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冬はつとめて / 1人時間を楽しむ


冬、静かな朝の時間が心地よい。
カーテンを開けて外を眺めると、真っ暗な空から雪が落ちている。窓を開ければ冷たく寒い空気が頬に凍みる。まだパジャマの私は、すぐに窓を閉めてリビングに降りラジオをかける。着替えて顔を洗い、お白湯を飲みつつストレッチをする。


この時間がお気に入りだ。



20代前半までは朝が苦手だった。
学生時代は1人では起きることもできなかった。
祖父母や両親、妹にも毎日のように起こしてもらっていたのにも関わらず、苛立ってしまう始末。夜更かししているわけではなく、早く寝ているのになぜか寝起きが最悪。長年に渡り、家族に迷惑をかけてしまっていたわけだ。


そんな私がなんとか社会人生活を送り、「早起きが心地よい」と思えるようになった。理由は自分でもわからない。1人暮らしにより、家族にも甘えられなくなったことで責任感が生まれたのかもしれない。


私は早ければ4時すぎに起きる。
そんなときはゆったりと映画を観る。自分にとって映画鑑賞は、数ある趣味の中で第1位に輝く。

夫も、たまに早く寝過ぎてしまい3時半頃に起きていることがある。そんなときはお菓子作りをしているようだ。甘党の夫、余計なことを考えずに没頭できるので楽しいらしい。私の起床時には、お菓子屋さんの甘い香りが家中に広がっている。それが幸せに感じることもあれば「お味噌汁や焼き魚の香りのほうがいい」と思う朝もある。鼻のよい犬たちには同情してしまう。


先日はたくさん頂いたサツマイモで、スイートポテトを作っていた。



紅あずまで作ったスイートポテト。
なんだか『わかさいも』みたいでかわいい。
ほくほくしていておいしい!



パープルスイートロードで作ったもの。
見た目がもうサツマイモそのもののよう。
しっとりしていておいしい!




🍠 🍠 🍠 🍠 🍠 🍠 🍠




学生時代、眠たい目をこすりながら1人で起きていたときもある。受験シーズンとテスト期間である。
夜は『もう疲れた、明日の自分に任せよう』と就寝。
朝は昨夜の自分を恨みながらベッドから這い出る。


1番記憶にあるのは、高校受験のときだろうか。私にとって初めての受験で冬休みは本当につらかった。終わりのない勉強の日々。誰よりも早く起きて今と同じように、カーテンを開け外を眺める。雪が降り積もり、遠くから除雪車の音が聞こえる。つけたラジオからは当時流行っていた冬のバラードが流れる。
そして「今日もなんとか頑張ろう」とペンを持つのだ。


『冬はつとめて』
私は、"清少納言"についても"枕草子"についても詳しいわけではないのだが、この言葉には共感する。冬の早朝だけは、寒いけれどもなにやらあたたかい。それが心地よいのだ。

小さい頃は、祖父母や両親がなぜあれほど早起きなのだろうと思っていた。いつの間にか自分も年を重ねたことで、早起きが得意になったのだろうか。そうして少しだけ切ない気持ちになるのは師走のせいだ。


現在、早いときは3時半に起床してしまう夫は、高齢になったときいったいどこまで早くなるのだろうか。
心配事は増えるばかりである。









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