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「今年」読んで良かった本ベスト3📚

個人的に、今年は3つの「変化」があった年でした。
それは、、、
・転職による「キャリアの変化」
・初めての子育てによる「家庭環境の変化」
・本の虫になるという「ライフスタイルの変化」
特に、去年までは年に数冊しか本を読まなかったわたしが本の虫になったことは、ほんとうに大きな変化でした。

「本の虫」とは、本が非常に好きで読書ばかりしているような人、本を四六時中読み漁っている人、を意味します。
まさに、今のわたしの生活は「本の虫」そのものです。
まあ、まだ「本の虫」ビギナーですので、読むのは遅いですし、哲学関連の本も多く読みましたが、まだ難しい本は理解できません(きっと今後も理解できないでしょう)。
でも、今のわたしにとって「タイミングの合った」本を読み終えたときは、自分が変わったように感じるというか、カタルシスというか、不思議な恍惚感があります。もうやみつきです。

それでけっこう大事なのが、今のわたしにとってタイミングの合った本なのかどうかで、それは読んでみないと分かりません。
きっと、これから紹介する「今年」読んで良かった本ベスト3は、去年読んでいたらピンとこなかった本かもしれません。
そんな一期一会な本の出会いに感謝しつつ、本を紹介していきます。

■出口治明著『哲学と宗教全史』

少しでも哲学に興味があるという方に、是非読んでいただきたい本です。

哲学書って、その哲学者がその時代の文脈の中でどのように考えてきたのか、ということをまず理解していないと、読んでいてもよく分かりません。

この本は、哲学と切っても切れない関係である宗教と絡めながら、哲学の大まかな歴史の流れを理解することができます。
正直、最初は本の分厚さに面食らいますが、それが気にならなくなるくらい分かりやすく、夢中になって読めました。

そして、「そもそも哲学って学ぶ意味あるの?」っていう問いから本書は始まるのですが、その筆者なりの考えが、最後の最後に熱く語られていて、読んでいるわたしも胸が熱くなりました。

それでも人間は生きる知恵を探す

■森田真生著『僕たちはどう生きるか』

環境問題に関して、深く考えさせられる本です。

わたしは昔からぼんやりとですが環境問題に興味があるといいますか、危機感がありました。

小学生のころの出来事なんてだいたい忘れちゃいましたが、校長先生が全校集会でぽろっと口にした「ここ最近はすごく暖かかったので、今日のように肌寒いとなんだか安心します」といった言葉や、通学中にわたしを横切るトラックの排気ガスに感じた強烈な違和感を今でも鮮明に覚えています。

ただ、わたしは気候変動の専門家ではないですし、世界に対する影響力は微塵もないしがないサラリーマン(理学療法士)ですから、出来ることはほんとうに限られるよなあと、もどかしさを感じていました。

しかしこの本を読んで、「いや、些細なことでもいい。今のわたしにできることをやろう!」と強く思いました。

正直、今までは「人間なんていない方が、地球環境にとってはイイのではないか」と思ってしまうこともありましたし、実際に世界ではそのように思う若者も多くて、そのために「子供を産まない」という選択をする方も多いようです。

でも、森田さんの思想に触れると、「いやいや、人間だからこそ、地球環境にとってできることがあるはずだ」と強く感じることができるはずです。
環境問題にぶっちゃけ興味がないという方にとっても、本書を読んでいただければ、「他人事」とは思えなくなるはずです。
ただ決して読後感は暗くなくて、むしろ「生への活力」が満ち満ちていく感じがあります。是非読んでみてください。

当たり前にいたはずの生き物たちが次々を滅びていく世界で、心を壊さず、しかも感じることをやめないで生きていくためには、大胆に生き方を編み直していく必要がある。

■東畑開人著『居るのはつらいよ』

めっちゃ最近読んだ本ですが、今の自分に刺さりすぎたので紹介します。

本書は、京大大学院卒の「ハカセ」が沖縄のデイケアに勤務していたころの出来事を記すルポルタージュなのですが、まあ面白い。笑える。そして感動する。
デイケアに勤務する人の必読書といっていいと思いますし、もちろんそうでない方にとっても、自分の生き方を考え直すきっかけになる本です。

著者のキャリアと比べるとわたしのキャリアなんて下の下の下ですが、「ハカセ」を取得してデイケアで働くという点で共通点があって、しかもわたしが今デイケアで働く中で悩んでいたことに関することがまさに書かれていて、めちゃくちゃ共感しながら読んでいました。

お恥ずかしながら、ここ最近になって医学書院の「ケアをひらく」シリーズの存在を知って、本書もそのシリーズの一つです。
まだこのシリーズは数冊しか読めていないけど、この本は圧倒的に面白くて、多くの気づきがあります。
普段本を読まないという方でも気軽に読める軽やかでポップな文体ですので、是非。

遊びは中間で起こるのだ。主観と客観のあわい、想像と現実のあわい。子どもと母親のあわい。遊びは自己と他者が重なるところで行われる。それはすなわち、人は誰かに依存して、身を預けることができたときに、遊ぶことができるということを意味している。
(中略)デイケアのプログラムに遊びが多いのは、決してただの暇つぶしをしているということではないのだ。それがデイケアの治療的仕掛けなのだ。一緒に遊ぶことによって遊べない人を遊べるようにする。自己を他者に重ねることを可能にする。


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