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システマ ダニール大阪セミナー感想 内側とリラックス

11/5-6で大阪のダニールセミナーに参加しました。システマを始めて間もなく参加した広島のダニールセミナーから早くも1年が経ちました。昨年は翌日歩けないくらいの筋肉痛でヨレヨレでしたが(笑)、大阪やセミナーにも段々慣れてきて、今回はリラックスして臨めました。

今回のセミナーでは、2日間を通して「自分の内側の観察」「頭ではなく体に任せた動き」「心身のリラックス」というのを何度も言っていたかと思いますが、ダニールは本当にリラックスを体現したような存在だなと感じました。

周りの空気を明るく華やかにする太陽のような存在感を持ちつつ、一方で私の背後を気配なく歩いて通り過ぎていくという、何とも不思議で自然体な人です。そんな良い空気が流れるセミナーの中で、今回も参加者の方から多くの気づきをもらいました。


「体で動く」につながるワークの組み立て

個人的に印象的だったのは、ワークの組み立て方です。私が参加したダニールのセミナー(昨年の広島、今回の大阪)は、全部ゆっくり歩くから始まりました。

目を閉じて歩いたり、後ろ向きに歩いたり、床を這ったり、ペアの人を背中に乗せた状態でさらに床を這ったり……と、汗をかく系のワークが多いように思います(笑)。

頭で考えがちな性格なので、こうした「体を動かす喜びを全身で感じる系ワーク」(私が勝手に命名)は自分に合っていますし、「内側を感じる、体で動く」が自然とできていくような組み立てだなと感じます。動けば動くほど、自分の体がパワフルになって楽しくなってしまうような…。

そして節目はいつも4大運動をして終わっていました。プッシュアップの腕を伸ばした状態で何分か静止する時間があって、「それでキツイと感じているならやり方が間違っている」と言っていましたが、ふつうにキツかったです(笑)。

さらに、今やっているワークで分からないところがあっても、前のワークを遡るとヒントが見つかることが多く、最後に伏線回収する推理小説のような爽快感(そして実用性)のある組み立てになっていました。

半分諦めた状態から出る想定外の動き

個人的に気づきが多かったワーク2つを振り返ります。

1つ目は、コンディショニング的な内容で、相手の腕や足を捻じって、そこから詰まっている箇所を見つけて流してあげて全身を通した状態にしてあげるペアワークです。

私はテレワークという仕事柄、日常的な動作の癖で左肩が猛烈に詰まっているのですが、ペアの人に左腕を捻じられた時に、左肩を抜いてもらって、背中→腰と順番に詰まりを意識・観察しながら抜いていくと全身に呼吸が通っていくのがわかりました。

ゆっくりと内側を観察しながら、呼吸を通して動くというのを丁寧にやると、うつ伏せで自然に呼吸をした時に背中から足の裏までビリビリ呼吸が通る感覚がありました。その感覚のまま、今度は相手に触れてあげるとテンションとリラックスの関係性への理解が少し深まったように感じました。

2つ目のワークは、1人が床に寝て、残りの4人が両腕両足でがっちり掴み、掴まれた人がそこから体全体をうまく動かして状況を変える(自由になる・解放される)というワークです。

私以外は全員男性だったので、当然ですが力や筋肉だと100%動かないですし、ピクリとも動けません。なので、始まった段階で半分諦めているのですが(笑)、それ故に、この状況をそのまま受け入れられる状態にもなっていました。

それまでのワークの内容を思い出して、受け入れて動かすようにすると、なんだかグネグネと両腕が動いていくのが分かりますし、なんなら足のほうは相手を巻き込んでダイナミックに回転するという、自分でも想定外の解決方法になりました(笑)。

一緒にワークをしてもらった人たちのアドバイスをもらいつつ、なるべく体に任せるようにやっていると、「人間ってこんな方向に動くんだ」「この絶体絶命の状態から、こんな解消方法があるんだ」「子供の時に遊びでこんな動きしたな」とか、頭で考えていたら起きない不思議で楽しい現象が起こります。うつ伏せで押さえつけられている時なんか「絶対無理じゃん!」って思うけど、体を壊さないように注意しながらダイナミックに動くと、想定外の何かが起きる(良い意味のサプライズ)時があるので本当に不思議です。

もっと自由に、自分らしく

他のワークでも「腕に呼吸を通す(大西さん)」「自分の軽さを武器にすればいい(北川さん)」など、普段考えたこともない言葉を受けて、自分の動きや考えが変わるのが面白かったです。

特に、軽さについてはデメリットと思っていたところがあり、「もっと食べて体重を増やさないと」とか「筋トレしてもう少し筋肉を付けないと」など、もっともっとと無いモノに足し算していく発想になっていたので、ハッとさせられました。
もっと自由でいいし、自分らしくあることを追求できればいいんだなと、心も体も軽くなった感じがします。

そして2日間の締めでは、全員が肩を組んで円になったままスクワット、プッシュアップ、うつ伏せ、仰向け、屈んだまま横に飛ぶなどやったのですが、もうヘロヘロで全く動けずでした。

隣が藤盛さんだったのですが、肩組みを通して体を軽く動かすサポートをしてもらいました。自分がめちゃくちゃしんどい時でも周りをケアして手助けをするのはすごいことだと思いますし、人としてそうありたいとも思いました。

ダニールが言っていたこと

ダニールが言っていたことで印象的だったことをメモします。

・日常生活から常にリラックスすること。何かあっても、テンションを入れるのではなく、まずリラックスから入る
・自分の内側を観察する、体に聞く、心に聞く
・頭も体も自由になる。体が常に準備できていれば自然な動きになる
・桜を見る時に全身で桜を感じるように、皮膚や周りの空気も含めて全身で呼吸をする。呼吸器だけで呼吸しているわけではない
・テンションが入ったらしっかり呼吸をして姿勢を整える
・ミカエルのシステマは、人間らしくあることを教えてくれる
・相手がケガしないよう、みんなが無事に帰れるよう周りをケアする
・無理やりテンションで動くとケガをする。体に任せてケガをしない方向に動く
・頭が体の上にあれば安定する
・足を動かして、自分によって快適なバランスとポジションにする
・その人にとっての良い動きや快適なポジションは、人それぞれ違うので自分で見つける必要がある
・自分の理想の動きやテクニックを追うのではなく、相手とワークする
・バランスを相手に返す
・腕を体から離すと折れる可能性があって危ないので、腕を体に近づける。腕を掴まれたなら、足と体を動かせばいい

あと、座っている時にダニールがそっと後ろから近づいてきて、首を左右にゴキッ!ゴキッ!(音はママ)とやられてびっくりしたのですが、痛くなくてスッキリ心地よかったです。

そして、ダニールの腕や足を押さえ込んでも謎のパワーで子供のようにブンブン振り回されます。筋肉をグッと掴んでいたので筋肉で動いていないのは分かったのですが、パワフルさの範囲が広すぎて何だかすごいということだけわかりました(笑)。

自由を正しく扱う人間らしさ

セミナー後の新幹線では、心地よい疲労感もあり世界と自分が溶け込むような感覚になります。ふと、ダニールの言う「まずリラックスから入る」を日常生活でも実践できたら、あらゆるものへの不安や恐れがなくなり、最強な状態になるのではないかと思いました。

そんなことを考えながら、新幹線で星野源のエッセイ本「いのちの車窓から2」を読んでいたら、

エゴが消えると、自分と他者の間にある境界線が消える。自意識が消えていくと、自我が環境の中に溶け込んで空の状態になる。

「いのちの車窓から2」

とあり、何ともシステマっぽいなと思っていたら、

世の中のどんなルールも、常識も非常識も(略)本当は全部幻想で、そんなものはないのだ。
(略)だから怖くなる。自由とは責任である。
(略)私たちは本当は自由だ。この世界になんの規制もないとしたら、何をしでかすかわからない。

「いのちの車窓から2」

とも書いてありました。

自由であるのは自分にとって心地よいですが、その自由さを正しく扱うには、人間らしくあることが必要なのでしょうか。ミカエルと星野源をつなげてみました。広島のセミナーも楽しみです。そんなことを考えました。


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