黒耀石の原産地を探る・鷹山遺跡群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」別冊)
黒耀石の原産地を探る・鷹山遺跡群 (シリーズ「遺跡を学ぶ」別冊)
黒曜石【こくようせき】と呼ばれる石があります。この石は、石器の材料として、原始時代の日本人に、とても大事にされました。
その黒曜石の原産地について、書かれた本です。
この本では、黒曜石を、「黒耀石」と表記しています。よく見て下さい。「耀」の字が違います。
「耀」には、「輝く」という意味があります。この石の輝きのイメージを出すために、こちらの字を採用したのだそうです。
名のとおり、黒耀石は、きらきらと光る、美しい石です。のみならず、切れ味の良い石器になります(^^)
日本には、黒耀石の産地といわれる場所が、何カ所かあります。
この本では、それらのうちから、長野県にある鷹山【たかやま】遺跡群を取り上げています。
ここから産した黒耀石は、旧石器時代から縄文時代にかけて、日本各地の人々に珍重されていました。
現在の埼玉県、東京都、千葉県などの関東地方や、静岡県や、新潟県などで、長野県産の黒耀石の石器が、発見されています。
この本によれば、約三万年前の旧石器時代から、黒耀石が使われ始めたといいます。
三万年前といえば、まだ、日本列島に、ナウマンゾウやオオツノジカがいた頃です。そんな頃の「原日本人」は、どんな生活をしていたのでしょうね?
原始時代へのロマンをかき立ててくれる本です(^^)
薄い本で、図が多いですから、すぐに読めます。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
第1章 星くずの里・鷹山
1 星糞峠【ほしくそとうげ】の輝く黒い石
2 発掘調査の道のり
第2章 黒耀石原産地遺跡群の全貌
1 黒耀石とは
2 旧石器時代の鷹山
3 縄文時代の鷹山
第3章 石器づくりと流通
1 道具からくらしを考える
2 旧石器時代の石器づくりと流通
3 縄文時代の石器づくりと流通
第4章 遺跡の保存と活用
1 黒耀石のふるさとを守る
2 体験学習の実践
博物館案内 黒耀石体験ミュージアム
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