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朝日新聞記事の感想

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2025年1月の記事一覧

寄宿学校というジェノサイド

寄宿学校というジェノサイド

 中国政府によるチベットやウイグルでの民族同化政策の様子を伝える、ニューヨーク・タイムズ記事。かつて朝鮮や台湾に侵略した20世紀前半の日本は子ども達に学校教育で日本語を強いたわけだが、現代の中国は寄宿学校という家庭からも切離す徹底的な方法で漢民族への同化政策を推進している。これはまさにジェノサイド。

 言語による親子の分断は物悲しい。

トイレ便器数の国際基準は男1:女3以上

トイレ便器数の国際基準は男1:女3以上

 都内在住の女性が2年半かけて、外出した際には欠かさずトイレの便器数をチェックするようにし、この1月までに鉄道・地下鉄、空港、コンサートホールや商業施設など、不特定多数の男女が利用するトイレ706カ所の便器数を集めたという。大いに議論の材料になるデータで、あっぱれ。

 面積が同じなら、女性トイレのほうが設置できる便器数は少なくなる。便器数と利用者数が同じでも、順番待ち時間は女性のほうが長くなる。

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質問をせずにフジテレビの記者会見会場を後にしたジャーナリスト

質問をせずにフジテレビの記者会見会場を後にしたジャーナリスト

 フジテレビの記者会見について、朝日新聞デジタルがタイムラインで報じているなとは思っていたが、翌日の勤め先で事務員さんの話題にあがっていてそんなにも世間の注目を集めていたのかと驚いた。おなじみの西田先生の見解をうかがう記事へのコメントプラスで、ずっとジャニーズ問題を追ってきたジャーナリスト松谷創一郎さんが長めのコメントを寄せている。

長時間会見は意図した演出だったという見立て 松谷さんは取材記者

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大崎善生は西山朋佳のノンフィクションを温めていた

大崎善生は西山朋佳のノンフィクションを温めていた

 「聖の青春」、「将棋の子」といったノンフィクション作品で知られる大崎善生氏(2024年8月死去)と 
、プロ編入試験の大一番に臨む西山朋佳女流三冠の交流を伝える記事。

 大崎夫人の高橋和女流曰く

 将棋ファンから「棍棒を振り回す」とも形容される西山の剛腕の棋風を、大崎はことさら愛好したようだ。高橋曰く

 一方で大崎氏は、AI世代かつ詰め将棋の申し子と言える藤井七冠の将棋を闘病の支えとしてい

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火野正平「本当にあることないこと書かれたね」

火野正平「本当にあることないこと書かれたね」

 昨年11月に火野正平が亡くなった際に再掲された2014年インタビュー記事。週刊誌から追い回された人の実直な想いが語られている。

 火野正平と言えば、私がテレビを最も見ていた子どもの頃は、少なくとも子どもが見るようなテレビ番組で見かけることは無かった。親が定期購読していた週刊朝日で時折、プレイボーイの正しく代名詞として名前を見知っていたが、顔は知らず、さぞかし京本政樹のような二枚目なのだろうと想

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地域公共交通会議のコーディネーターのニーズ

地域公共交通会議のコーディネーターのニーズ

 連載「ニュータウンのいま」より名古屋大大学院の加藤博和教授のインタビュー記事。人口減少および残業規制など運転手の労務環境をめぐる状況によって、従来通りの公共交通を維持できなくなっている地域において、公共ライドシェアなどの取り組みが紹介されている。

 早晩に自動運転によってすべての公共交通が置き換わるわけでも、皆がコンパクトシティの中心部に移住するわけでもないだろう。現在の住民に必要なサービスを

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避難所が快適になれば

避難所が快適になれば

 避難所の間仕切りや仮設住宅づくりにも取り組んできた建築家の坂茂さんのインタビュー。避難所が快適になれば仮設住宅を経ずに災害復興住宅に入居という道筋も描けるという指摘や、地域住民が避難所の設営や運営の訓練を受け発災時には派遣されるというイタリアの事例紹介など、興味深い。

 突然に住居を追われる人がたくさん発生する事態は、なにも自然災害だけではない。もし台湾環境や朝鮮半島で有事があれば、国内に多く

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『え!私の重要文化財、多過ぎ?!』の一点、黒田清輝「湖畔」が石川県に

『え!私の重要文化財、多過ぎ?!』の一点、黒田清輝「湖畔」が石川県に

 能登地震など災害復興支援のために、金沢21世紀美術館ほか石川県内の美術館を会場にして、東京国立博物館が普段東京にある名画の巡回展「ひと、能登、アート。」を開催していることを伝える記事。浮世絵の祖と言うべき菱川師宣「見返り美人図」をおさえて、黒田清輝「湖畔」がこの記事のサムネイルになっている。

 黒田清輝といえば、近代の洋画家の中でも突出して多い「湖畔」を含む3点も重要文化財に登録されていること

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刹那的に過ごし反骨精神を宿していた20世紀末のギャルマインド

刹那的に過ごし反骨精神を宿していた20世紀末のギャルマインド

 連載「1995年からの現在知」の第6回から第8回は鈴木涼美、ゆうちゃみ、みりちゃむの各氏にギャルマインドについて尋ねる内容だった。本物のギャルに学びマインドは継承しているというゆうちゃみさんと、マインドギャルとギャルは別物と明言する相伝のギャルであるみりちゃむさんの、好対照な当事者意識は面白い。

 ギャルは、男性がセックスの対象をまなざす言葉から、90年代に女性が自称する言葉に変容していったら

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