長男が自閉症スペクトラムと診断されるまで
【長男は自閉症スペクトラム症】
長男は現在、小学校2年生で、公立小学校の普通級に通っています。彼が自閉症スペクトラム(以下、ASDとします)の診断を受けたのは、幼稚園の年少の秋でした。
【診断に至る経緯】
きっかけは、幼稚園のお遊戯会での出来事でした。全員参加の劇で、長男だけが教室から抜け出し、役を演じることなく、ずっと誰もいない教室で積み木をして遊んでいたのです。
さらに、チック症状も現れました。
秋には運動会やお遊戯会など行事が重なり、そのストレスからか、頻繁にまばたきや首振りが見られるようになったのです。
実は幼稚園に入る前から、次のような気になる点がいくつかありました。
・一つの遊びに何時間も没頭する
・切り替えが苦手
・次の行動を促すと癇癪を起こす
・表情が乏しい気がする
また、公園で同世代の子どもたちと遊ばせると、育てにくさを感じることが多く、子育て支援センターに相談に行ったこともありました。
スタッフの方は優しく、「お母さん、よく頑張ってるわね。子供はみんなそんなものよ」「〇〇ちゃんは一つの遊びに集中できてすごいわ」などの言葉をかけてくださり、私もその言葉に救われました。
市の検診でも発達の問題は指摘されなかったので、自分が心配しすぎているのだろうと思うようにしていたのです。
ただ、チック症も出現しており、幼稚園での集団生活や行事が長男にとって大きなストレスになっているのなら、何か対策が必要だと考えました。
【発達センターの診察】
市の発達センターに電話をし、現状を伝えました。担当の方からは「お母さんがお困りなら、児童発達支援事業所の療育を利用されるのがいいと思います。ただし、そのためには一度医師の診察を受ける必要があります」と言われました。
療育についてはインターネットで何となく調べていたものの、詳しくは分かっていませんでした。それでも、長男の困りごとを解決するために良い療育があれば通わせたいと考え、すぐに診察の予約を取りました。しかし、診察まで4か月待ちだと言われたのです。そんなに待つのかと焦り、もっと早く行動すべきだったと後悔しました。
しかし、運よくキャンセルが出て、予定より2か月早く診察してもらえることになりました。問診票には、出産時の記録、成育歴、日常の様子、そして困っていることなどを細かく書きました。
診察自体はあっという間でした。医師が問診票に目を通した後、長男にいくつか質問をし、その反応を観察していました。例えば、目が合いにくい、診察室のぬいぐるみに固執する、相互のコミュニケーションが難しいといった点です。そして、医師からこう告げられました。
「〇〇くんは、自閉症スペクトラム症ですね。療育を希望されるなら、診断書を書きますが、診断名はどうされますか?」
「診断名、ですか?」と私は聞き返しました。
「はい。ご両親の中には、子どものASDを認めたくないという方もいらっしゃいます。そういう場合、癇癪や吃音、チック症といった症状を記載することがあります。」
なるほど、と思いました。私は、長男がASDであることに納得する一方で、これから彼が抱えるであろう苦労を思い、落胆していました。頭では理解していても、心がまだ受け入れる準備ができていなかったのです。
「では、、、チック症でお願いします。」と答えました。
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家に帰ると、どっと疲れが出ました。覚悟はしていたものの、心のどこかで医師から「お母さん、気にし過ぎですよ。ただの個性で、発達障がいではありません」と言われるのではないかと期待していたのです。
しかし、現実は違いました。長男がASDであると告げられた時の場面が、頭の中で何度も繰り返し再生され、この先どうなるのか、不安が押し寄せてきました。夫は「〇〇は普通だよ、大丈夫」と言っていましたが、きっと彼も混乱していたのでしょう。
けれども、落ち込んでいる暇はありませんでした。
診断書を手にした私は、すぐに長男に合う児童発達支援センターを探し始めました。
終わりに🍀
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。このように、長男の診断に至るまでの経験は、私たち家族にとって大きな転機となりました。同じようにお子さんの発達や行動に悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
次回は、児童発達支援センターの選び方や、私たちが選んだ療育について詳しくお話ししたいと思います。どうぞ引き続きご覧いただければ幸いです😊