験や知識(点)と繋がって線(成功、結果)になることがある。的なことを言っていた。

そして僕には、「じゃあ、点は多い方がいいじゃん」という考えが生まれた。これが大学に進学する理由の1つになった。それで今のところ大学に入って多くの経験や知識を得ている。色々な人間と関わって得た経験・知識や、講義で得た知識、くだらないような経験・知識も得ることができている。それに、成功経験と失敗経験、楽しいこと、嫌なことも経験した。おそらく、理解していない無意識的に得た知識や経験もあるんだろう。

どんな経験や知識でもいつか違う経験や知識と結び付いて線になるかもしれない。自分の中の点同士ではなくて、誰かの点と繋がって線になるかもしれない。今はただ、いつか役立つと信じて点を増やす。就職することも気負わず、点稼ぎと思うことにする。そしていつか、点同士が繋がるその日まで点を増やし続けよう。

点と点が繋がって線になっても、その線はジョブズの線とは比べ物にならないような細くて薄い線かもしれない。生まれたのは小さな成功や結果かもしれない。でも自分はそんなのでも満足だ。自分のしてきたことが正しかった証明になるのだから。

そして、万が一、線にならなくとも集めた点は無駄にはならないと思う。集めた点は点だけでも必ず役に立つ。これは僕の経験が保証する。だから、将来が不安な人は点を増やすことをしてみてはどうだろうか。

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