どうして薄力粉と強力粉では粒子の粗さに違いがでるのか?
◇胚乳の細胞
まずその理由をお話しするためにも、
小麦粉の原料である「胚乳」
その細胞について少し解説します。
上の図のように胚乳の細胞は、
「核」とたくさんの「デンプン粒」を「細胞質」と呼ばれる箇所が閉じ込めているような構造になっています。
※ちなみにデンプン粒は小麦粉の成分
「デンプン」が貯蔵された袋状の物質です。
そして今回の話のポイントなる小麦粉の粒子とは、この細胞の「欠片」のことを指します。
つまりはこの欠片が大きい小麦粉ほど、粒子も粗くなるのです。
この構造を踏まえた上で、本題に入ります。
◇小麦の種類による粒子の違い
結論から述べると、薄力粉と強力粉とで粒子の粗さが違うのは、
胚乳の細胞の硬さ、つまり小麦粉の硬さが違うからなのです。
「硬質小麦(強力粉)」と「軟質小麦(薄力粉)」
それぞれの細胞(粒子)の状態を説明します。
◇「硬質小麦(強力粉)」の場合
強力粉と薄力粉の差は含まれるタンパク質の量です。
硬質小麦は、細胞質に含まれているタンパク質が多く、
細胞質が硬くてなかなか小さく割ることが出来ません。
そのため、硬質小麦から作られた強力粉は粗い粒子が多く含まれています。
◇「軟質小麦(薄力粉)」の場合
一方の軟質小麦はタンパク質が少なく、
細胞質は硬質小麦と比べてもろく粉砕しやすくなっています。
よって、軟質小麦から作られる薄力粉は、
粉の粒子が細かくダマになりやすい性質を持っているのです。
※bitesjapansquadの投稿:Ironman_fe