億を売る妻No.18 出産しながら稼ぐ
妻は仕事に没頭する日々を
続けていく中で、
新たな出来事が起こりました。
妻が3人目を妊娠した事がわかったのです。
妊娠がわかってからも、
仕事の手を緩める事はありませんでした。
長女と次女で経験した出産の苦しみを、
味わうと仕事に支障をきたす為、
無痛分娩をする事に決めていました。
出産する日時も決まっていましたが、
妻は当日の直前まで仕事をしていました。
商品の買い付け、写真撮影、商品の出品、
顧客リストの作成、在庫管理、売上管理 など
あらゆる事を大きなお腹で
こなしていきました。
そして出産当日。
病院に入院してからも、
パソコンを病室に持ち込み、
顧客リストを作成と在庫管理をしていました。
それと同時にスマホを横に置きながら、
新商品を出品していました。
促進剤と無痛の為の麻酔をした後も
スマホだけは離しませんでした。
お産が進み、子宮口が開いていっていても、
売れたお知らせ音がする度に、
看護師さんが退室すると、
「スマホ取って!」
と私に指示してきました。
妻はたとえ出産であったとしても、
その事だけを考えようとはしません。
いつも何かをしながらも、
商売を動かし続けようとします。
結局、陣痛の苦しみがない妻は、
稼ぎながら女の子を出産しました。
出産後、
私は生まれたばかりの
赤ちゃんを眺めながら、
妻が分娩台の上で、
産むその瞬間まで
仕事している姿を見て、
お医者さんや看護師さんは、
いったいどう思っていたのか?
と気になりました。
分娩台の上で仕事をするって、
よく考えると、
なかなか普通じゃないよな。
と内心思いながらも、
その時の妻の行動は、
私にとっては日常である為なのか、
特に気になっていなかったのかもしれない
自分自身に気が付きました。
もしかすると、
私の感覚も随分と普通では
無くなってきていたのかもしれません。
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つづく